- 作者: 石川結貴
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/04/20
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (2件) を見る
帯
「ゆりかごから墓場まで」
スマホ漬け
人間はそれに
耐えられるのか？
母子手帳もアプリで管理される赤ちゃん
アングラ化「JKビジネス」に手を出す女の子
位置情報を把握されるサラリーマン
お小遣いサイトに振り回される主婦
成人向けアプリにハマるのは実は高齢男性 etc.
帯裏
便利だからやめられない。
やめられないから依存する。
その先に待っているものは……？
第１章 子育ての異変
しつけや子守をスマホで／タダで使えるおもちゃ箱／スマホネグレクト
第２章 スクールカーストとつながり地獄
返しても返してもLINEが来る／グループチャットで仲間はずれ
第３章 すきま時間を埋めたくなる心理
ネット依存 八つのチェックリスト／「報酬」を得られやすいスマホ
第４章 エンドレスに飲み込まれる人々
位置情報が会社に筒抜け／広がる高齢者マーケット／主婦も中毒に
第５章 「廃」への道
症から救う方法はあるか
8/7付のあさっしんぶん「耕論」で、ゲームが世界を変えてゆくという主張を三人がしているうち、ポジ楽観が二人、ネガ悲観が一人で、そのネガ役がこの人でした。で、著書を見て、借りたのがこの本です。あさっしんぶんのきじは下記。
朝日新聞DIGITAL 2018年8月7日05時00分
（耕論）ゲームで変わる社会 鳴海拓志さん、石川結貴さん、中川大地さん
https://www.asahi.com/articles/DA3S13624850.html
朝日新聞DIGITAL 2018年8月7日10時41分 聞き手・日浦統
誰もが「ゲーム廃人」の恐れ 危ういＩＴ弱者の高齢者
https://www.asahi.com/articles/ASL7R6283L7RUPQJ009.html
頁25、こどもが言うことを聞かないと鬼から電話がかかってきて「叱ってくれる」アプリは知りませんでした。万引き家族のおねしょとかにも効くんでしょうか。
鬼から電話 メディアアクティブ社
http://www.onikara-denwa.com/
Yahoo！知恵袋 2004/11/10
「遠くで、私をしかって・・・」と言う歌詞の一部ですが、曲名と歌手名を教え…
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q141403829
頁42、スティーブ・ジョブズが自分の子どもにアイフォンやアイパッドを使わせなかったのは有名な話だそうですが、私は知りませんでした。田舎に住んでいて、青山とか在住でないので、壊れた時のサポートが難点なので使わせなかったのか、その当時まだアイフォンが地球上に存在しなかったから使わせなかったのか、大きくなったら使わせるつもりだったのか、現代の我々はだからといって彼のその点を学ばなくてもよいだろう別に、または学ばないで済ませられるような所得上生活上の余裕もないだろう、ということなのか… アイポッドはどうでしょうか。これはさすがに使ってもヨシとしていたのではないかと。推測ですが。
頁45、マンガ『健康で文化的な最低限度の生活』の主人公は、「えみる」という名前で、そんな奴おらんやろ〜と思ってましたが、この頁に関西在住えみるさんが登場します。実在するのか。
Yahoo！知恵袋 2012/10/1709:21:00
友人の子どもの名前について。第一子は笑瑠（えみる）と名づけた…
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1095781595
頁75、LINEのグループが招待制なことを知りませんでした。むかしミクシイ今ラインなのか。
頁80、筑波大土井隆義教授の岩波ブックレット『つながりを煽られる子どもたち』の１エピソードが再構成して紹介されています。放課後ファミレスでドリンクバーを皆頼むとき、貧乏な子が頼まず水で済ませたところ、翌日から一切の誘いを受けなくなったという話。私はさもありなんと思うのですが、本書ではこれは、ことさら騒ぐべき事柄であると。ドリンクバーは、自分が頼まずほかの人のおかわりをもらうという、お店からしたら御法度の手段も隠れて採ることが出来ますし、友人たちは、自分たちがそういう手段を取るのか取らないのか試されてる気がして気が悪くなると思います。実際、友人たちは、ほかの客からジロジロ見られてそれがイヤだったと述懐してるとか。疑われてたのかもしれないと。ホントに水だけのわけないじゃん、こっそりコーラとか回し飲みしてんじゃないのいい根性よねーみたいな。おあしがなければファミレスに行かず外にいればいいのよそもそも、みたいな。
