『やめられない ギャンブル地獄からの生還』読了

やめられない ギャンブル地獄からの生還

やめられない ギャンブル地獄からの生還

神奈川新聞のコラム*1に「病的ギャンブラー」という言葉があり、
帚木蓬生の名前が出てきましたので、
それで、読んでみました。
なだいなだがアル中専門醫で、帚木蓬生がギャンブル依存症のお医者さんなんですね。

七十年代までは強迫的ギャンブラーと呼ばれていたので、
今でも自助グループなどでは強迫的ギャンブリングと呼ばれているが、
欧米でパソロジカルギャンブリングと呼ぶようになり、
その翻訳が病的ギャンブリング(頁92)ということで、まず分かりました。

作者の初診統計百人で、とにかく日本ではパチンコパチスロだということが分かりました。
野球賭博とか、バカラとかの中毒は百人中一人とか、もうそういうレベルで、
パチンコパチスロ単独が八十二人、残りも麻雀とか競馬との併合はあるけれども、
基本軸はパチンコパチスロ、ばっかでした。
なら、パチンコパチスロのない日本以外の国と日本では、
罹患者数やその人口比にどれほど違いがあるのか知りたくなりましたが、
それはありませんでした。カジノもない国と比較するとどうなのか知りたいですが。

ドーパミン代謝異常、パーキンソン病
パーキンソン病ドーパミン分泌が不足するので投薬によって補うが、
 その過剰摂取によりギャンブル依存が発生する場合がある、という頁121の話)
身体健康でケロッとしている、
などなど、いろいろ興味深かったのですが、後報で。
【後報】

頁108
 本人はケロリとしているのに対し、周りの者が、心労からことごとく病気になっていくというのが、病的ギャンブリングの特徴なのです。地獄は本人だけでなく、周囲にも広がります。

自助グループとして、本人向けのGAと、家族向けのギャマノンはあるけれども、
アル中の断酒会のように、家族ぐるみで参加する自助グループが賭博にないのは、
こういうことだからかと思いました。断ギャン会とか、あるのかもしれませんが、
寡聞にして聞いたことはなく、この本にも出てきません。

また、アル中は脳や内臓、骨格?などいろいろやられてゆきますが、
ギャンブル中毒は、本当に内分泌による快楽経路だけがイカレるだけなのかな、
と不思議でした。酒や薬物など、ほかの依存症と合併の人はまた別ですが…
(2014/7/18)
【後報】
ギャンブル依存疑いは536万人 成人の5%「世界で高水準」
日本経済新聞 2014/8/20 23:00
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H0O_Q4A820C1CR8000/
ギャンブル依存500万人 成人の5%、世界で突出
東京新聞 2014年8月21日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014082102000147.html
ギャンブル依存疑い500万人超 日本、世界より高い割合
MSN産経ニュース-2014.8.20 20:28
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140820/bdy14082020280007-n1.htm
依存症:多い日本 ギャンブル536万人 厚労省研究班
毎日新聞-2014年08月21日 07時07分(最終更新 08月21日 08時45分)
http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/select/images/20140821k0000m040088000p_size5.jpg
http://mainichi.jp/select/news/20140821k0000m040142000c.html
病的ギャンブラー、536万人…ネット依存急増
読売新聞 - ‎2014年08月21日 08時55分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140821-OYT1T50013.html
(2014/8/21)