『ビッグ・ボスは俺が殺る』（ハヤカワ・ミステリ文庫）読了

国立国会図書館サーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001676521-00?ar=4e1f&lat=&lng=
カバー・河村要助
訳者あとがき有。

小泉喜美子の遺作エッセー『ミステリー歳時記』で取り上げられてた本。中華料理の描写がイカすとのことでしたが、それ以外何がイカすかという…　書評で取り上げてくれと頼まれたのかなあ、小泉喜美子。

頁149、トルティーヤを「トーティラ」と書いてるのは時代？　頁317では、国境通過許可証と書いてグリーンカードとルビを振っています。そういう意味合いもあるんですね。

頁194が中華料理の個所。

頁194
　空腹をなだめるため、トップレス・バーと自動車部品店のあいだにある薄汚い小さな中華料理店〈黄金の竜ゴールデン・ドラゴン〉に寄ることにした。勇気をふるいおこし、ありきたりのまずい北米式広東料理であるチャプスイや、鮮やかなピンク色の甘酸っぱいソースのかかった得体の知れない揚げ物を食べて異国情緒を味わうつもりでやってきた田舎者が数人デコラ張りのテーブルをかこんですわっていた。だが、おれはふとしたきっかけから、この店のコックが四川料理の名人で、おれが注文すればメニューに載っていない特別料理を出してくれることを知っていた。

その特別料理が、四川風白切鶏？と辣子牛肉？、麻婆豆腐であることは、小泉喜美子のエッセーでも触れられています。

2018-05-25『ミステリー歳時記』読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20180525/1527248484
デコラ　Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B3%E3%83%A9

原題"The Big Enchilada"
主人公は酒の飲みすぎタバコの吸いすぎで舌がバカになってるのか、中華以外でもメキシコ料理、黒人ＢＢＱ、インドネシア料理などを食べますが、なべて辛い。酒はジンばかりほぼストレートで飲んでいます。一度、タイ着用必須の高級料理店で食事する場面がありますが、名物料理のアワビが冷凍もので調理もヘタクソだとか、ジンは瓶は英国最高級品だが中身は国内産の低級品だとか、さんざんこきおろしてます。そも主人公はネクタイをしないようで（ヴェテラン）、なので邦訳表紙のスーツ姿はおかしいと。そしてこの小説は、かなりの頻度で、主人公によってくる多種多様な女性とのセックルシーンが登場し、だいたいこういうのは女性の外見は多種多様でもその場面は同工異曲になりがちで（例外は勝目梓くらいかな）西村寿行が、濡れないのに無理に挿入という一文がお得意なのに対し、モースは女性が性器を主人公にこすりつけたり主人公の手をあてたりして自慰して達してその後主人公の性器を手に持っていざなうというパターンでした。なんにせよ悦ばしい。
https://www.amazon.com/gp/product/B00J90FAAC/ref=dbs_a_def_rwt_hsch_vapi_taft_p1_i1
L. A. Morse — Wikipédia
https://fr.wikipedia.org/wiki/L._A._Morse
フランス語ウィキペディアしかなく、フラ語は分かりませんが、グーグル翻訳は偉大で、作者はベトナム反戦運動で米国を追放されてトロント在住の帰化ケネイディアンなんだとか。