『地下鉄のできるまで』(みるずかん かんじるずかん)〈銀の本〉"HOW SUBWAY IS TUNNELED?"(Watch and Feel Science Series)読了

 Illustrations ans TextⒸ Satoshi Kako 1987 NDC516 32p 24x24cm

装丁・デザイン/高野あや  
読んだのは1991年8月20日の8刷。

 町田ことばらんどの絵本展で原画を見た絵本のひとつ。シールドくっさくきをつかったシールドこうほうはこの時代ないかと思ってたら、ありました。バリバリ描いてある。

まずは片側三車線などの幹線道路の下につくる「かいさくこうほう」を詳述し、その次にシールドこうほうを解説。その後、見開きでその他のこうほう、ケーソンこうほう(なんぼくちょうせんがケソンこうぎょうだんちをつくったときにつかったこうほうではありません)トレンチこうほう、アンダービニングこうほう、凍結工法、沈埋(ちんまい)工法などがドーンとかいてあります。

横浜市交通局清水建設パシフィックコンサルタンツほか各位への謝辞が巻末に。さいごの会社は知りませんでした。

パシフィックコンサルタンツのあゆみ | 企業情報 - パシフィックコンサルタンツ株式会社

パシフィックコンサルタンツ - Wikipedia

かこさとし作品の常として、細部になにこれ的な描きこみが多数あって、読者がデイズドアンドコンフューズドに追い込まれるというのがあるのですが、本書でも、最初の見開きのビルの屋上で雨ごいをする人たちや、工事終了後取り外す予定の仮配電盤を説明付きで書きこんでみたりと、存分にその才能は発揮されています。あの、地面を掘り下げる杭打機みたいのをアースオーガーと呼ぶと初めて知りました。あと、ゆんぼをバックホウと呼んでいます。覆工板や鋼げたという名称も出ます。鉄筋の組み立ては、今でもこういうふうにしてるのかなあ。味スタの隣のちっさいの作ってるの見た時は、こんな鉄筋いっぱい使ってましたが… シールドくっさくきは1にちに6メートルくらいほることができ、カッターディスクは1キロメートルくらいほりすすむごとに、あたらしいものにとりかえるそうです。

(ということは、何日おきにとりかえているのでしょうか? という問題をふよういにつくって、「せんせい、それっておやすみなしのぶっつづけなの?」とじどうにつっこまれ、週休一日なのかふつかなのかむきゅうなのかでふんきゅうしてもんだいになるのもたのしいデスネ)「こここ交代制でやすんでるんじゃないかしら、こうきちえんするとばくだいなおかねがかかってもったいないデショ、オホホ」「せんせい、どうして女のわらいごえなんですか、にくたいろうどう、げんばのしごとにうといのはじょせいっていうおもいこみがはんえいされてるの?」

かこさとしの人物はちっさいので、男性か女性か、高齢化がすすんでいるのか外国人の比率はどれくらいなのか、いっさいわかりません。りょうわきのどてっぱらにファンを入れた、あの空調服を着てるようにも見えませんが、あの服はここ数年新しく普及してる服ですので、'80年代にはまだないです。最大出力で二時間しかバッテリーがもたず、最大出力にしないと涼しくないと誰か言ってましたが、あってますのでしょうか。

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以上

【後報】

これも、今週のお題「自由研究」かなぁ。

(同日)

【後報】

地下鉄工事じゃないけどアースオーガーと覆工板。

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南町田

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南町田

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南町田

(2021/8/11)