『上海酔眼』 (講談社文庫)読了

表紙画像が全く見つかりません。白地に「上海醉眼」の墨書のみの表紙です。
カバーデザイン:渡辺裕二。

上海酔眼 (講談社文庫)

上海酔眼 (講談社文庫)

作者の作品に上海旅游のものがあるのは、父親が祖父に勧められて上海で働いていて、
彼が生れる前に死んだので母親が彼を身籠った状態で帰郷したという経緯があるからだそうで、
上海仕込み、東京生まれ、清水そだちだそうです。
この本は1985年くらいの、団体旅行全盛、改革開放時代の上海旅行記で、
同行者の文章によると紹興酒も飲んでるようなのですが、本人の文章だけ見ると、
山東産ブランデーとかビールとか白酒ばっかです。
写真は引用とか出来る
類いのものではないですが、
検索して全く引っ掛からんので、
恐縮乍ら、二点だけ
掲載させて頂きます。

御姿はどうかと思いましたし、
右半分のバイク迄
あって一枚の作品なのですが、
左半分のみ掲載します。

高倉健じゃないよ作者だよ、
と言った風情の、
人民服を仕立ててはいるが、
友誼商場かホテルの
売店で外貨兌換券で
買ったとしか思えない
マオタイ酒を無造作に
ぶら下げててシュールすぎる、
と思いました。
当時やと、人民の月収並みの
値段やねん、それ。

で、左は、
かつてのダスカ(大世界)で、
'90年代海外華僑資本の
チカラでまたダスカとして
復活する建物の、
昔なつかし1ページ、
です。たぶん。

中日友好の、テキトーな、
「の」の使い方が、
いかにも南方で、
ちゃんとした日本語の使い手が
いないので、
かつて文革で迫害した人を
わざわざ満洲から呼び寄せて
鑑真号のオフィスなんかで
働かせていた、
なんて当時の話を
思い出しました。

ようこそ 日本青年の仲間

この不自然な日本語を、
不自然と指摘出来なかった
当時の、
党によるコネ
社会全盛の
中国。

アタマで
考えた日本語が
生活で
身につけた
日本語を
駆逐した時代の
日本語。

胡耀邦時代の
中国の写真は、
たくさん
あるはずですが、
だから価値が
ないのか、
下記の本の
ようにはならず、
この本も
いましばらく、忘れ去られたままになるのか、と、思いました。

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