- 作者: ウォルター・デ・ラ・メア,平井呈一,Walter De la Mare
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1985/05
- メディア: 文庫
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カバー ひらいたかこ
解説 長谷川晋一
⇒解説で、平井呈一氏は白玉楼中の人となった、と書いてました。
白玉楼中の人となるの意味 Weblio辞書
http://www.weblio.jp/content/%E7%99%BD%E7%8E%89%E6%A5%BC%E4%B8%AD%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8B
上巻同様、宮部みゆき編書*1で読んだ作家のほかの小説を、
読んでみようと思って借りた本です。デ・ラ・メアと、ジェイコブズかな。
まだちょっとフライングなのですが、今日上げて、書けるとこだけ書いときます。
<収録作品と感想>
「失踪」W・デ・ラ・メア
"Missing" by Walter de la Mare
https://en.wikipedia.org/wiki/Walter_de_la_Mare
⇒殺人ということばを出さず、話の聞き手たる主人公は殺人を意識しないまま、
終わる。それだけに怖い話、とは訳者の弁ですが、語り手が関西弁で語るせいか、
全然殺人だとは思いませんでした。おかしいと思って二度三度読み返したのですが、
やっぱり殺人だとは思わない。単なる失踪に、私も思えてしまいます。
エヴァンゲリオンでカジが死んだ時、ミサトが殺したとは思わなかった側に、
私は居たので、人並みの洞察力はあったつもりで、なので、この小説が、
理解出来なかったことは私にとって大変なショックです。
「色絵の皿」マージョリ・ボーエン
"The Crown Derby Plate" by Marjorie Bowen
https://en.wikipedia.org/wiki/Marjorie_Bowen
⇒ゆうれいが老婆なのかジジイなのか分かりませんでした。
私にとって大変なショックです。掃除しなくてもいつもキレイな室内で、
しかし住人はふだん屋外でグランピング生活していていいな、と思いました。
生きてる人間じゃないから出来る芸当かしれませんが。冬だし。
「壁画のなかの顔」アーノルド・スミス
"The Face in the Fresco" by Arnold Smith
⇒訳者によるとこの人も経歴その後一切不明、とのことで、
上巻で同様に何も分からないだからと訳者に書かれたイタリア人作家は、
現時点検索するとイタリア語版ウィキペディアが見つかったので、
この人も21世紀ならなんか出るかと検索しましたが、成果なしでした。
2016年12月10日付ブログで英語圏のブロガーが、検索したけど、
ありふれた名前ということもあって、成果ゼロでした、と、報告してます。
Multo (Ghost)
The Face in the Fresco
Posted on December 10, 2016 by nzumel
https://multoghost.wordpress.com/2016/12/10/the-face-in-the-fresco/
I couldn’t find anything on the web about the story’s author, Arnold Smith; with a name as common as that, it gets difficult. The author does seem to be familiar with Edwin Abbott’s 1884 novella Flatland: A Romance of Many Dimensions, so perhaps he was a mathematician, though I know that doesn’t narrow things down much.
鉄道駅から離れた村落というと、綾瀬とか左近山とか想像します。
「一対の手―ある老嬢の怪談―」アーサー・キラ=クーチ
"A Pair of Hands" by Sir Arthur Quiller-Couch
https://en.wikipedia.org/wiki/Arthur_Quiller-Couch
⇒アル中にこき使われるゆうれいが、けなげにも不平不満を漏らさない点に、
ほろっとしました。彼女に幸あれかし。
「徴税所」W・W・ジェイコブズ
"The Toll House" by W. W. Jacobs
https://en.wikipedia.org/wiki/W._W._Jacobs
⇒チェイサーなしでウイスキーは、英国人でもためらうのかと思いました。
誰がえじきになるのかを推測しながら読む楽しみもある話です。
「角店」シンシア・アスキス
"The Corner Shop" by Cynthia Asquith
https://en.wikipedia.org/wiki/Lady_Cynthia_Asquith
⇒角打ちとは関係ないです。
「誰が呼んだ?」ジェイムズ・レイヴァー
"Someone Calls" by James Laver
https://en.wikipedia.org/wiki/James_Laver
⇒誰かが呼んだ。
「二人提督」ジョン・メトカーフ
"The Double Admiral" by John Metcalfe
https://en.wikipedia.org/wiki/John_Metcalfe の(writer)
⇒船で外洋に出るので、ゲド戦記の、影との戦いみたいでした。
以下後報
【後報】
「シャーロットの鏡」ロバート・H・ベンスン
"The Mirror of Shalott" by Robert Hugh Benson
https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Hugh_Benson
⇒頁234に出てくるユイスマンスの小説もいつか読んでみたいものだと。
- 作者: J.K.ユイスマンス,渋澤龍彦
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2002/06/01
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- 作者: J.‐K.ユイスマンス,Joris‐Karl Huysmans,出口裕弘
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1995/07/12
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- 作者: ジョリ=カルル・ユイスマンス,Joris‐Karl Huysmans,田辺貞之助
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1975/03/28
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http://www.weblio.jp/content/%E3%81%86%E3%81%8B%E3%82%89
頁253の「朝食の雑炊」とは、オートミールなのか、ポリッジなのか。
「ジャーミン街奇譚」A・J・アラン
"My Adventure in Jermyn Street" by A. J. Alan
https://en.wikipedia.org/wiki/A._J._Alan
⇒頁281すやとは - Weblio辞書
http://www.weblio.jp/content/%E3%81%99%E3%82%84
「幽霊駅馬車」アメリア・B・エドワーズ
"The Phantom Coach" by Amelia B. Edwards
https://en.wikipedia.org/wiki/Amelia_Edwards
⇒極寒という設定と、一軒家(人間)の食事がおいしそうなのが、よかったです。
「南西の部屋」メアリ・E・ウィルキンズ=フリーマン
"The Southwest Chamber" by Mary Eleanor Wilkins-Freeman
https://en.wikipedia.org/wiki/Mary_Eleanor_Wilkins_Freeman
⇒これはかわいそうな話だと思いました。
おひとりさまの姉妹(三姉妹の上と下)と、真ん中の忘れ形見の姪っ子が、
親族の古い屋敷を運よく相続出来たので、そこを改修して下宿人を住まわせ、
その収入で老後までの生活を安定させようとするのですが、死んだ親族が、
なんかおりあいが悪かったのかヘソ曲りだったのか(多分りょうほう)、
死後も次々と下宿人を… で、毎食おいしい賄いを作れるのに、姉妹は、
人生プランを破綻させられてしまうという話。かわいそうすぎる。
上巻 読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20171001/1506864377
(2017/10/9)