- 作者: 橋爪大三郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/08/01
- メディア: 新書
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コラムで橋爪大三郎が紹介してた本。自書を当該出版社の雑誌で、
紹介してるわけなので、臆面もないパブ記事以外の何物でもないのですが、
なぜ日本人はフリーメーソン陰謀論を受け容れるのか?
それは日本人がフリーメーソンを知らないからぢゃ、ならば、という、
必死に陰謀論と闘おうとする筆者の姿勢に心打たれた、ということもなく、
買いました。どこの図書館にもまだ配備されてないかったので。
フリーメイソンというと、上条淳史士の最初の連載、雁屋哲が原作書いた、
『ZINGY』で、悪役が、フリーメイスンから別れた、B・メイスンという団体で、
(BはブラックのB)それで、自民党にコンパスガーとか、少し調べた、
想い出があります。なつかしい。
- 作者: 雁屋哲,上條淳士
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/06/02
- メディア: Kindle版
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- 作者: 雁屋哲,上條淳士
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/06/02
- メディア: Kindle版
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- 作者: 雁屋哲,上條淳士
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/06/02
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で、なぜ日本人がフリーメーソンを知らないかというと、
フリー
頁251、明治の治外法権撤廃の際に、在日FM代表と外務大臣が交渉して、
集会への不干渉、監視、取り締まり対象から外すことを約束させ、
その代り、日本人の入会と日本人への情宣自粛を吞んだから、
という説明です。それまでに既に西周などが入会してたそうですが、
その事実も1978年まで公に知られていなかったそうです。
で、以後、断絶、空白地域となる。まー日本人はカラードのオリエンタルですから、
フリーメイスンに大量加入して組織内黄禍論が出ても困るし、
なんとなく上記も、白人倶楽部と日本人がセパレートだった後付け理由のような、
気がしないでもないです。
で、FM陰謀論を振りまいたのは、主にナチスなのですが、
(アメリカが悪いんじゃない、FMとユダヤ人が悪いんだ)
それを受け容れて、ナチス同様日本も1941年すべての国内集会施設を閉鎖。
戦後再開して、日本人の入会も認められるようになっても、
啓蒙はさほどされていなかったので、現在に至る、そうです。
で、FMを理解するためには、「理神論」を理解する必要があるそうです。
理神論 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%86%E7%A5%9E%E8%AB%96
理神論の反語である汎神論なら、クーデンホーフ光子の息子が唱えたし、
神は細部に宿るという日本人の発想にもマッチするので、
分からんでもないのですが、理神論はそれに対し、神の不在、
斯くも永き神の不在を唱え、ビッグバンとかでよく例える、
宇宙がタマゴなら、神さまはそのタマゴの殻の外にいます、みたいな。
無神論は、神さまいないでおk、ですが、理神論は、いるけど、外です、
中にはいません、という思想。いるいないでいえば、いる。
不可知論は、いるかいないか分からないから、感知出来ないから、考えない。
で、理神論の考え方だと、聖書の記述と自然科学の法則が一致しない場合、
でもその自然は神さまが作ったんだから、聖書と合ってなくでも、いいんだよ、
地球が太陽の周りを回ってても、人類が猿から進化しても、神さまがそのように、
お作りになったんだから、いいんだよ、グリーンだよ(古い)ということらしくて、
(神の主権、sovereigntyというらしいです。一瞬ソブラエティかと思った。違った)
で、フリーメイスンというのは、そうやって、教会から距離を置きつつ、
知的に成長したい市民の憩いの場として、発展してきたんだそうです。
石工のギルドが、石工というのは古代からある職業ですから、キリスト以前、
ソロモンの神殿を作ったのも石工ですので、ソロモンの神殿の再建を、
遠い未来の目標にすれば、教会とは別のオルタナなバックボーンありで、
知的市民であれば具体的に石工でなくても可、というふうに発展してきたとか。
で、顔見知りの範囲を越えた組織として、旅人メンバーの互助機能を持つため、
仲間であることを証明する符丁が発展し、それはやくざの切る仁義とか、
中国の幇が、劉を卯金の刀と言ってみたり、お茶のフタを傾けて三滴水滴を、
- 作者: 藤原芳秀,松田隆智
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/02/01
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組織の存続自体が目的となるので、目的のために組織があって、常に離合集散する、
欧米のアソシエーションのひとつであるFMと、幇は、やはり違う、
としています。頁285。そこの例として、中国共産党は、共産主義社会の実現が、
不可能と明白になった今も、拝金組織として、不断に発展し続けている、
