『誘拐の掟』(原題:A Walk Among the Tombstones)DVD鑑賞

公式 http://yukai-movie.com/
ローレンス・ブロック映画コメント
http://yukai-movie.com/comment/index2.html

原作読書感想 http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140414/1397446248
いちばん売れそうなDVDだったので急いで観たのですが、余韻が残って、
売りにくいです。実写で動く須賀田さんというのが、予想以上によかった。
TJも、思った以上によかった。鎌型赤血球の話も、よかった。
環境によって遺伝の優性劣性は常に変化する。
原作の、米国プッシャーのエスニック設定は、薄められています。
原作を知らないと、「単なるダーティハリーじゃねえか」と思うと思います。
12ステップというのは、依存症とか嗜癖とかそれに巻き添え喰らった家族とか、
いろんなところで使われている文句で、掟ではない*1ですし、
それを唱えるとスーパーマンになるわけでもないです。ここは唐突だった。
ライフビカムアンマネイジぶるが、何故「つらい」になるのか分からず、
独自訳かと思いましたが、"sanity"を「正気」でなく「健康な心」にしてるので、
字幕の長さ制限で思いどおりにいかなくなったのだな、と思いました。
あとはことばにならないので。以上
【後報】
フライトのDVDは英語字幕がありましたが、こちらはないです。
ブルーレイはどうなんかな。TJの、これがエボニクス*2だ!的口語と、
須賀田さんのやりとりが、音で聴くだけも面白く、北京語と南京官話以上の差異かな、
広東語台湾語までは違わないのだろうな、など推量しました。よく通じる…
「酒を断つ集会」、アルファベットふたもじだったりして、
よく浸透してるなと思う反面、8年の須賀田さんが、ルーティンワークで喋るだけ、
およそ面白くない話者となっていて、本作の新参者の話を面白おかしく聞いてるのが、
あるあるのように思いました。原作では、象徴的な出来事を契機にやめたわけでなく、
寧ろそこから深みにはまり、家族から見放され、正当防衛か過剰防衛かあやうい、
的な刃傷沙汰をブラックアウトのあいまに何度か繰り返し、昏睡緊急搬送二回。
それでも、この象徴的な事件を話すまでまだだいぶ時間がかかるわけで、
(映画ではTJにも話すことが出来るくらいになってますが)
そのへん映画の設定にリンクしてなくてもいいですが、下記の巻がそのあたりです。
八百万の死にざま (ハヤカワ・ミステリ文庫)

八百万の死にざま (ハヤカワ・ミステリ文庫)

(2016/2/17)