『夕陽ホテル』 (集英社文庫)読了

アマゾンの表紙がヨコになっていて笑いました。
『西成山王ホテル*1に続いて読んだ、黒岩重吾の本。
でもこれは、西成や飛田の話ではないです。
ふつうの、架空の大阪の話。
カバーは小貫政之助*2
昭和四十二年小説新潮連載の小説だそうです。

頁73
「私は満洲で生れた。開拓団です。十八歳の時、内地に帰って来ました」
終戦で」
 有坂美保は菅田勉を見詰めた。もしそうだとすると、菅田は四十歳になっていなかった。

計算は合います。
登場人物のひとりはK国人という設定ですが、
当時はDPRの付いたK国と、軍事政権のK国ふたつがあって、
けっこう個人はその間のてんやわんやに巻き込まれて右往左往もあるんやないの、
と思いましたが、それは書かれていません。めんどくさくなるからですかね。
以上