『目でみることば』(『目でみることば』シリーズ)読了

相鉄瓦版256号特集で著者が紹介されていたので、読んでみました。相鉄瓦版 256号

目でみることば

目でみることば

 

 「試金石」を通販で買って税込み7350円だったとは相鉄瓦版でも読みましたが、タデ酢のタデを扱ってる八百屋が見つけられず、築地市場でやっと見つけて鮎といっしょに買って、撮影後食べたらウマかったとあり、意外でした。滋賀や大阪なら、もっと楽に手に入ったのではないかと思ったので。そのあたり、後で作者も気づいて、『くらべる東西』に結実したのかもしれません。

巻末に撮影協力各位と主要参考文献(ほとんど辞書)デザイン 佐藤美幸(keekuu design labo)編集協力 (有) taco studio 

「はじめに」「おわりに」があり、後者では、企画から出版まで五年かかったこと、「ルビコン川を渡る」を撮りたかったが海外取材まで出来なかったこと、作者名を漢字で書くと岡部敬史なこと、などが分かります。

うだつとかは有名ですが、アコギの取材で三重県津市の阿漕が浦に行くとか、急がば回れで琵琶湖の渡し船のあった場所に行くなど(迂回して陸路でゆくほうが風で流されないので結局速い)はあまりヨソがやってないと思いました。贔屓が例の世界を背負った亀で、青山霊園大久保利通のお墓がこのかたちとは知りませんでした。

亀の碑と正統―領域国家の正統主張と複数の東アジア冊封体制観 (白帝社アジア史選書)

亀の碑と正統―領域国家の正統主張と複数の東アジア冊封体制観 (白帝社アジア史選書)

 

 亀というと私はすぐ上記書を連想します。

それから、「くわばらくわばら」に、幽遊白書は出ません。京都にいる桑原橋が出てきて、菅原道真の領地なので、落雷のさいクワバラであれば打たれなかった、という説の紹介になってますが、京都で桑原隲蔵が論文「支那の人肉食について」を発表したり、桑原武夫の蔵書を寄贈先の京都市が廃棄した事件にも、菅原の道真が絡んでいたのかもと思うとこわいです。

著者のこのシリーズは一貫して東京書籍が刊行していますが、東京書籍と東京堂書店を最初ごっちゃにしてました。

東京堂書店-Books Tokyodo

『パスコースがない?じゃあ、つくればいい。ルミ子の勝手にサッカー学』刊行記念
東京書籍 小柳ルミ子さんトークイベント 2018年5月12日

https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/special/03/

東京書籍はこんな本も出しているのかという…

玉虫色を調べる際に、藤枝にある玉虫研究所に行ったとかで、無駄足にならないために玉虫の幼虫写真を撮って、さらに文章でも、行ったよん、と特筆してます。岐阜県郡上市分水嶺公園にも行って、ここの隣に、ベッドアンドブレックファスト分水嶺という宿泊施設があることを紹介しています。ブログねたにもなるんだろうなあと思い、私も後者に泊まってみたいと思いました。東西に引き裂かれる思いがするんでしょうか。ブラキストン、フォッサマグナ、アラカン山脈。

五十音順に四十くらいのねたが並んでいて、コラムもあります。以上