「“隠れビッチ”やってました」("I Was a "Secret Bitch"")劇場鑑賞

南町田の109シネマが再開したので、何か見てこまそうとアプリインターネットを開いたら、これが夜一回きりの上映で入っていて、なんじゃこりゃと思い、グランベリーパークは一週打ち切りでしたので、新宿で見ました。車社会で、仕事以外はパチ家と自宅を往復するだけの人も多い郊外では厳しかったかもしれませんが、「愛が、なんだ」ロングランの新宿でしたので、えっこんなにというくらい客が入ってました。だいたい、婚活のはずがパパ活人生の男性が来てるんじゃいかと思います。ソロの女性も多いですが、理由不明。カップルは、爽快な感じで帰る二人と、苦笑いしかない二人がいて、後者は想定内で、一人ものの観客を慰めるための興行側の仕込み、ヤラセだと思いますが、前者が強者に見えます。沖田×華婦夫でもないだろうし。

女の顔には裏がある。
自信がない、素直になれない。
だから、チヤホヤされたい。
おもわず共感!
最狂ヒロインのリアルな本音 
3年間で振った男の数600人!
この世の男を、もてあそびっち。

2019.tiff-jp.net

英語タイトルは東京国際映画祭のサイトで探したのですが、フツーに宣材のポスターやチラシにも明記してあるんですね。アーミル・カーンはシークレット・スーパースター、邦画はシークレット・ビッチ。狙ってやってるのかな。

www.youtube.com

映画『”隠れビッチ”やってました。』公式サイト

https://www.yodobashi.com/product/100000009002015877/

https://image.yodobashi.com/product/100/000/009/002/015/877/100000009002015877_10204.jpg森山未來が出てるそうで、隠れんぼキッスもといビッチは森山良子、否。森山未來は森山良子の息子じゃないと何度言われても洗脳が解けない私はまたしてもそう思いました。この映画でこの人が演じた役は、川崎の高校に進んで関西の大学に進学したかつての知人に似ています。不夜城のモデルかと後年思った、歌舞伎町にオジさんの薬局があるというかつての知人をまた思い出した。

レビューに、ネタばれにならない程度に、このオチでは元の木阿弥では、と書いてあるものがあり、でも見に来てる男性観客は、森山未来演ずる男性役と同じくらい、いやこのあいまいな描き方でそこまではないと甘く考えるであろうと思います。私も、女性レビュアーこわいと思いました。

レビューの多くは、映画抜きで、女性とはこういうものだ、と書いていて、この女性は、環境のこともあり、ひとりごとが多かったり、とつぜん何もないのに泣いたり(泣くのは成長でもなんでもないと誰かが教え諭していたな)と、女性一般に還元出来ないキャラでもあると思いました。前半を指して、女性とはこういうものだ、と言ってるぶんには笑えるのですが、後半もそのロジックで行くと、わりと深刻で、前半は許容出来ても、後半は一緒にしいひんといてと思う女性も少なくないかと。あと、音がうるさく聞こえるようになる演出があり、ここはウマいと思いました。音がね、耳障りになる。しかし、黄緑をベースにした服装はやめてほしかった。いちベルマーレファンとして。さすがに現防衛大臣がかつてしてた、上戸彩プロデュースの黄緑眼鏡はしてなかったようで、それはよかったです。

最近日に日に増える、あざといタイトルのエッセーコミックが原作で、原作者のほかの著書のタイトルを見ると、ACやネグレクトに関するタイトルでした。ウェブ発祥の漫画かどうか知りません。見る前は或る程度こうした商業コミックに辟易する自分があるのですが(同人でもこういうのはジャンルとして確立されてますし、ブログマンガもありますし、それで商業もかという)見てしまうと、業界で食うため生き残るためにプライバシーや体験を切り売りする人たちの業と哀切を感じて、胸を撃たれます。←上から発言

