『酒のほそ道』(33) (ニチブンコミックス)読了

これもコンビニで買いまんた。
他のゴラク掲載マンガの宣伝が一切ないのにびっくりした。

(1)
第十話「ザ・ジャンク」を、ジャ・ジャンクーと空目って、
あの疾走する虚無感世界が酒のほそ道に展開されてるのかと思ったら、
違った。

賈樟柯
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%88%E6%A8%9F%E6%9F%AF

この巻、前半なんか線がぎこちなかったので、そう感じたのかも。
ロットリング?なんか、丸い線が、なんかね。

(2)
頁179、西川口前田俊夫先生の仕事場にアシスタントにと書いてあって、
うろつき童子西川口の取り合わせが絶妙すぎたので、
この巻で一番笑いました。アシスタントに行ってたってことは、
ああいう絵も描けるのか、と思いました。

(3)
このマンガ、割烹料理屋というのかな、ママがやってる小料理を出す居酒屋みたいのが
よく出てきて、主人公は常連客だが毎回ママが別人という世界設定で進行しています。
こういう店が地元にもあるんですが、
歴代テナントが苦戦した場所で頑張ろうとしてるのが手書きボードから見てとれてます。
のれそれ仕入れてみたり、頑張って牛の叩きを手作りしたと書いたり、
娘とのたわいないやりとりを書いてみたり。
現役飲んべえの人はやはりお店で楽しく飲んでほしいと思いました。
頁162に、こういう店のママの男、というか、
よくこういう店で、ただ「おっちゃん」と呼ばれるような、
ひっそりカウンターのすみで飲んでて、常連には失礼のないよう挨拶して、
お店の仕事はお運びくらいしか出来ないお店関係のおっちゃん、的な人が出てきて、
あーなんかリアルだなーと思いました。
頁169みたいな夫婦でやってる居酒屋でご主人がどうかされはったあとで
入り込んだ「おっちゃん」やと、常連との間で軋轢が生じたりいろいろあるもんですけど、
まあ、空気みたいな存在に擬態して静かに飲むタイプが多いですよね、こういう人は。
ホステスさんのヒモとはまた違いますわね。
ふと、あるキャバ嬢にくっついた自称飲食業コンサルタントの人に、
キャバ嬢の弟が分かれろと乗り込んだら、まともにケンカしたら負けるので、
いきなりワインの瓶で先制攻撃してぼこぼこにしてその後ギャーギャーやってるのを
昔見たのを思い出しました。

(4)
昼酒のはなしが3つあります。
昼酒だからいけない、ということはないと思いますが、
第5話「四六時中」から第18話「フキゲン」のようになり、
飲み続けて耐性が出来て報酬系がどうのこうの、みたいな小難しいことは分かりませんが、
楽しくなるために飲んでるのに全然楽しくなくていらいらして、
でも飲むのがやめられない、と思ったら、
プチ断酒するべきなんでしょうね。
さっさと帰って寝るだけで乗り越えられるかどうか。
頁187で赤羽のことを、
朝から飲める店がたくさんあるのに、
街にダメダメな雰囲気が全然ない
と書かれてますが、
そういうところだとダメダメな人は入れないので、
行き続けられるよう、ダメダメにならないスタイルキープがいるんでしょうね。

以上