http://iss.ndl.go.jp/books/R100000038-I000228492-00
プロローグ、エピローグ、あとがきあり。
思川 山谷に生きた女たち―貧困・性・暴力 もうひとつの戦後女性史―
- 作者: 宮下忠子
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2010/09/14
- メディア: 単行本
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戸田郁子『ソウル・サランヘ』か『ふだん着のソウル案内』のどっちかで、一時帰国中に読んで考えさせられた本として紹介されてた本。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E4%B8%8B%E5%BF%A0%E5%AD%90
キョムサンドのデジョンテジョン生まれ。昭和十七年五歳で家族ぐるみ早期帰国(未来予知?)高校まで九州相良で育つ。就職結婚、三十七歳で専門学校生として城北福祉センターで研修、その後医療相談員として正式に働く中で、出会って来た女性たちを綴った本。
頁262に、山谷は売春の終着駅ということばがあるとおりだそうで、作者は郷里熊本で見聞きしていた“ぐうらしか女たち”を思い出しています。吉原に隣接し、赤線地帯消滅、昭和三十八年ごろは、買い物かごをさげた普段着姿、エプロン姿の「一見主婦のような」売春婦たちがたくさんいたとか。
作者が山谷の本を書くのはこれが初めてではないそうですが、政治的社会的な問題が堆積した街なので、書くたびにつかれるような反響があるそうです。社会的は分かりますが、政治的問題というのは、なんだろう。
頁252、モガキ(窃盗集団)
頁71、川崎遊郭の供養碑がある宗三寺。碑文には川崎貸座敷組合と刻まれているとか。
頁137、山谷俳句会発足前に、福祉センターが年二回発行する雑誌「なかま」に投稿される季語のない俳句。軒下に夫とアオカン雨の夜
この本は、賭博や覚醒剤を語りません。後者は一ヶ所だけ出るかな。貧者のドラッグのことばどおり、酒ばっかです。アル中。酔って借家に火をつけてその中に飛び込もうとする(頁201)とか、そんなのばっか。
頁172等、恥ずかしい話ですが、私はこの本で初めて、もしくは忘れていて再度、MAC、マックと呼ばれる施設が、ながく書くと「メリノール・アルコール・センター」であることを知りました。スティーブジョブズやマクドナルドとは無関係であることは知ってましたが、それ以上考えてこなかった。本書はミーティングを「ミィーティング」と書くクセがあります。福祉施設職員として、中間施設を知り、自助グループを知る。
また人と話してみますが、けっこうみんなこの人、もしくはこの本知ってるのかな。そんな気がします。以上