『天下り酒場』 (祥伝社文庫)読了

天下り酒場 (祥伝社文庫)

天下り酒場 (祥伝社文庫)

陰謀馬券を買いに行った本屋で見つけ、買おうかと思いましたが、
図書館にあるだろうと思って、で、借りた本。床下仙人の人の短編集です。

一見して苦労人の作者写真でしたが、顔出しOKなわりに、
どんな人なのかさっぱりでした。お話も、カーヴァーじゃないですけど、
無職中年というか、中年がアルバイトや求職中の状態に、非常に頻繁になる。
OLやJKを主人公にして語る話は皆無。(主婦はあります)
カーヴァーの主人公はヒモですが、こっちはひとりで、汗臭く頑張りますね。

作者Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AE%8F%E4%B8%80

だいたい明るいオチになるのがよくて、解説は、この人を発見した書店員なのですが、
書評ブログかと思うくらい、そのいきさつと、作品についてしか語っておらず、
作者の生活とかエピソードとかは、ないです。作家は作品で勝負か。

でも、この書店員さんがこの人を発見してPOP書いて売り出す契機になった、
本の雑誌増刊 本屋大賞2007』に、1999年刊行の床下仙人を滑り込ませた人は、
誰なんでしょうね。

時間のない現代人に薦めて、で、大事なのですが、パッと読み終えて、
すぐメールとかラインとか数日後の職場で、「面白かった〜」と言ってもらえる、
そんな本です。基本的にロジックは苦労したオッサンの社会経験から来てるのですが、
それが面白いと。ボランティアの話は、レーゾンデートルを欠いた分、
説得力が… とか、逆に歯磨きの話は、薬物とか盛り込まんでええのに、
ついつい博学が出て、それ削ってもよかったんちゃうん、とか、
そういうふうに人と話をすればよいと思います。天下りこんな真面目に仕事しないでしょ、
みたいに。以上