- 作者: 都築響一
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『東京スナック飲みある記 ママさんボトル入ります!』読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140816/1408189799
『天国は水割りの味がする 東京スナック魅酒乱』読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140929/1411996495
といっても、下記をむかし職場の同僚が昼休み読んでいて、
横から覗いて一緒にゲラゲラ笑っていたのを思い出したので、
別の本を読まなくても、作者本来の芸風は知っていたはず、でした。忘れてた。
ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 東日本編 (ちくま文庫)
- 作者: 都築響一
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- 発売日: 2000/12/01
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ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 西日本編 (ちくま文庫)
- 作者: 都築響一
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珍世界紀行 ヨーロッパ編―ROADSIDE EUROPE (ちくま文庫)
- 作者: 都築響一
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頁360
僕は詩壇の微妙さというのを全然知らずに、仕事で田舎を巡るうちに暴走族の落書きを見て「ああ、面白いな」と思ったり、アメリカを回ってラップを聴くうちに「何だ、これっ」と思ったりしたものを、ただ単純に取り上げたんですが、
と言う割に、そうしたヤンキー関係の詩文が第8章9章しかなく、
あとは健忘症アルツハイマーの呟きを筆写して本にしたもの(第1章)とか、
点取占い*1の2章とか、3章:男女和合川柳を飾る神社とか、
池袋で障害を持った中年の息子とともに餓死した老母の手記:4章とか、
5章:死刑囚の俳句、とか、6章:玉置宏の話芸、とか、
32種類も別々の歌詞がある歌『夢は夜ひらく』第7章、とか、
頁125
少年院では夜寝るしかない。真っ暗な部屋の中で、逃げることもできず、ただひたすらに寝てるしかない。その暗い中で目をあけ起きていて、昔のことを思い出したり、想像したり、いろいろな夢を思い描いているわけです。うまいもの食いたいなあとか、女と仲良くしたいなあとかね(笑)
だから作曲家は出来るだけくらい歌詞のほうが好きで、三上寛が好きとか。
頁144の厚木のヤンキー服の店は、むかし駅前にあったような気もしますが、
よく分からない。検索すると妻田にあるので、模造記憶かも知れない。
第10章は知的障害者でいつも自分語りのクイズを作っている人、
第11章は統失少年、第12章はエロコピー、第13章ワープロ誤変換、
第14湯呑の名文句、第15章見世物小屋、第16章日本人日本語ラッパー、
第17章相田みつを美術館、と雑多でした。
スナック本のようにいっぽん背中にスジをとおして、
ヤンキー、不良の観点から一冊掘り下げて欲しかった気がします。
下記は付録の、谷川俊太郎との対談。
頁344
谷川(中略) 絶対朗読はしちゃいけないという立場の人も結構いたし、今でもそういう人もいます。
都築 「立場」とは一体どういう?
谷川 きちんと文字になったものをゆっくり読んでもらわなければいけないという考え方の人ですね。「声」は一過性ですから、もう一遍読み返せないので、声に出して伝える詩は限定されたものになる可能性がある。
都築 それは結構伝統的な考え方なんですか?詩壇の中では。
谷川 伝統的というより、少なくとも戦後においては圧倒的に活字メディアが優勢でしたね。というのも音読メディアは戦時中、短歌の朗詠は勿論、愛国詩を読む俳優の団体が全国をまわったりして利用された経緯がある。詩壇全体が言葉の持っている音韻性みたいなものを警戒するようになっていたんです。
ドリアン助川は知っていても、こういう歴史は知りませんでした。
下記は、作者がユーエスエー内陸中産階級都市郊外モーテルを転々と取材旅行してる時、
ショッピングモールのガキは人種に関わらずラップしか聞いてねえな、
と気付き、それを元に歌詞について書いていったときに取り上げたエミネムです。
そこから、日本のショッピングモールのガラスに向かって毎夜ダンスの練習をしてる
オリエンタルチルドレンに話が広がっていくとよかったのですが、なかなかですね。
玉置宏が元気のコツを訊かれて、ないけど酒が飲めてよかった(頁112)としていて、
ふーんと思いました。
頁109「玉置宏の話芸」
そこで「蛍とび あやめの故里 水温む 坂東太郎の川風に のって流れる歌声は 十七歳の『潮来笠』」とやったんです。
それを作詞の佐伯孝夫さんが見に来られて、こうおっしゃった。「よくまあ、俳句の季語を、あれだけの中に沢山放り込みましたね」と。曲紹介で俳句の季語を三つも使わないと季節感を出せないとは……と僕はショックを受けて、佐伯先生に、俳句を勉強したい、ついてはどなたかご紹介願えないかと申し上げたんです。そうしたら、川柳からおやんなさい、と言われまして、そうかと思い、もっぱら本で川柳を勉強しました。あらゆる表現が俳句や川柳には詰まってるわけで、それを実践に役立てたいと思って始めたわけです。しかしやればやるほど、なるほど、伊達や酔狂で五・七・五じゃないんだなとつくづく思いますね。
大瀧詠一を連想しましたが、この本ではそっちに連結してませんでした。残念。林檎。以上