民族はネイションでなくてエスニシティー

今週のお題じゃないですが…特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
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民族の世界史 (15) 現代世界と民族

民族の世界史 (15) 現代世界と民族

このシリーズが好きで、食い入るように読みました。
タナカツなんかも読みましたが、森の中のヨーロッパ、当時すでに始まっていたスカーフ問題、
スターリンによる民族の定義、エスニシティー…
すべてが新しかった。後年、インターネットが出来た後、議論をする時も、
こちらはエスニシティーの話をしているのに、ネイションの話をされて、
鼻白んだことも多々あり、そして今、やっと時代が追いついて来た気がします。

スターリンの民族の定義 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%91%E6%97%8F#.E3.82.B9.E3.82.BF.E3.83.BC.E3.83.AA.E3.83.B3.E3.81.AE.E5.AE.9A.E7.BE.A9

なだ いなだの、『民族という宗教』なんか、
自由平等博愛のフランス革命の精神に賛同を誓った人間がフランス人で、
フランス民族なんか存在しない、というかの国のロジックが背景と思いますが、
しかし民族という存在は頑として存在して、我々はそこから逃げられない、
そうである以上向き合うしかないじゃないですか、と、腹を据える一つの契機として、
非常に背中を押してくれた本であります。

下記の本とどちらにしようか迷いましたが、
津田左右吉支那呼称問題を語る際欠いてはいけないしとで、
 この本は若き日々の彼の鼓動を生き生きと描いている、大室幹雄という、
 すごくアタマのいい学者の異色作。朝鮮人を「ヨボ」と呼ぶ時代も目から鱗

アジアンタム津田左右吉の生と情調』大室幹雄 新曜社 1983
https://books.google.co.jp/books/about/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A0%E9%A0%8C.html?id=WvVGAAAAMAAJ&redir_esc=y

民族の世界史はもう、ブラックアフリカの部分もよいし、
漢民族の巻はイマイチ)薄暗い図書室やカバ欠の単行本まで、
すべてありありと思いだされるので、これにしました。

そんなこと書いてたら、DJフミカスのコーナーが終わりました。
よくやるよなあ、この人も。NHKの次世代を担う逸材なんだろうか。

以上です。おやすみなさい