「ヤリマンブス」の女性のほうは、どれだけ共感が集まるでしょうか。ベッドで喫煙というと、まだSNSもインターネットもない'80年代に「ニャンニャン」という流行語にもなった流出写真があったですが、彼女が吸うのは21世紀の電子タバコなので、寝たばこによるホテルニュージャパン火災のようなことはならないだろうので、シェアハウスだし、よいと思います。よくこういう女性の話を風俗ライターの文章などで読みますが、会ったことはありません。たぶん。呼び出してやってると、腹の下で、あたし、なんでこんなことやってるんだろうと言って、泣きだすとか、そういう文章。もうひとりのシェアハウスの同居人は、これくらい美化しとかないと、見てる男性客も女性客も安心しないので、妥協として理想化されてる気がします。こんなマメでかいがいしくて料理上手で気がきいてて支配しない修羅場ではドスの効いたキャラが、ほんとにいたらいいですね。

劇場版「ファイナルファンタジー光のお父さん」に出てたあざとい土佐の一本釣り女役の女優さんが葉隠れビッチを演じてて、そうだ、光のお父さんでも似たような役だった(ただし釣ってからフルような真似はしない)と思い返しました。見ていて、この体当たりの演技は、タランティーノユマ・サーマンなみに、後でパワハラと訴えたりする演技指導があってもおかしくないと思いまして、はたしてのちにネガポジ反転したさいのアリバイになってもおかしくない記事も検索で出ました。

www.cinematoday.jp

まあ私がこの映画を見ようとおもったひとつは、上の東京国際映画祭の動画で、ほかにもたくさん映画がある中で、わざわざこの映画を選んでいただいてありがとうございますと、主人公にシンクロしたかのような科白を吐いていたことがあります。役者ってのは、憑依されるわけだし、バカでないと台本なんてまるごと覚えられないというのはけだし金言だと思います。顔アップの場面で、役者さんは化粧時間が長いのでどうしてもほくろは出来やすいと思うので、それをいちいち4Kだかなんだかで鮮明に映されるのもアレですが、スネ毛のせりふがあって、それで、にこ毛というかほおの長いウブ毛がライトを浴びて光ってたりするので、これは本当に監督は鬼だと思いました。

そう、映画では途中主人公の苗字は「荒井」と書くことがはっきり分かる場面があり、それまで、音でしか分からず、原作者もひらがななので、「アライ」って、新井将敬とか憂歌団とかのアライかなあ、そうなるとこの主人公のキレ芸も、2ちゃんの火病とかで説明する奴が出るのかなと思い、作者名といくつかのネトウヨワードでアンド検索しましたがそういうのはありませんでした。宮本から君へ。"This is a pen."は荒井注

シェアハウス、庭に面した縁側は実に暖房の効きが悪そうで、夏は網戸なしなので藪蚊絶対来るだろうと思ったのですが、玄関がすごい頑丈な最近のドアで、玄関回りだけリフォームしたのかと思いました。わナンバーの軽トラが多摩ナンだったので、この映画も原作も中央線沿線青春群像であることはほぼ論を待たないです。だったら蚊は絶対いる。

病室からこんな山が見えるとは、高麗山か徳島の眉山か、と思ったら、はたしてロケ地は平塚市民病院でした。展覧会も、この解説パネルタテ並べはひょっとして、と思ったら、はたして竹橋の東京港区立国立近代美術館でした。鏑木清方幻の明石町の記憶が残ってるうちにこの映画見れてよかった。

演出はうまいと思います。特にいいと思ったのが、ビッグスクーターとチャリの場面。ビッグスクーターは、ホントに下品な乗り物だと思います。普通のバイクより、𦾔車會寄りの二輪だと思う。乗ってる普通の人も勿論たくさんいますが。どうせならトライク乗れば、メットもいらないし、お金持ちの乗り物なので、この男に行く価値ありとなるのになと思いました。ビッグスクーターも安くないですが、どうもね。映画の美容師なんだからサイドカーとか乗ってみればいいのに。以上

【後報】

あと、ハイヒールで全力疾走は無理があると思います。

(2019/12/31)