李下に冠を正さず。
著者は本書の前に『ネトゲ廃女』なる本も上梓してるので、そこは詳しかったです。ゲームで視力低下してレーシック受ける話は身につまされました。写真の整理やめようかな。ゲームで知り合ったリアルでないコミュニティ全員からブロックされてコミュニティも消失したその時には既に高校も中退して心療内科通いだった、という話は、その後の再生が書いてない（追えてないor再生まで行ってない）のがツラいなと。依存なので、報酬の話以外に、否認の話も出ます。
主婦の副業、いいね連打なんだかアフィリエイトのために頑張るのか知りませんが、十万円くらい達成した時、時給換算してみたら時給25円だったという話が哀愁ララバイでした。高齢者のエロはもういいです。後妻業。バイアグラ。BUTTER。JKビジネスも、身近な人がJKにいたら必死に止めようと勉強するだろうけれど、いないからなーと思いました。桐野夏生の小説も読んでません。ただ、そういう事務所にいるのが年長の同性で、同性がいるから安心出来るかも、とか、悩みごとも相談できちゃう、かも、とかのオーラを纏ってるとは知りませんでした。あやしいスカウト崩れの兄ちゃんたちが言葉巧みに脅したりすかしたりしてるのかと思ってた。高校（それも女子高）の上下関係を利用して、OBが現役を釣るという話は聞いたような聞かないような。（温泉盗撮とかだとそうですが）女の敵はおんな、で済ませたらダメでしょうか。ダメだろうな。位置情報の話は、営業職がかつてのようにサボれないという話で、タコメーターとかドラレコみたいなものかもしれませんが、それにパワハラ上司がコンボになるとおそろしいことになる、という話。タコメーターはメールしてこないし、既読云々もない。「ソー活」そんなものでしょうか。アンド検索の候補単語トップが「美人」で、眼鏡っ子とか修正とかが芋づる式に出てきてこんにちはでした。
ソー活 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%BC%E6%B4%BB
本書にも日本がスマホ後進国である旨は明記されてるのですが（それゆえ本格的な弊害はこれから）じゃあ先進国はどんな阿鼻叫喚の生き地獄になっていて、どんな対策が焼け石に水なのさ、と思ったのですが、ハンゲームでお馴染み韓国がネトゲ廃人の若年人口比でえらいことになって強権的に対策を講じたが、かんじんのハンゲーム自体そうこうしてるうちに中国に抜かれて水をあけられたので、奪還するためネット禁止令等の措置をとりやめてしまった、という話があるだけです。あとは前に書いたジョブズの話のみ。
頁193、2009年文科省が通達出して、全国の公立小中学校ではスマホ携帯電話の校内持ち込みが原則禁止されてるとか。これにより主戦場は、学校教育家庭教育社会教育の三つの教育現場のうち、後の二者のみとなった。学校は知らんケンシュタイン♪だそうで、著者はそれでインカ帝国と叫んでたのかな、私はそれでいいじゃんという気がしたのですが、どうでしょう。「支那」ということばを使っちゃいかんと通達を出したのも1946年だったかの文科省ですし、それで一時期かなりそうなった（成功した）わけなので、大丈夫ですよと思います。何か問題があるなら、私がご利用プラン見直してスマホにするかもしれない二年後までに直して下さい。以上です。
【後報】
OSビジネストロンのガラケーからアップルとアンドロイドの製品に変わったからスマホ依存なんだよ、と結論付けられれば楽ですが、ガラケーのゲームをトイレにこもってずーっとやってた人がいましたし、そのコミュニティが（スマホにとってかわられるまで）あったりと、ガラケーでもそういう問題がなかったわけではないと。なんでもアプリで管理は、ガラケーではなかったとは思いますが、ゲームに焦点をあてると、そうかと。
それで、スマホは時と場所を選ばず出来るということですが、ヘビーユーザーは、やはり、ワイファイと電源が確保出来る場所に居続ける気がします。違うかな。
（2018/8/23）
