- 作者: 東田雅博
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
我が家のスペースがまたひとつ増える。
この本は、
中国における反纏足運動指導者のひとり、
リトル夫人を描いています。
不思議なことですが、
彼女のオウンネームは、
この本に全く記されていないです。
ミセス・アーチボルド・リトル。
アーチボルド・リトルの奥さん。
彼女は、
女性は「家庭の天使」であるべき、
というビクトリア朝に生き、
男女人口比が大きく不均衡だった
「余った女」問題を背景に、
本国を遠く離れた、
半植民地中国の長江中上流域で
貿易を営むアーチボルド・リトル
のもとに嫁ぎます。
http://www.npgprints.com/image/239716/-cornelius-jabez-hughes-alicia-ellen-neve-little-nee-bewicke-mrs-archibald-little
- 作者: 東田雅博
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
彼女の異文化適応力が、
彼女を反纏足運動に向かわせます。
彼女は在中欧米女性の力を結集し、
西太后への上奏、李鴻章との会見、
孔子子孫からの反纏足発言を引き出すなど、
目覚ましい活動を続け、
本国に帰ってからは、その勢いそのままに、
英国における英国婦人参政権運動に没入、
そのためか、
英国人名辞典に収録されないなど、
功績が埋もれたまま現在に至っているとのことです。
植民地に渡った本国女性と、
現地妻と宗主国男性の難しい関係は、
オリエンタルと白人の関係性もあいまって、
今でも脈々と続いていると思います。
例えば下記で、リービ英雄は幼少期台湾で過ごした時の母を、
そのようなバランスと、
バランス喪失にまつわるエピソードで回想しています。
- 作者: リービ英雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/02/17
- メディア: 文庫
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
- 作者: イザベラバード,Isabella L. Bird,金坂清則
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2013/12/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
- 作者: イザベラバード,Isabella L. Bird,金坂清則
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2014/02/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
ビクトリア朝の半植民地、植民地における女性自己実現を考察しています。
で、この本で書かれなかったのは、確かバードは腰だかどっかが悪かった話と、
あくまで旅行者だったバードと生活者だったリトル夫人の違いかな、と思います。
旅行者の現地との関わりは永遠にオブザーバー。深く交わり、変革を促すことは、ない。
だが生活者は、現地に根を張り、そこに水をやり、うねりを、波を生み出す。
どこに生きるにしろ、うねりを感じていたい。そう思います。