公式 http://measure-of-man.jp/
仏語版Wikipedia
https://fr.wikipedia.org/wiki/La_Loi_du_march%C3%A9
原題は、市場の掟とか、法則とか、そういう訳が検索で出ました。マルシェ。
英語タイトルは、エルトン・ジョンが歌うロッキーVのテーマソングと同名だとかで、
男の測定、とGoogle翻訳されましたが、男のものさしとか、男の器量、うつわかな。
カンヌ主演男優賞は伊達じゃなくて、
実物は左のようにぺらぺらにイカスのですが、
味のあるオッサンに化けて、名演技を見せています。
逆に言うと、主演の演技しかない。
ビッグコミックオリジナルのコラムで、
中条省平*1が書いてたので観ましたが、
社会派ドラマなのにタルコフスキー
ばりの長尺で、うっかりメモを用意せず
観てしまったので、タルコフスキー
ばりだからそりゃあ寝てしまいました。
御客は、映画の日の単館上映なので、
これくらい入って貰わんと、
くらいの入り。半分以上。ぐうすか。
だもんで、主人公が失業中酒場で、失業は心が蝕まれる云々愚痴る場面、
観てないです。主人公の前職がなんだったか、レイオフリストラなのか
自己都合なのか、奥さんは働いてるのかなど、いろいろ分からないまま見終えました。
スーツ着るほどの収入でないのに、身なり重視の仕事なので、タイしめて白Yシャツ、
って感じがよく出ていて、私はどっちかというと、銀行のATMヘルプのおっさん、
あれも中高年向けの人材バンクからの契約とかハケンですが、それを連想しました。
フランスには万引きGメンないのか、名札付きでうろついてます。
そういえば、おそらく福祉にかかっている、今月のオカネを使い果たして、
それで万引きして買取り出来ない(責任とれない)老人も、きちんとタイ締めてました。
んだもんで、定時になるとパキッとタイを脱いで、しょぼくれファッションに回帰して、
ウチ帰って息子の世話します。途中クルマが壊れるシーンがあり、
定収があることをローン会社に提示して2,000ユーロを借入、月々60ユーロ返済、
でローン組む場面があり、最後、その新しい中古車で帰宅する場面で終わります。
フランス人は個人主義だから、何も言わない、壁を作っておkなんだな、
と思いました。これがイタリアなら、表面的に陽気になればなるほどネクラ(死語)
の描写になるでしょうし、貧困もより身近に描かれるでしょうが、フランスだと、
移民以外の貧困に慣れてないというか、とにかく耐えるしかないって感じ。
この映画、カソリックの自殺者の葬儀の場面があり、葬儀やるんだな、そりゃやる罠、
と思いました。日本のスーパーだと、仕入れ/売場責任者がノルマ自殺したりしますが、
どうもフランスはレジとかも終身雇用の人がまだ残ってるみたいで、
その辺のプライドとかもあるのかなあ、と思いました。
身内従業員のセコい不正が次々に起こり、
やらなきゃいいのにアホか、と主人公は思ってるに違いないのですが、
何もしゃべらず、ロッカーをばたーんと閉めて、着替えて帰宅します。
もうホントそれ以外ないですね。失業中高年にクレーン車の資格取らせて、
それで再就職の口なんかないという前半と、家の買い手との交渉、
あの手この手のおバカな万引きやレジの不正とその摘発の後半、
なんか場面がバラバラな気がして、主人公の存在感だけで、
強引にまとめきった映画、という気しかしないです。
玉掛けなんかも資格とったのかなあ。これが青べか物語だと、
「巡礼だ巡礼だ」とか叫びながら浦安を走って終われるのですが、
所帯持ちが家族を捨てて走るわけにもいかず、ローンの中古車で帰る。以上