諸星大二郎展の記事があるというので買いました。船戸与一『東京難民戦争』のタイトルをそのまま使ったブックレット*1を読んだ時も、たいがいだと思いましたが、この号の表紙も、ここまで大胆にモチモチの木をゴン攻め(初めて使いましたが、二度目を使う機会が来る前にこの言葉は廃れるかもしれません)してくるとは、白泉社おそるべしです。絵本界のベルセルク。
表紙デザイン/川谷康久
モチモチの木のクリアファイルがついてますが、表紙の絵ではありません。豆太の絵を組み合わせたオリジナルと、イシャサマヲ、ヨバナクッチャ!で走って、帰り、医者におぶさってねんねこかぶって寝て起きて見たモチモチの木。
特集のこわい絵本は、私もその辺に転がってたので何冊か読んで読書感想を書いた、京極堂なんかのこわい絵本のシリーズと、海外の、所謂読んで後味の悪いキッチュな絵本(それをまた柴田元幸が訳してたり)と古典、むかしばなし、それの新解釈を取り混ぜて紹介していて、読者に聞いた幼少時こわいと思った絵本ランキング第一位がモチモチの木だったので、第二特集がモチモチの木、みたいです。
上の絵本の、鏡の中の自分に羽交い絞めにされて鏡の中に連れ去られる少女の絵を置きたいのですが、やめときます。
上の筒井康隆童話は読んだことないです。
連続児童殺人夫婦の生い立ちからを、柴田元幸訳でお送りするという絵本。
土井章史という人が紹介する、絶賛品切れ重版未定のこわい絵本は、例えば谷川俊太郎の『なおみ』や神沢利子の『いないいないの国へ』
いないいないの国へ (童心社): 1978|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
読者投票の二位は『おしいれのぼうけん』で、三位は『ねないこ だれだ』だそうで、ミステリといえば不連続殺人、エスエフといえば夏への扉、みたいなものが、こわい絵本界におけるモチモチの木なのかもなあと思いました。オールタイムベスト。九位が『ひろしまのピカ』で十五位が『かわいそうなぞう』 戦争怖い、それは確かにそうですと思いました。楳図かずおに入れるも、マンガなので大量の無効票発生、という展開もあっていいかなと思います。『洗礼』とか。
この雑誌は1979年創刊だそうで*2、白泉社と言えば風と木の詩、いやそれは小学館というくらいなんちゅうか本中華な少女マンガというイメージなのですが、こんなもう一つの顔もあったんだなあと。絵本版ダヴィンチみたいな感じで、とにかく今の電子版下電子レイアウトはなんぼでも情報を詰め込めるからか、もうよしてちょうだいおなかゲップでふよ、という気にすぐなります。でも、どこかで一線を引いてるのか、白泉社お抱えの漫画家がこの雑誌でもハバを効かせて、どばどば溢れてるということはないです。それで売り出したら禁断の飛び道具で共倒れする時は共倒れして内輪受けの蛸の足食いでござるよニンニンと思っているのかもしれない。
佐藤さとる展はかなぶんの告知で知ってましたが、馬場のぼる展は練馬。どちらも首都圏ですので、市町村単位でロックダウンされなければ行けると言えば行けるのですが(諸星大二郎展の三鷹市美術ギャラリーも八王子夢美術館の飛び出す絵本展も)職場のドタバタが収まるまで、今は少し様子見だなあと思っています。
ストップモーションアニメって、長いので略称ないのかと思いました。ストマとか素兄とか、コマ撮りとか。←あ
諸星大二郎トリビュートの発売日を8/7と聞いていて、今日もえあず、否、月刊モエとともに注文していたので、一緒に書店受け取りに行ったのですが、緊急事態宣言は書店取り置きいたしま千円と前は言ってましたが今は弾力的で取り置き可のようだったのはよいのですが、発売日が9/7になっていて、ギャフンでした。執筆陣のうち、ヒグチユウコという人は月刊モエである程度把握しました。あと知らない人はヴァンヘルシングの人だけ。それだけ大御所ばっか描いてるトリビュートということか。いいほうの相乗効果ならいいが、悪い方の相乗効果ばっかりだったりしたら、どうだろうなあという。かつて高橋留美子が暗黒神話にイカレて描いた一連の伝奇まんが、私は面白いと思わなかったので…
あとはなんだろう。マリメッココラボTシャツの値段が¥19,800日元で、そんなのインバウンドしか買われへんやろと思い、ふと下記のニュースを思い出しました。
[B!] 渡辺直美 「ビジネスで成功している人しか住めない」 ニューヨークの朝食の値段に国分太一も驚がく― スポニチ Sponichi Annex 芸能
「朝、目玉焼き2個と、ちょっとアボカドを乗せたのとパン、ツナサラダ…7000円。マジで70ドルしたんですよ、2人で」
(略)
「日本って安くておいしい(店)っていっぱいあるんですけど、こっちは安いとまずいんですよね」
おのぼりさんの行く店だったからということはないでしょうか。私もむかし、京都駅前のホテルのティールームでお正月ヒーコ飲んだら一杯千円でした。以上