『ふしぎの国のバード 5巻 』 (ハルタコミックス) 読了

装丁 林健一 

初出:第20話―ハルタ2017年11月vol.49
   第21話―ハルタ2017年12月vol.50
   第22話―ハルタ2018年 3月vol.52
   第23話―ハルタ2018年 5月vol.54
   第24話―ハルタ2018年 7月vol.56
   
そのへんにあったまんが。今まで気にしてませんでしたが、表紙中表紙ともに英文があります。

ISABELLA BIRD in WONDERLAND
UNBEATED TRACKS in JAPAN An Account of Travels in The Interior Including Visit to The Aborigines of YEZO and The Shrines of NIKKO and ISE

特に深く考えてませんでしたが、事実を基にしたフィクションです、とか、そういう一文の記載がないなと思いました。見つけられないだけかもしれません。

なんというか、男性キャラの顔が、進撃の巨人みたいになってきたなと。巨人の貌に似てきたわけじゃなくて、進撃の巨人に出てくる建設兵団の少年たちに似てきたなという意味です。マシューくん似てるなーと思って読んでましたら、同様の指摘があったわけでもないでしょうが、ワイハー上陸以降は似なくなりました。かわりにその後、イトが似てきた。

山形で回想編に入ります。母国で担当医が代わってそれまでの治療(装具や投薬)が全否定され、転地療法とはまた違う、バックパッカー的旅行を医師から勧められ、英国からニュージーランドに行くものの特になんもなしなのですが、そっからワイハーに行ってキラウェア火山を見て、活躍中の女性旅行家と出会い、現地女性の生き方と笑顔に感銘を受け、人生を決めるという回想です。私のような一言居士は、頁095、ボロ船で洋上航海中嵐に遭遇する場面で、ハリケーンと言ってるので、ばっかでぇーハリケーンは大西洋で、太平洋はタイフーンじゃんか、そんでインド洋はサイクロン。こんなの常識なのにのちの探検家が知らないなんておっかしいや、と思ったでしょうか思わなかったでしょうか。

顔の造作をべっぴんさんにしている作画上の技巧は変えられませんが、なぜ病をおして、街道を進まず、わざわざ間道ばかりを縫って旅行するのか(お尋ね者でもないのに)という読者の疑問に、回想シーンで答えようとした巻で、読みごたえがありました。只今自転車で日本縦断中。山田風太郎は自身が小説化した天狗党の岐阜から福井へのルートを自動車で辿ってみて、こりゃアカンと断念した随筆を書いてました。やっぱり、公路になってない道にはそれなりの理由があるかと。湘南台から本郷台に出れないかなとか、御殿場から相模湖に出たいなとか。

それで寿命が縮んだり、ボッカが巻き添えになったりしたらよくないという葛藤も、今後テーマのひとつになるのかと思いました。以上

1巻読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150806/1438846456
2巻読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160611/1465619993
3巻読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20161222/1482417016
4巻読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20171212/1513090884