「タクシー運転手 約束は海を越えて」(原題:택시운전사)(英名:A Taxi Driver)劇場鑑賞

正直、それほど事前には心動かされなかったのですが、しかし見ようかなの方向に針が振れてしまったので観ました。

1980年5月。
韓国現代史上最大の悲劇となった光州事件
あの日、真実を追い求めた一人のドイツ人記者と
彼を乗せたタクシー運転手がいた。

韓国動員1,200万人突破の記録的大ヒット!

済州島事件のほうが最大じゃいかとか言う人がいるかどうか知りません。私は、実際に、チョルラド(全羅道)の人たちから、頭カチ割られて脳ミソが出てるのを見たんだ、それも一人じゃないんだ、本当にそうだったんだよ、と聞いたことがあり、それはまさにこの映画の前半です。手加減なしの警棒殴打連続。後半は銃の実弾射撃になるので、それをさらに越えると。その一方で、チョルラドの人が座を外すと、キョムサンド(慶尚道)の人がぼそっと、いくら彼らが支持しても、キムテジュン(金大中)が政権を握ることは絶対にない、その可能性はないんだ、と言い切っていたものです。そしてチェジュド(済州島)の人を指して、島には牛がたくさんいます、と言ってました。(全部日本語)今でもはっきり覚えています。
誰が言ってたのか忘れましたが、これは政治運動の形を借りた地域間対立であると。チョルラド対既存の韓国。あんなに北朝鮮とか日本とか、国外に仮想ナントカがあって、国内対立を乗り越えて国民がこころをひとつにして大同団結立ち向かおうとかいろいろやってるのに、でも地域間対立。この映画でも光州に向かう道が裏道だと山の中の未整備の林道とかばっかりで、これは検問を避けようとしてマイナーなけもの道をチョイスしてるわけでなく、開発が故意に遅らされてるからインフラ未整備でこんな道ばっかりなんだよ、と誰か事情通が言ってたらオモロいなあ、と思いつつ真偽は知りません。今適当に考えました。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ko/4/42/%ED%83%9D%EC%8B%9C%EC%9A%B4%EC%A0%84%EC%82%AC_%ED%8F%AC%EC%8A%A4%ED%84%B0.jpgこの記者さんが、実は借り上げタクシーなぞ存在しなくて、ベトコンのホーチミンルートが実は実在してなくて、大半の物資はカンボジア領の港に陸揚げされてそこから南ベトナムに輸送されていた、みたいに、日本とか北朝鮮の支援で海路光州に潜入してたんじゃいか、といううがった憶測があるのかないのかも知りません。今適当に考えました。国内分裂を回避したい韓国の愛国者ならそうした陰謀説も唱え得るかと。それくらい妄想神経中枢を刺激されました。
ソウルに行った時は一度しかないですが、デモ隊撮ってたら、参加者の顔写真撮影してる私服と間違えられてデモの中から金切り声でののしられて、退散しようとしたら、右も左もそこの裏路地もあそこの歩道橋も、気がつくと隊毎に色違いのビブスをつけた機動隊に完全包囲されてるその一区画に取り残されていて、かみさま、このまま催涙弾水平射撃とかくらって私、目が涙ぼろぼろ喉が焼けるようになって頭ガツンとやられるのかしら、とおののいた記憶があります。その後の記憶がないのですが、確か無事脱出したはずだと。
映画字幕を作ったのは神田外語大字幕制作チームとあり、へーと思いましたです。ダブルと字幕にある時、「タブル」とソンガンホが喋っていて面白かった。(いや、そんな字幕はなく、「二倍」だったかも)あと、オムスビという単語もあったように思いますが、そらみみかも。字幕はウドンなのに映ってるのがグクスな場面はご愛嬌。ウドンはハングルでもウドンで、ここでソンガンホが食べてるのはナントカグクス。独逸人記者がクァンジュをグァンジュ"Gwangju"と、語頭が半濁音とか清音になるルールとか知るかみたいに言っていて面白かった。月はどっちに出ているで岸谷五郎が、旧友光沫を「グァンス」「ガンス」と呼んでいたのを思い出します。そうでがんす。怪物くんの狼男。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/2/23/A_Taxi_Driver.jpg冒頭の運転シーン、ハンドル切りすぎだろうと思いました。いかにも運転してるフリだけだと。ソンガンホは、シュリとか大統領の理髪師とかグエムルとか殺人の追憶とか観てますが、正直この映画のほかのイイ顔のキャストの中で、一人だけ大物でバランスがあれではないかとも思いました。大学生役の役者さんが、ユ・サンチョルゆうみりと同じ「柳」ヤナギユーレイの苗字なのですが、「リュ」と読ませていて、なぜだろう、r音が脱落しないのは、脱落しない北のほうの発音、脱北とか朝鮮族とかと関係あるのかなと思いウィキペディア見ましたが書いてませんでした。
話を光州事件に戻すと、私が韓国人と交流があった時代は遠く過ぎ去り、キムテジュンはデートリャンになり、他得了諾貝爾和平奨(诺贝尔和平奖)で、光州事件はちゃんと既に映画化されていて、チョルラドはやり遂げたと思いました。やり遂げたんだけど、さらにこういう映画が必要なんだなと思いました。寝た子を起こさんでもとも思いますし、その一方で、風化とか修正主義とかあるんかな、韓国の地方対立黒歴史においても、だからこの映画を公開するのもやむなしなのかな、とも思いました。
中国で時おり、韓国で学生運動やりすぎてマークされて就職出来ず、北京大学とか出て見返してやるぞ、ハクもつけて将来明るくするんだい、みたいな苦労人を見かけました。中国には北朝鮮からの留学生もいるわけですが、韓国人からすると、北の人と中国で交流してしまうと帰国後の生活が危ないかもしれないので、交流があるのかどうか、日本人の私は知りません。かつての韓国人の中東出稼ぎは有名なので、Kリーガーがものおじせずに中東リーグに移籍するのも、その歴史の上でのことだと思ってます。Jリーガーの中東リーグ移籍、ほんとにろくに聞きません。
邦題は「運転」ですが、確かハングルのポリティカルコレクトネスでは、人間さま、ヒューマンビーイングが「手」扱いとは何事か、との声があって、原題"운전사"は「運轉」のはずです。
1.'운전수'와 '운전사'의 차이점? - Daum 팁
http://tip.daum.net/question/50523385

