『弁護側の証人』 (集英社文庫) 読了

弁護側の証人 (集英社文庫)

弁護側の証人 (集英社文庫)

関川夏央のむかしのエッセー読んでたらこの人が出てきて、昔読んだ酔っぱらい読本だかなんかでもご尊名拝見したなあ、と思って借りた本。作者の長編デビュー作。

作者 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B3%89%E5%96%9C%E7%BE%8E%E5%AD%90

読んだのは2009年7月の三刷。
1963年文春新社より書きおろし単行本。
1978年集英社文庫。2009年4月復刊。

カバー/ジン・グラフィック
解説 道尾秀介
雁之助の裸の大将のつかじ版三作目を本作の比喩として挙げています。
巻末に、編集部より読者宛、尊属殺人の法改正があったこと、本書は原文のままであることの注記あり。

頁16、彩色ガラスと書いてステドガラスとルビを振る。検索したら、確かに"stained glass"でした。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9

頁53、クローバーをクローヴァと書いています。確かに"clover"

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC

頁152、舅と書いて「ちち」とルビを振る。
頁166、倒れるではなく「仆れる」と書く。

頁192、湘南F市が舞台の小説ということで、ここでは工場地帯の午後のサイレンが聞こえるとあり、藤沢の工場ってなんだろう、昔湘南台にあったいすゞだろか、とか思いました。

頁205、薄葉紙。「うすばがみ」と読んで、わくらばみたいな意味かなと思ってましたが、ぜんぜん違いました。

薄葉紙(うすようし)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E8%96%84%E8%91%89%E7%B4%99-34660

警部補の人もなんだなあと思いますし、流産が、前後のインパクトの描写はあれど、ふと気がつくとリアルタイムの記述なしで過ぎ去っていて、読んでいてめまいがしました。そして、頁225、裁判中弁護士が、立て板に水ですらすらしゃべりまくってひと呼吸入れて、まさに仕事がノリにのっている段階、

頁225
 ――ここで一杯飲めたら、と弁護士は思った。

いやーある日突然お酒が凶器に変わるのでなく、その芽は静かにはぐくまれているものだ、と思いました。酔うと帰れなくなって泊まる腐れ縁の出入りの人は、帰らないで泊まるために飲むのかも、と見えたりもしますし、頁182で、死体が発見され警察が到着してひとりひとり別室で話を聞く場面、女中さんが気をきかして、控室に缶ビールとジュースを並べます。ノンアルはまだしも、現場検証で関係者事情聴取なのに、その関係者に事情聴取前後に飲ませちゃダメだろうと思いました。なんというか、それが自然、それが当たり前がこの作者の場合ズレているんだろか、と思ったり。以上