『和菓子のアン』 (光文社文庫) 読了

和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)

ほかの方のブログでこの作家さんの作品を拝見し、
同じのを読んでも芸がないかなと思って借りた本。
白泉社からマンガ化されてるそうですが、知りませんでした。

最初、十代女子の独白についていけなかったのですが、
この作家さんは性別を公表してない覆面作家だそうで、
一瞬私も、榊原玲奈何人讀めばええんじゃ、と放り投げそうになったのを、
そういう理由なら読んでもいい、とぐっとこらえて先に進むことが出来ました。
返す返すも橋本治はその一点で、よかったけれどもやらかした。

坂木司 略歴・人物 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E6%9C%A8%E5%8F%B8#.E7.95.A5.E6.AD.B4.E3.83.BB.E4.BA.BA.E7.89.A9

で、アマゾンで作品ばらばら見たときは、青春ジュヴナイルの旗手かな、
と思ったのですが、図書館蔵書みると創元推理文庫があるので、
なんで?と思いましたが、謎解き要素が入っているので、それでかー、
今は謎解きがないとダメなのね、なんでも、と納得しました。

太めの女の子が主人公で、私が想像する彼女は、
マイナビの広告の、#リアルなバイト撮ってみた、わたあめ編、
山崎賢人の左横で彼を見上げて笑ってる娘。

お客さんと同じくらい店員さんも楽しんでる!

この広告は私は撮ってないはずで、はたして検索でも出てこないので、
有村架純の木工は撮った気がしてたのですが、出てこなかった)
ハッシュタグのTLを下記に貼ります。世の中、自由に突っ込める空気があって、
いいなあと思う。

https://twitter.com/search?q=%23%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%81%AA%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88%E6%92%AE%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F

綿あめ編木工編は今週くらいから新しい別の広告に切り替わっているので、
ウェブで見るしかない、はずです。

カバーデザイン――石川絢士(the Garden)
カバー印刷――荻原萩原印刷
解説:藤田香織
〈初出〉季刊ジャーロ 
https://www.kobunsha.com/denshishoseki/giallo/
なくなると困る、大事な雑誌なんだな〜と思いました。
あとがきによると、連載時は野間美由紀のイラストがあったとか。
漫画版は猪狩そよ子という人なので、別人。
『パズルゲーム☆はいすくーる』

巻末に参考文献一覧有。単行本時のあとがきと、文庫あとがき両方あり。
これが地味に大切だと思います。単行本時にあとがきつけない風潮は、
改善してもいいと思う。そして、文庫にさらにあとがきをつける。
作者は作品で語るんだから作品以外語る必要ないポリシーの人以外、
どんどんあとがきつけていいと思う。手を何も打たないで出版不況嘆くだけとか、
おかしいですよ。ほかの人のツイッターで読んだですけど、
バブル期の出版点数ですら約四万点だったのが、今は倍の約八万点もあるとか。
IT技術が簡便な版下製作や校閲を可能にした結果と思いますが、
それでネットがあって広告氷河期で、みんながみんな"双Win"で売れるわけがない。
あとがきや欄外のトークは少女漫画のオハコですが、他ジャンルでやって、
悪いわけがない。コストだって、少女漫画が高コストなわけないですし。

頁204
「足だよ、足。上半身は作業をしつつ、壁にソバットしたってわけ。それならカウンターに隠れて見えないし、超いいじゃん?」

こんなじゃんか言葉はない。作者は東京出身ということで、
登場人物も東京人ばかりのはずですが、
(勝手に大田区とか戸越銀座とかだと思ってました)
なら、じゃんか言葉がおかしいのはおかしい、というか、
東京でも東部か北部なのであろうと思いました。

頁513
「当たりだけど外れ。フォーチュンクッキーは、もともと『辻占』という名前の和菓子なのよ」
「あ、そうなんですか」
「大正時代に日系人が『辻占』をもとに作ったのがフォーチュンクッキーだと言われているわ」
 逆輸入みたいに思われがちだけど、こっちが元祖なのよ。店長の言葉にうなずきながら『辻占』を割ろうとすると、いきなり立花さんが声を上げた。


和菓子といっても、金沢のもののように、ネットでは出ました。
金沢というと、どうもケニチ先生のウワバミしか思い出せない。

金沢・酒宴 (講談社文芸文庫)

金沢・酒宴 (講談社文芸文庫)

デパ地下の話です。タイムセールのところなど、私も、魚屋でちょっと働いた時、
午後五時になると二倍の値札を出して、
「らっしゃいらっしゃい、どれでも半額だよ〜」
なんて売ってた店員さんを、懐かしく思い出します。
この小説にはそういうアコギなお店は、必要最小限しか出ません。
よいものは適正価格で売れるという神話を大切に、今日を生きる。
以上
【後報】

東急田園都市線
(2018/11/4)