『『洋酒天国』とその時代』読了

『洋酒天国』とその時代

『洋酒天国』とその時代

『洋酒天国』とその時代 (ちくま文庫)

『洋酒天国』とその時代 (ちくま文庫)

二重鍵括弧をふたつ重ねてしまうとは…でもそういうタイトルだから仕方ないです。
流れで読んだ本。ハードカバーを借りました。
紹介される書籍や引用、参考文献名が多く、また魅力的なので、
そのメモだけでおなかいっぱいになりました。
創刊時の熱気は伝わります。
反面、廃刊については、頁314に、
まあ、会社の決定というのは突然やってくるものだ。
のひとことで片付けられており、当事者だったからまだ守秘義務があるのか、
アンソロジーのほうを読めば分かるから?書いてないのか、
その辺の事情は不明ですが、釈然としませんでした。
洋酒天国とほとんど関係のない、青山二郎大岡昇平とむうちゃんに関してさえ、
小谷野敦講談社文芸文庫解説まで引用して語っているのに、
PR誌の五十号以降の右肩下がりと終刊については、
奥歯に物が挟まったような煮えきらなさで、片手落ちだと思いました。
<読んでみたいと思った、登場する書籍>
カストリ時代―レンズが見た昭和20年代・東京 (朝日文庫)

カストリ時代―レンズが見た昭和20年代・東京 (朝日文庫)

http://ambition-photogallery.com/gallery.php?id=20&theme_no=1
http://fujifilmsquare.jp/detail/08051600.html
我、拗ね者として生涯を閉ず(上) (講談社文庫)

我、拗ね者として生涯を閉ず(上) (講談社文庫)

我、拗ね者として生涯を閉ず(下) (講談社文庫)

我、拗ね者として生涯を閉ず(下) (講談社文庫)

頁38に杉森久英の作品で北条誠が戯曲化した『大阪の鼻』というのが出てきますが、
巻末の参考文献一覧になく、検索でも見付かりません。
『美酒一代―鳥井信治郎伝―』という作品は見付かりますが…
ほかの方のブログで、佐治敬三のへんこつなんこつでも同書が登場するとあり、
あるんだろうけどようわからんな、と思いました。
頁58、花森安治が「欲しがりません勝つまでは」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ
のコピーを書いたとは知りませんでした。もしくは無意識に記憶を封印してた?
頁110、大変ゴキゲンがいいとは、ヘンな日本語だなあ、
機嫌がいい、もしくは、ご機嫌だ、とすべきではないか、と最初脊髄反射しましたが、
開高健について語った場所ですので、彼の乱調C調に合わせたのならアリか、
と、思い直しました。
小説・吉野秀雄先生 (1977年) (文春文庫)

小説・吉野秀雄先生 (1977年) (文春文庫)

頁148、山口瞳が採用面接の時、当時専務だった佐治に、
きみはどうしてそんな歯をしておるのや
と聞かれた話、ほかでも読んでいたかもしれませんが気付いていませんでした。
晩年の国立時代、やきとんを串から外して、
歯のない口でねぶりまわしながら焼酎を飲んでいた、
というエピソードを思い出します。
夏服を着た女たち (講談社文庫)

夏服を着た女たち (講談社文庫)

アンクル・トリス交遊録 (旺文社文庫)

アンクル・トリス交遊録 (旺文社文庫)

江分利満氏の優雅な生活 (ちくま文庫)

江分利満氏の優雅な生活 (ちくま文庫)

四十八歳の抵抗 (新潮文庫)

四十八歳の抵抗 (新潮文庫)

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

植草甚一読本 (1975年)

植草甚一読本 (1975年)

映画字幕(スーパー)五十年 (ハヤカワ文庫NF)

映画字幕(スーパー)五十年 (ハヤカワ文庫NF)

退屈の利用法 (1982年)

退屈の利用法 (1982年)

但馬太郎治伝 (講談社文芸文庫)

但馬太郎治伝 (講談社文芸文庫)

奇抜の人―埴谷雄高のことを27人はこう語った

奇抜の人―埴谷雄高のことを27人はこう語った

ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)

ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)

僕の昭和史 (新潮文庫)

僕の昭和史 (新潮文庫)

銀座細見 (中公文庫 M 54)

銀座細見 (中公文庫 M 54)

これだけの文献を読めるかどうか分かりませんが、
まずは洋酒天国を検索するとすぐ矢作俊彦のウェブインタビューが出てきてくやしいので、
アンソロジーでも読んでみようかと思います。あと佐治社長の最初のほうの本。