ソビエト共産党は、㍉と分かった時点で、とっとと組織崩してオワタ。
という語りが面白かったです。なるほどなー、月は無慈悲な夜の女王。
で、メイスんは石工の意味で、フリーは、職人階級でありながら、
市民と同等の権利を獲得した、フリーマンを指すとのことです。頁43
- 作者: 小池一夫,池上遼一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1987/03
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1ドル札の、ピラミッドの目は、FMの専売特許でもなく、
キリスト教ではわりとフツーの記号だそうです。頁91。
詩篇33章18節などに基づいてるとか。
頁122、以前は、FM会員は、いちおう、キリスト教徒しばりがあって、
(基督教と耶蘇教、天主教の違いを越えて友愛を模索する組織)
しかし今はユダヤ教もイスラム教も仏教もおkだそうです。
ワシントンもマッカーサーもFMということで、モーツァルトには、
本書は触れてません。というか、西周に驚いたので、白人には、
さほど。歴代大統領見ると、タフトやハーディングも、
フリーメイソンリーなんですもの。頁117。
たいしたことない、小物も混じってるやん。
頁173、FMのテンプル騎士団は、モノホンのテンプル騎士団とは無縁の、
なんちゃってテンプル騎士団、平家おちうど伝説の村みたいなもん、
という説明もよかったです。
FMは基本的に男性だけの社交クラブで、それも、夫婦単位でホームパーティとか、
夫婦揃って日曜教会に行くアメリカ文化と、相容れないものがあり、
だから発展したのでは、という見方があるそうです。頁210。
で、神父や牧師は男性なので、女性信者はよく説教聞くが、
その旦那は往々にして反発しがち、なんだそうで。
そこにもFMの存在理由があったと。雀荘みたいなものか。
頁259、当然FMには反FM一派もいて、19世紀半ばには、
深刻な誘拐行方不明事件が発生し、その個所で面白いのが、
FMは当初から集会場所(ロッジと云う)が酒場であることが多く、
事件まで酔っぱらいが多目に見られていたのが、以後、
飲酒厳禁になったことです。禁酒法の時代より前、
ワシントニアンの時代だったかは、調べてません。
アメリカには、ほかにもオッドフェローとか、
似たようなアソシエーションが多く活動してるそうですが、
節酒とか断酒路線の団体が多いそうで、それはなんというか、
そういう組織が何と似てるかという点で、ちょっとニヨニヨしました。
本書はFAQ形式で進んでいくのですが、私が、加えて聞きたいと思ったのは、下記。
・ロータリークラブやライオンズクラブは、フリーメイソンですか。
・クー・クラックス・クランは、フリーメイソンですか。
(黒人の支部は本書頁240に明記)
・フリーメーソンは民主党支持共和党支持どっちですか。
(ロッジ単位で別れてるんじゃいかと推測)
・不可知論者はフリーメイソンですか。
あと、中表紙裏に、本書の英文タイトルがあるのですが、
副題が省略されてるのが不思議です。
陰謀論でいうと、わたしもよく、このブログで、
「イルミナティのしわざでしょうか」とか書くのですが、
「井上日召の一人一殺でしょうか」とか、
「朝鮮人のしわざでしょうか」とか書くより、
気が楽だから書いてるだけです。頁193、澁澤龍彦は、
イルミナティを、バヴァリア幻想教団と訳してたそうで。
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頁103で、独立宣言書調印者に占めるメーソンリーの割合について、
上記の記載は根拠が分からないとしてますが、参考文献一覧に有。
- 作者: 吉村正和
- 出版社/メーカー: 講談社
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参考文献一覧に有。
「啓蒙の世紀」のフリーメイソン (YAMAKAWA LECTURES)
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- 出版社/メーカー: 山川出版社
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サピオって、陰謀論好きそうなイメージなのですが、
陰謀論排除しようZE!みたいなノリなのでしょうか。
以上
【後報】
クーデンホーフ光子の息子は、汎神論でなく、汎ヨーロッパ論でした。
ぜんぜんちゃうやん。
(2017/8/29)
【後報】
結局、ほかのフリーメーソン本も読もうということで、下記四冊読みました。
2017-09-06『図説 フリーメイソン』 (ふくろうの本/世界の文化) 読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20170906/1504712450
2017-09-10『フリーメイスンとモーツァルト』 (講談社現代新書) 読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20170910/1505060960
2017-09-12『フリーメイソンリー その思想、人物、歴史』(中公新書)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20170912/1505222393
2017-09-13『世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ』 (講談社現代新書) 読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20170913/1505260985
(2017/9/13)