「恋のしずく」（"KOI NO SHIZUKU"）劇場鑑賞

英語タイトルはよく分からないので、公式のローマ字表記を当てました。
武蔵野館の千円デーに行ったのですが、二週限定上映もやむなしという感じです。
右側の隣が、隣の人ではないのでしょうが、なんか生ごみのにおいが妙にしていて、左側は、直前にホットパンツのむちむちのルーギャーが滑り込んできて、それで、十時からの回一回しかないのですが、満席でした。この映画はほかでもイオンシネマとかで観れるので、なぜ満席なんだろうといぶかしみました。朝九時四十五分のウスケボーイズは空席があったようですが、この後午後の回のウスケボーイズ観たらやはり満席で、さらに夕方の回でやっと念願のバッドジーニアス観れたのですが、これもほぼ満席でした。新宿武蔵野館の水曜日千円デー恐るべし。六十歳以上のシニア割あって、けっこうお年寄り来てるのですが、なぜ分散しないのだろうか。

これ、三条と空目って、新潟が舞台と勘違いしてました。灘、伏見と並ぶ、日本酒三大ナントカのひとつ広島の西条というところだそうで、伏見って清酒の三大ナントカだったのか。カープもサンフレッチェもお好み焼きも牡蠣も出ませんが、びしょナベという当地の名物料理は出ます。

150年の時を越えて。日本海の美食が花開く。若きシェフが集う三条へ

ミサキとアホボン、実のきょうだいかと思ってましたが、公式みたら他人だった。一反だけ手刈りする理由が分かりませんでした。そのあたりだけ寝てたので。酒米よ〜といいながらその田んぼに稗が生えてるのを見逃さなかった私。アホボンは、自分の演技だけキッチリやったるわ的な演技で、実習生が杜氏に叱られながら人間的に成長してゆくみたいな映画には、二代目がこないアホやと、ボンを甘やかしといて奉公人だけ辛くあたるダメ番頭みたいになるので、そういう方向にはもってけないだろうけどそれはホンのせいや、わししらんけんしゅたいんとでも思ってたんだろうなという。
ミサキの妊娠も、あまりにタイミングがおかしく、これでは映画にならないだろうと。でも下記を考慮する必要があるんだろうと考えなおしました。検索した後で。

Asagei+plus Posted on 2018年4月16日 17:58
大杉漣の遺作「恋のしずく」お蔵入りの可能性を招いたイケメン俳優
https://www.asagei.com/excerpt/102565
映画ナタリー　2018年7月26日 12:00
川栄李奈×小野塚勇人「恋のしずく」10月公開決定、追加キャストに中村優一
https://natalie.mu/eiga/news/292691
この映画、ご当地映画として広島からも酒造業界からも資金を引っ張ってこれてるだろうに、なぜクラウドファンディングまでしてるのかと、エンドロール見て不満でしたが、こんな事情もあったんですね。かわえという子は、何度リテイクしても、何度でも同じ演技が出来るマシーンのような女優さんで、そこがすごいらしいのですが、この映画のように撮り直しが必要な映画だと、監督は助かったと思います。逆に言うと、その特技は、作り手としては使い勝手がよいでしょうが、観客から見たメリットというと、なんだろうと思いました。百姓のシーンがあるからか、ひよっこを演じた有村架純とかぶるかなー、コーヒーが冷めないうちに中学性日記の有村架純が抑えられなくてカワエとかそういう事情ではないよね、と思いました。
神の舌を持つテイスティングの天才で、アルコール分解酵素を人より多く持つが故の酒豪であるが、日本酒だけはなぜか弱い農大生が、酒蔵研修で、家業を継ぐ自信のなさからアホっぽい副業に精を出すアホのボンと対立しつつも惹かれてゆく…　という話で、企画のパワポだけだと面白いんだろうなと思いました。酒豪とかテイスティングの天才とかの属性が、まったく伏線にならないふしぎ脚本。でも撮り直しがあったから、仕方がないということかなー。大杉漣が出てなかったら、撮り直ししてまで再生されなかった気がする映画です。ほんとに映画ってチームワークの総合芸術なんだなと改めて思いました。各人は頑張っているのですが、難しいなー。トンカツと熱燗が合う、とか、そういうのを神の舌を持つ実習生が紹介してゆくかたわら、人間的にも成長せなあかんし、タイトルどおり恋も成就せなあかん、地方の酒蔵問題はしかし、どもならんのでマスクしてると思います。それを主題において正面から向き合う映画ではないですよと。それは分かるのですが、その後ウスケボーイズの求道者ぶりを見せられると、どうしても比較してしまう。