一月八日の天声人語で触れていて、それを読んで、西原理恵子の鴨志田譲回想などもそうだけど、セルフプロデュース能力にたけているから、ソトヅラだけはよいので騙されて、深奥の面は見えにくいともいえるんじゃいかと思って、見に行ってみました。
館内にはしりあがり寿の地球防衛家のヒトビトのおやじの叫び、パンフには黒柳徹子の叫びも載ってました。正直、小峠の叫びの時点では、それほど面白くないと思っていたので、マルチクリエイターがよってたかっておもしろくしたんだろうかと思いました。しりあがりのあの画面に、アラレちゃんの叫びがあったと誰か言っていて…
連休前日なのでそれほど混んでないかと思ったら、あにはからんや(笑)八時までやってんねやったら前日来たわ、あっ歯医者の予約有るから無理か、と思いました。
私は律儀に館内できっぷ買ったのですが、確か上野は公園内やエキナカにも合同券売り場があったように思うので、そこで買えばこないならばんでもよかったのになと思いました。でもそちらでホントに売ってるか、売っててもクレカが使えたか記憶があやしいです。コンビニチケットはあじけないし。で、私は場内でクレカで買ったのですが、クレカのほうが早いかというと、窓口オネーサンは釣銭業務に特化してしまった収受人間でしたので、秒単位で釣銭を間違えず返す技術にたけていて(でも絶対不慣れな人もいて、複数人数で細かいのまぜたり外国硬貨混ぜたり途中で人数や出す金替えたりするその方のプロにやられることもあると思う)(十円単位一円単位の料金でないことも、無論しょりの速さの原因として大きいですが…)クレカ払いでもさして処理スピードは変わりませんでした。というか客のほうがもう現金現金現金ほかにないんかってくらい現金、ひとりくらい、クレカと間違えてデビットカード出す奴とか、スマホの何とかペイしようとする奴とかいないのかと思いました。
江戸東京博物館の北京と江戸展観た時チケットショップで券買ったのですが、映画の場合、前売り券がそれなりの価格で売られているのと違って、美術展は、特別招待券が値付けされて売られてるわけなので、なんか最初にタダで入手したものを売って儲けた奴がいると思うとむかむかしてきて、それ以後美術展絡みででチケットショップ使ってません。招待券の譲渡はダメよと書いてあるから買わないわけではなく。
チケット販売の列の、私の後ろのアベックの男が、各種手帳による観覧料免除について、チケット売り場に並ぶ必要がないので、(もちろん入り口の長蛇の列ではいっしょに並ぶ)さかんに手帳ほしい手帳ほしいと言っていて、彼女が、障がいがあるから手帳があるんだよと言って、でも外見からは分からないとか方法がどうとかとか男はやめなくて、で、更新とかの話になって、私も後学のためにこの男性の貴重な知見を拝聴させて頂こうと思ったのですが、その辺り以降はインターネットの情報も曖昧模糊なのか、彼の話も曖昧模糊でした。入口の行列ではその二人がどうしていたか知りません。空きロッカーがぜんぜんないので入り口行列の先のロッカーならどうかと思って中国人のスタッフに中国語で聞こうと思ってちゃんと喋れず自己嫌悪でしたので、忘れましたが、展示で、ムンクの入院や、発砲で左手中指がふっとんだ話などを見てる時、あの男はここでどういう感想持つかなと思いだしました。
音声ガイダンス利用率がとても高く、音声ガイダンスがないと本展の魅力は半減するのではないかとさえ思いました。私は音声ガイダンス利用する習慣がなかったのでつけませんでしたが、これじゃ天声人語みたいなウンチク出てこないよ、あれ書いた人も絶対ガイダンスつけてたよ、と思いました。
らっせ…アンディ・ウォーホルじゃないですけど、版画による複製、というところは、田村隆一だって再録やら引用で行数埋めるの得意だしなと思いました。マンガのコピーワークみたいなもので。最初にやった人はえらい。
で、さっきウィキペディアのムンク見て、少女像思春期見て、そういえばこの展覧会、大量の自画像、赤、版画、叫びと来てるけど、思春期を埋め込むとしたらどの辺になるだろうと思いました。もうひとつの代表作。成熟した彼の愛人?との位置関係は。
思春期"Puberty"がないかわりに、ダニエル・ヤコブソン"Daniel Jacobson"の、映画ファウンダーみたいな自信満々の肖像画が私には突き刺さりました。どういう治療をムンクに施したんだろう。弱ってたこともあって、お医者さんや施設の人が太陽みたいにまぶしく見えたりとか、全知全能に見えたりとか、までの神格化はなくても、ある程度崇拝することはあると思うので、印象的でした。"dr. Daniel Jacobsens nerveklinikk"という人は、ノルウェー語のウィキペディアにもまだ項目がない。
結局ムンクは八十過ぎまで生きたので、危機から助かったんだなと思います。それを知ってたら、見に来なかったかもしれない。助かった後の人生で、危機状態の時の自分の遺産に、財政的に助けられるとはうらやましーと思ったので。天才かつセルフプロデュースの鬼の勝利。
物販コーナーもデカくて、そこで、アクアヴィットの750ml瓶があって、アクアヴィット見るの初めてだったので、撮影可なら撮ろうと思ったのですが、物販コーナーも写真撮影NGでした。残念閔子騫。
以上