『あれよ星屑 2』 (ビームコミックス)読了

一巻読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150830/1440947144

中国大陸従軍篇。といってもとば口です。
エピソード的には知っているものばかり、とアマゾンレビューで見た気がしますが、
例えば下記は知りませんでした。

頁100
〽雨の
 しょぽしょぽ
 降る晩ぱんに
 硝子カラスの窓まとから
 覗のそいてる
 満鉄の金ちん釦ぽたんの
 馬鹿ぱか野郎

〽触るは五拾銭こちせん
 見るは只たた
 参圓五拾銭こちせん
 呉れたなら
 かしわの鳴くまて
 ぽぽしゅるわ

 上あかるの帰るの
 とうしゅるの
 
 はやく精神せいちん
 決ちめなさい

 決ちめたら
 下駄けたもって

 上あかんなさい

出典がないですが、あえてなのかな〜。
「〽」がIMEパッドで出て来なくて、ない字かと思いました。
庵点と言うのですね。

庵点 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%B5%E7%82%B9

兵隊やくざとの類型も示唆されてますが、許容範囲内と思います。
で、あちらは北満黒河、こちらはおそらく北支かと。ぎょうざがあるので、山東かな。

掃討戦の場面はまだないのですが、斬り殺す相手が便衣か村人か、
のところで、いちおう会話のある場面では、前髪を垂らした真ん中分けの、
いかにも延安に走ったインテリみたいな八路の人が出てきて、
非常に口語というか、かつ礼儀正しい会話をします。

頁142
川島“没有什么要申辩的了吗(なにか申し開くことはないか?)
八路“没有(ない)
川島“没有了的话,我就必须杀了你(なければ貴方を殺さねばならない)
   还有遗言吗(言い残すことは?)

八路“我的同伴会越来越多(我々の仲間は次々に増えている)
   即使我死了,将来我的同伴也必定会战胜你们的(自分が死んでも将来必ず我々はあなたがたに勝利するだろう)
   你尽管履行你的任务(貴方は自分の任務を全うするがいい)

"会"とか、留言でなく遺言とか、実行でなく履行とか、了"liao"動詞のリァオとか。
ニーメンダ、とか。八路だからって、戦中時点で簡体字使う必要ないと思います。
戦後少し経たないと、簡体字はその骨格、基礎案が固まらなかったような。
抗日戦争期は、解放区もまだまだフツーの漢字主体で、
草書や略字当て字がそのまま簡体字になった字が、使われていたに過ぎない気がします。
(南方人が今でも「飯/饭」を「反」と略して書くのを横浜中華街なんかで見ますが、
 あれは簡体字じゃないですよね。俗字の当て字)

以上