『いいゆだね! 1 』(ヤングジャンプコミックス) 読了

書店でうろうろして、最近のビッグコミックにこの人のインタビューが載ってたなと思い出し、銭湯まんがということですし、それで買ってみたマンガ。ほかに、ゆうきまさみ北条早雲を描いた新作も目につきました。もう新しい人がよく分からないので、勝手知ったる人の新作があれば手に取るくらいになってる感じです。バブル崩壊期(平成六年)に三話スーパージャンプに描いた後、暫く間を置いて、こちかめ終了後、昨春から別誌(ウルトラジャンプ)で連載再開とか。

最初の連載時に、マンションに建て替えて、十年後にはローン完済ウハウハでんがなというデベロッパーの商談を蹴る話があります。著者はあちこちに連載こぼれ話みたいなコメントをつけていますが、ここで詳細に書かれた金利等については触れてません。バブル崩壊前の数字なのか、崩壊後なのか… 崩壊直後だったらそんなちょいちょいマンション建て替え話は出ない気もしますし。崩壊前の数字だったらその後地獄が待っているかもしれないと思います。いずれにせよ前世紀末にはまだ、タワマンということばはなかったのだと。

連載再開後に顕著で、こち亀でもよくあった展開で、よい人集めのアイデアが出たりで、千客万来になるのはいいのですが、過剰労働かつさばき切れず疲労困憊という展開が多いです。サンドウィッチマンタカトシの番組の取材拒否店の気持ちがよく分かる展開。個人経営の限界が。銭湯は現在日本でただ一つ残る、価格統制の対象だそうで、だからスーパー銭湯のような価格設定は出来ないそうですが、むずかしいものだと思いました。

平常営業で、一日何人の来客で売り上げが幾ら、という数字が具体的にぽろぽろ出ます。また、裏方業務として、閉店後の清掃の大変さが描かれ、また、風呂桶洗いの機械や設備が描かれ、これは初めて見ました。こうやってるのかと。

舞台が滝田ゆうのマンガの地ですが、私は行ったことありません。また、北千住は銭湯マニアの聖地で、名銭湯が群雄割拠だそうですが、ここも行ったことありません。あとまた後報で追加します。とりいそぎ。

【後報】
デザイン 石山武彦(Freiheit)初版帯には特製風呂桶を抽選で10名様にプレゼントの由。

上記デベロッパーの数字は、都内二百坪で一階すべて駐車スペースにして十二階建て個数百二十戸。家賃月千六百七十万円。年収二億円。更新料その他で三千万円プラス。銀行から二十億借りて十年後完済、以後悠々自適で年収三億に達する見込み。頁17。ホントにこうなったんですかね。平成六年の数字だからな〜。地獄を見てなきゃいいけど。

連載再開後の、番台より前のスペースを地域のコミュニティサロンとして開放してる例は、新宿区と中野区と渋谷区が接する一隅の銭湯で実際に見ました。グッズ販売を目論む例は、北品川や立川で見ました。銭湯は価格統制令だからほかで稼がないといけないという思想は分かります。ベーグルパンを売ってる銭湯は神奈川県某所で見ましたが、ノーコメント。

公衆浴場入浴料金の統制額の指定等に関する省令
(昭和三十二年九月十二日)(厚生省令第三十八号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=58113000&dataType=0&pageNo=1
公衆浴場法概要 厚生労働省公式
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/seikatsu-eisei04/04.html
Yahoo!不動産 質問詳細  2015/10/1 21:30:02
どこの銭湯も一人の値段が四百六十円なのはなんでですか?
https://realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/12150968962

一日六十人のお客さんで日収三万円前後がこの漫画の銭湯の設定で、現実もそんなもんだろうなと思ってみたり。でもだからこそ大切にしたいと、J2で数年サッカーを観て、その観客の入りに慣れてしまっている私なんかは思う訳で。身勝手ですね。

あとは鐘ヶ淵といえば下記。下記は一度見てみたいです。

長さ1km超・日本四大防壁団地 - デイリーポータルZ
http://portal.nifty.com/kiji/150522193621_1.htm

以上
(2018/10/9)