개인 タクシー運転手 約束は海を越えて ストーリー
1980年5月、韓国・光州で民主化を求める大規模な学生・民衆デモが起こった。市民を暴徒とみなした軍が厳戒態勢を敷いていた、そんな危険な場所へ「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」というドイツ人記者ピーターを乗せ、光州を目指すことになったソウルのタクシー運転手マンソプ。約束のタクシー代を受け取りたい一心で機転を利かせて検問を切り抜け時間ギリギリにピーターを光州まで送り届けることを決意する。


アミュー厚木シネマ http://atsugieiga.com/ataxidriver/
(ここのURLは原題のアルファベット表記に即して記されることが多いので、"taeksiunjeonsa"でないのは残念閔子騫
公式 http://klockworx-asia.com/taxi-driver/
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E9%81%8B%E8%BB%A2%E6%89%8B_%E7%B4%84%E6%9D%9F%E3%81%AF%E6%B5%B7%E3%82%92%E8%B6%8A%E3%81%88%E3%81%A6

映画が2017年8月の公開後に韓国国内で大ヒットすると、9月に息子のキム・スンピルがその存在を明らかにした。スンピルは父サボクとヒンツペーターが一緒に写った写真をメディアに公開し、サボクが光州事件の4年後の1984年にガンで亡くなったことを明かした[19]。

中国本土においてはいかなる形においても未だに公開されていないが、特別行政区である香港では2017年9月21日に劇場公開された。中国の映画サイト豆瓣(英語版)では高いユーザレイティングを獲得し、好意的な反応を持って迎えられた[55]。しかしながら、2017年10月2日の21時10分ごろ、中国の映画ポータルサイトから『タクシー運転手』の話題が完全に消し去られてしまった。これはおそらく多くのユーザーが映画の内容を六四天安門事件になぞらえたためであろうとされる。なお中国では天安門事件についての内容は厳しく検閲されている[56]。

https://en.wikipedia.org/wiki/A_Taxi_Driver
ほかの方のブログ
特別な1日(Una Giornata Particolare)2018-05-07
映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』
http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20180507/1525682079


福山雅治のように見える錯覚。
以上