『夜の蝶』DVD鑑賞

夜の蝶 [DVD]

夜の蝶 [DVD]

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9C%E3%81%AE%E8%9D%B6
DVDには予告も収められてるのですが、動画サイトにそれがないのは、
残念です。1957年の銀座の空撮総天然色カラー映像とかあって、いいのに。

『さらば銀座文壇酒場』読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140730/1406721403
『おそめ―伝説の銀座マダム』 (新潮文庫)読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20141108/1415408829

上記2冊の本に出てきた銀座マダムの抗争を、川口松太郎が小説化し、
それを映画化したそうです。小説は全集の16巻所収。
生存中の実在の人物モデルにして最後ふたりとも事故死の結末とか、
よく書くなぁと思いました。もしモデルが不幸になったら、
後悔先に立たず、枕を高くして寝れないでしょうに。しかし、
1957年ですから、戦争で死んだ人も身近でしたし、さばさばしてたのかな。
京マチ子が演じたほうの人は、晩年いろいろだったようですが…
モデルは秋田の人ですが、映画では、京マチ子なので、
「わても上方なんどす」ちゅって、ときどき関西弁しゃべったはらます。
山本富士子の喋りが、速くて、メリハリが効いていて、
ほんとの祇園のひとみたいで、よかったです。1957年の京都の風景もよかった。
土塀とか、木屋町高瀬川のほとりの、今だと阪急裏手の、
オカマの立ちんぼが立ってるとか云われたあたりみたいな場所。
甲部歌舞練場みたいな建物が見えましたが、1957年からあったんですかね。
銀座もよいのですが、冒頭、モノホンの文壇バーの看板が、
これでもかと出てくるのもよかった。凄い宣伝だ。実在の音楽家の名前も出てくるし。
酒屋の配達の場面は、洋酒の入手が難しかった時代らしくて、
それもよかったです。後は、パトロンが、所謂阪僑という言葉の時代だぁ、
と思いました。演出も、役者の演技も、どれもよかったなぁ。
和室の襖とか、着物の柄とか、髪を直す手つきとか、いちいちよかった。
上海あたりの洋間のような口利き屋の部屋の鉄枠の窓とか、
乾物屋の二階の下宿の、畳に絨毯敷いた部屋もよかった。
皇居の前、日比谷公園からまっすぐのあたりですかね、散歩するとこもよかった。
以上です

【後報】
あと、開店前のバーで、女給さんたちが、ヒマつぶしにあやとりしてるのもよかった。
今ならスマホ一択なんでしょうけれど、あやとりというのは、実にいいです。
(2016/2/19)