- 作者: ズデニェック・スヴェラーク,千野栄一
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それで興味が湧いて借りました。
クンデラ以来のチェコの有望作家だそうですが、
ACでなく、クンデラのほうのミランは未読です。
コーリャとは、ロシア人の名前ニコライの愛称だそうですが、
お話に出てくるのはユーゴスラヴィア人のコーリャで、
そもそもユーゴスラヴィアという国家名自体が、パキスタン同様造語ですから、
なんだか分からないなーと思いながら読み続けました。
近縁語ということで、ロシア語の文章や会話がバンバン入る小説だそうで、
ロシア語は書体を変えて、日本語でも読者に分かるようになっています。
原書でも、ロシア語はキリル文字、チェコ語はラテン文字に分けていたのかな、
と思いました。言葉のロシア語はバンバン出てくるのですが、
お話は物質文明の象徴であるクルマとお金が大事な要素で、
クルマは東独製トラヴァントが出てきますが、ソ連のラダーは出てきません。
1989年のビロード革命前夜から当日までの話とのことで、
西側亡命者もバンバン出てきますし、秘密警察も名前だけ出てきます。
でもお話は物質文明とガールズウォッチなどで淡々と進み、
女の子の描き方は、時代は経ても
これが、例えば吉林省延辺朝鮮族自治州の二重言語小説だったら、
もう少し没頭出来たのですが、米原万理の人には申し訳ないですが、
東欧にはそんなに思い入れがないので、とっかかりがないまま読了してしまいました。
言葉に気を使ってる小説だから、巻頭一行目でいきなり、
ドヴォルザークをドヴォジャークと表記したのも意味があるのでしょうが、
感じとれぬままオワリです。残念。以上