「モアナ 南海の歓喜」(Moana with Sound)劇場鑑賞

せっかくの映画の日なので何か観ようと思い、観た映画です。これとかけあわせれば横浜に行く用事になるし、シネマリンのスタンプカードも押せるしで、いいかなと思って。果たして、この後ダライ・ラマ14世を観れば、スタンプ押し終えることが出来、それでその後それを使って、台湾暮色をタダで観ようと考えています。

なので、深く考えず何も考えず見ました。

ドキュメンタリーというジャンルの映像作品の嚆矢だそうで、チラシの、文化人類学者村尾静二という人の文を読むと、村人たちといっしょに映画を撮るのみならず、洞窟でフィルムを現像して皆で鑑賞し、そこで出た案を翌日以降の撮影に反映させて、文字通り共同制作して映画を作り上げたとか。なので、ひとつの作業も、何度もリテイクしているはずで、ヤシガニを獲る場面などは、カットによってヤシガニの大きさが違うのが、私にも分かりました。猪や海亀も獲るのですが、食べる場面はありません。フェードアウトとフェードインが、とってつけたようにそれぞれ一ヶ所だけ使われています。あと、コマ抜いて早回しにする香港カンフー映画というかチャップリンというかの技法が、戦士の踊りみたいな場面で使われていました。
生きてる、ちっこいイワシみたいな魚を頭から恋人が齧り、モアナに薦めてじゃれ合う場面がありますが、生きてるイワシ薬味つけずに食べてもうまかないだろうと思いました。
で、私も知らなかったのですが、モアナは、若者の名前です。女の子の名前かと思ったら、モミアゲを剃った兄ちゃんだった。モアナって、ワイハーの言葉ですか、と、昨日言っていた人がいて、その人はヒーリングストーンだかなんかの店の名前でモアナってのがあって、それで知ってたようですが、野郎の名前であることまで知ってたかどうか。
最初に、おっぱい出してる女の子が出て、その子だけ最後までおっぱい出したままで、モアナの恋人がその子なのですが、ほかの女性は一切おっぱい出してないので、これは演出かなーサービスかなーと思って観ました。それで、昔の邦人観客は、私のロバさん酋長の娘、とか、そういう感覚でこの映画観たのだろうか、真珠貝とかで日本から潜水夫がたくさん、トラック諸島とかをドイツから取る前から南洋には行ってたそうですし、鶴見良行のナマコの眼とか読むと、白人と現地人、あと緩衝材のインド人という世界しか白人の世界観では見えないが、それ以外に、干しナマコ等を目的とした、華人と現地の裏商業ネットワークもあって、日本人も、個人レベルの出稼ぎだと、そっちのオルタナなネットワークとかかわるかたちで生計を立ててうんぬんということを思い出しましたが、むろんそんな話はこの映画には一センチも出ません。

ナマコの眼 (ちくま学芸文庫)

ナマコの眼 (ちくま学芸文庫)

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7e/Moana_tatoo.jpg/330px-Moana_tatoo.jpg
上は英語版Wikipediaから拾ってきた、この映画の画像で、モアナが骨の針で墨入れてもらう場面ですが、映画のほかの人物がひとりも墨入れてないのに、モアナが下半身だけバリバリ墨入れて、ヒザが一番痛いというキャプションまでついて(確かに膝にタトゥー入れてる人滅多に見ない)これもよく分かりませんでした。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6d/Moana_wedding.jpg/330px-Moana_wedding.jpg:iamge
同様に拾ってきた、結婚式の踊りの場面。夜、テレビのない時代、夜なべ仕事以外することなくてヒマな夜の家族団らん場面で、踊りの予行練習をふたりがするのですが、まずモアナの全身に香油が塗られ、ぬらぬらピカピカ光って、昔ボクサーの知人がホモ雑誌のモデルのバイトに行った時、まず全身にサラダ油塗られた話を思い出しました。

で、冒頭、英領サモアが舞台で、ニュージーランドの統治下にあると書いてあって、しかし、ホノルルという地名が頻繁に出るので、ホノルルはハワイだけどニュージーランドなのだろうかとか混乱しました。ハワイとニュージーランドの間にある島、といわれてもおおまかすぎてピンとこなかったです。ふたつあるそうですが、下のグーグルマップだと、もう少し拡大しないと、独立国のほうまで表示されません。

サモア Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A2%E3%82%A2
アメリカ領サモア Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E9%A0%98%E3%82%B5%E3%83%A2%E3%82%A2

1926年制作の無声映画に、1980年、監督の娘さんがサモアで録音した音をつけ、(会話や歌から、笑い声、太鼓、ほら貝、水の音、ニワトリ、なんでもつけた)それを2014年デジタルリマスター(4Kでも8Kでもない2Kと書いてありましたが、2Kなんてあるんでしょうか)したそうですが、一時期ハリウッドの白黒映画を席捲した、コンピュータ着色はしなかったのだろうかと思いました。あの着色の是非、功罪は結局どうだったのか。黒歴史として、やっぱりなかったことになってるのかどうか。以上

公式 https://moana-sound.com/


モアナ Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%A2%E3%83%8A
ロバート・フラハティ Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%8F%E3%83%86%E3%82%A3
原田徹 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%94%B0%E5%BE%B9

【後報】

なぜモアナを女性と思い込んでいたか分かりませんでしたが、ディズニーアニメの「モアナと伝説の海」では女性だからだとやっと分かりました。未見でしたが、タイトルから記憶のどこかに擦りこまれていた。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d5/Mona01.svg/330px-Mona01.svg.png
モナー Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8A%E3%83%BC
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/5/5b/Nadia_DVD_cover.jpg
Nadia: The Secret of Blue Water (ふしぎの海のナディア Fushigi no Umi no Nadia, literally "Nadia of the Mysterious Seas") Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Nadia:_The_Secret_of_Blue_Water
(2018/11/3)