- 作者: 山田参助
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2014/10/25
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (8件) を見る
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150830/1440947144
中国大陸従軍篇。といってもとば口です。
エピソード的には知っているものばかり、とアマゾンレビューで見た気がしますが、
例えば下記は知りませんでした。
頁100
〽雨の
しょぽしょぽ
降る晩ぱんに
硝子カラスの窓まとから
覗のそいてる
満鉄の金ちん釦ぽたんの
馬鹿ぱか野郎〽触るは五拾銭こちせん
見るは只たた
参圓五拾銭こちせん
呉れたなら
かしわの鳴くまて
ぽぽしゅるわ上あかるの帰るの
とうしゅるの
はやく精神せいちん
決ちめなさい決ちめたら
下駄けたもって上あかんなさい
出典がないですが、あえてなのかな〜。
「〽」がIMEパッドで出て来なくて、ない字かと思いました。
庵点と言うのですね。
庵点 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%B5%E7%82%B9
兵隊やくざとの類型も示唆されてますが、許容範囲内と思います。
で、あちらは北満黒河、こちらはおそらく北支かと。ぎょうざがあるので、山東かな。
掃討戦の場面はまだないのですが、斬り殺す相手が便衣か村人か、
のところで、いちおう会話のある場面では、前髪を垂らした真ん中分けの、
いかにも延安に走ったインテリみたいな八路の人が出てきて、
非常に口語というか、かつ礼儀正しい会話をします。
頁142
川島“没有什么要申辩的了吗(なにか申し開くことはないか?)”
八路“没有(ない)”
川島“没有了的话,我就必须杀了你(なければ貴方を殺さねばならない)
还有遗言吗(言い残すことは?)”
八路“我的同伴会越来越多(我々の仲間は次々に増えている)
即使我死了,将来我的同伴也必定会战胜你们的(自分が死んでも将来必ず我々はあなたがたに勝利するだろう)
你尽管履行你的任务(貴方は自分の任務を全うするがいい)
"会"とか、留言でなく遺言とか、実行でなく履行とか、了"liao"動詞のリァオとか。
ニーメンダ、とか。八路だからって、戦中時点で簡体字使う必要ないと思います。
戦後少し経たないと、簡体字はその骨格、基礎案が固まらなかったような。
抗日戦争期は、解放区もまだまだフツーの漢字主体で、
草書や略字当て字がそのまま簡体字になった字が、使われていたに過ぎない気がします。
(南方人が今でも「飯/饭」を「反」と略して書くのを横浜中華街なんかで見ますが、
あれは簡体字じゃないですよね。俗字の当て字)
以上