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「イギリスは変わった名前の酒場が多い」をタイトルにした推理小説シリーズ*1二作目。
和田誠の表紙は、
狐狩りの猟犬に囲まれた状態に気付いているのかいないのか、状態の狐ですが、
舞台となる村の絵があったほうがよかった気がします。
前作のエンクロージャーの結果の丘陵とはまた違う、陰鬱な英国の趣で、いいです。
裏表紙あらすじ
スープのように濃い海霧の向うで霧笛がむせび泣く。渺々たる荒地の彼方、北海に面した小漁村ラックムアで、十二日節の前夜、
小説では「ヨークシャー、ホイットビーの近く」と書いてありますが、
Googleマップのカタカナでは、アメリカ英語のウィットビーになってました。
そういえば、前作は村の地図が付いてましたが、本作はなかったですね。
満潮になると通れなくなる浜辺の道とか、崖の道とか、村の大通りとか、
地図で整理するとよいような気もしました。
関係ありませんが、最近イギリスを舞台にした小説の読書感想を続けてしたせいか、
アマゾンが下記をお奨めしてきました。めずらしく仕事になってる。
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英国病だしフォークランド紛争の年だしで、
それなりに作中にも失業保険のアル中亭主とか、遺棄児童とか、出てくるんですね。
作者は英国趣味のアメリカ人だから、暗くならないですが。
前作は、イギリス大好きアメリカンの描く英国ってだけで十分なのに、
連続殺人でセンセーショナルな劇場型犯罪なのが、大げさだし、影を落としてしまったな、
と思ったのですが、今回はその辺抑え目控えめです。
まあ、次も読みます。
このシリーズの(出ている限りの)邦訳は、三人の翻訳者が手掛けているのですが、
本作の訳者は、本作だけの出番です。何故か分かりませんが、
頁174
「あの殺された女性のことなんだがね。あの女性がここにいる間に、見かけたことがあったかい」
「うん、ちょっといかしたじゃん」
このインチキ「じゃんか」言葉はやめてほしかった。
関西人が無理して使う「じゃんか」言葉のようです。
頁251
「人を捜しているんだ」
どうでもいいと言いたげに肩をすくめた女は、ジーパンをあきらめて、カーディガンのボタンに取りかかった。「皆、そうじゃん?」
これは受け入れられる使い方でした。
嗚呼、かえずがえすも下記の漫才コンビが解散したのは惜しいことでした。
在野で頑張って生きてるそうですが。以上