「祝福 〜オラとニコデムの家〜」(原題:"Konunia")(英語タイトル:"Communication")劇場鑑賞

アミューあつぎ映画.comシネマ公式 http://atsugieiga.com/shukufuku/
公式 http://www.moviola.jp/shukufuku/

http://atsugieiga.com/ 閉館に伴う、貼紙。

4年半ご愛顧いただき本当にありがとうございました。

これ以上ひくと、開場待ちの人たちが写ってしまうので、両端切れてます。貼られまくったスタッフによる各映画紹介のPOP四年半分は、この一面だけでは収まらず、隣の壁、向かいの壁と、待合コーナーの壁を覆い尽くしています。これまでありがとうございました。今後一切の順調を祈念します(中国語の決まり文句、"祝一切顺利"を直訳しただけで恐縮ですが…)さよなら上映とかは、あまりにも急なことなので、と言っていました。

この映画のPOP。

Story
 ワルシャワ郊外に住む少女オラの家族は、酒で問題を抱えた父と、家を出ていった母、自閉症の弟ニコデム。
 1人で家事をこなし弟の面倒を見るオラは、心のどこかでもう一度家族がひとつなることを夢見ていた……
 本作は、そんな少女に寄り添ったドキュメンタリー映画の傑作。現代のヘンゼルとグレーテルの物語である。

弟に祝福がありますように。ばらばらになった家族がもう一度ひとつになりますように。

アミュー厚木名物、スタッフによる前説によると、監督はこの邦題を気に入っているとか。そらあんた、原題の「コミュニケーション」とか、ざっくりすぎるやろと思いました。
チラシにない推しで、公式には、

文部科学省選定
社会教育(教養)青年向き、成人向き
日本映画ペンクラブ推薦

と書いてありました。日本ペンクラブと日本映画ペンクラブは違う団体なのでしょうが、検索してません。

山形国際ドキュメンタリー映画祭は、いっぺん行ってこましたいと積年思っているのですが、たぶん永遠に行けないじゃないかと思っています。以前は強力なアジア勢、というか十年で北京にも上海にも地下鉄が二十本以上出来てしまう大発展の中国の矛盾を描いてしまえば衝撃を与えないわけがない、そのかわり本国の公安が何仕掛けてくるかしらんけど、という感じで中国ドキュメンタリーが主戦場だったような気がしますが、キムヨナからザギトワに時代が移りかわったように、ドキュメンタリー映画も再び欧州回帰なのでしょうかと思いました。
山形ドキュメンタリー映画祭の映画は、大昔、アルゼンチンの、メタルナントカという映画を、京都御所の東側の、今は市の歴史資料館なのかな、で上映した時に、観た記憶があります。それっきり。ガルシア・マルケスの「戒厳令下チリ潜入記」はおおむかし、茅ヶ崎文化会館で観ましたが、山形とは関係ない。「山谷 やられたらやり返せ」はおおむかし厚木文化会館で観ましたが、もっと関係ない。
75分で終わるので、寝ないで観れるだろうと思ったのですが、わりととりとめのないドキュメンタリーで、説明のないまま淡々と進みまくるので、よく分からないまま終わりました。例えば父親。酒が問題ということなのですが、日本ならすぐ閉鎖病棟に入院になるようなケースなのか、たいしたことないのか、抗酒剤飲んでるのかとか、よく分かりませんでした。映せない場所はあろうかと思いますが、例えば毎晩、ワークシートで棚卸ししてるとか、そういう気づきの場面はないです。酒も、ビールばっかりで、ウォッカは飲まないんだろうかと思いました。少し吉田ケニチ先生に似てます。
母親に関しては、赤ちゃんにつきます。とにかくかいらしい。まだ言葉が話せないけれど、あーあーうーうー言い出した頃の、首が座って人見知り始まる前の、とにかくかいらしい赤ちゃんです。オラは脊髄反射的に赤ちゃんの面倒もよく見てるので、そうなんだよ絶対そうなるんだよ年の離れた弟妹に対してこの年頃の娘さんは、と思いました。監督もそうだったんだろうか。

少女はこの世界に負けないように立っている。

弟くんは、私の周囲には自閉症の人はいないので、類推するしかなく、服を自分で着るところや食事をするところ、入浴、遊びなど、微笑ましいとだけ思って観てしまうのですが、電車でよく、高齢の保護者と初老の息子など見かけますので、人生は長いと思います。
監督は、こうやってフィルムに実在の人物を収めて公開することの責任を負って、覚悟して撮ってると前説で言われてました。それでいうと、この映画の主役は美少女美少年なので、世の中にはヘンタイがいかに多いことよ、と私も思いますので、その意味の危機管理、リスクヘッジは宜しくお願いしますと思います。オラの友だちの女の子、ガッシリした骨格で白人なので目がひっこんでて、でもアゴとか頬はしっかりしてて、ふとりじしというかまるっこいというか、という顔の子のほうが私の人生にも馴染みがあって、中野新橋でそうした欧亜混血の同僚と深夜ケンカしたことなど思い出しました。そういう子が普通で、オラとかニコデムみたいなべっぴんさんやよかにせは、あんまりそのへんにはいないと思います。
最初予告見た時は日本のアパートみたいな間取りというか扉とかガラス戸だなと思いましたが、本編ではあまりそうは思いませんでした。ワルシャワ郊外と云われても、室内の場面ばかりなので、よく分からないです。外のシーンでも、上半身の二人三人が入るくらいのフレームで撮ってるので、後ろの景色はよく分からない。ポーランドカソリックラテン文字ですが、ダーとかニエットとか、ニコデムくんが言ってると、やっぱスラブ民族なのねと思いました。それくらいの知識しかないです。以上