「グリーンブック」「ビールストリート」と、黒人映画を二本見たので、なんとなくカウンターにドメスティックな映画を観てバランスをとろうと思い、見ました。
ほんとは先日小川町に行ったついでに大宮（日進）かさいたま新都心で観たかったのですが、夜遅くなって神奈川まで帰宅出来るか心配だったので延期しました。やっぱりご当地ネタのわかりづらいところなどは、現地に行けば笑いやひそひそトークである程度フォロー出来るのではないかと考えたのです。出来れば週末人の多い回に観たいと思い、そうなると仕事と仕事の合間に今週観るしかないかなと考え（来週再来週だといいかげん上映回数も減るだろうと思い）三月十六日土曜日に、さいたま新都心だと帰りがしんどかったので、その手前、最寄り駅が東武練馬なのにイオン板橋という、土地勘のない私には何がなにやらな映画館で鑑賞しました。厚木基地が厚木にないようなものか。
練馬板橋で「翔んで埼玉」を見るということは、町田で「翔んで神奈川」を観るようなものではないかと考え、そこそこご当地ネタのフォローもあるのではと思ったのですが、ブラザートムの娘と成田凌が一戸建てを買う夢を語る個所でくれしんになった途端、板橋練馬のかたがたは胸を突かれたのか、絶句したような感じで、なんというか、感動はしてるんですが、その一方で非常に重苦しい何かが漂う館内となりました。町田で「翔んで神奈川」を観たなら、「それでも町田がいいっ！！！」と皆言うと思うのですが、板橋練馬で「翔んで埼玉」を見るとこうなるのかという。Tジョイ大泉で見ればよかったのか。この映画で西武線の田無がディスられても屁とも思いませんでしたが、（相模線が通ずる）八王子が田無と横一線にされたり、伊勢谷友介の執事役の出身地が（小田急線の）町田か狛江だろうと言われると、悲しかったです。西葛西は出ますが、板橋も練馬も足立も出ないで、埼玉を語られてしまった。
チビっ子たちがみな、さいたまポーズをしあいながら映画館を出るくらいのイキオイが見たかった。とは、映画を観た後で思ったことです。劇中、東京を僭称する千葉の団体施設群「新東京国際空港」「東京ディズニーランド」etc.がやはり揶揄されてましたが、「さいたま新都心」だって相当なものなので、さいたま新都心のMOVIXで観ればよかったのかと多少後悔しました。埼玉県に多いユナイテッドシネマというシネコンが、私にはなじみがありません。神奈川にも探せばあるのかもしれませんし、調べれば会社の福利厚生も効くのかもしれないのですが、それをしていない。
英仏タイトルはウィキペディア及びそこに貼ってあった英語のオタクアニメニュースから。漢語だとさしずめ "飛(飞)向埼玉" "翔往埼玉" でしょうか。
席は前三列除いてほぼ満席でした。また、この映画はバリアフリー対応映画とのことで、「青春ダイナマイトスキャンダル」の時は、バリアフリーと映画の内容に関連性はまったくないもんだと思ったものですが、この映画の場合は、何となく目指すところは分かる気がしました。隣の席に品のよさそうなシニア婦人がひとりで観に来ていて、背が低い人用の座席底上げを借りられてその上にちょこなんと座って鑑賞されておられました。もうほんとこの辺の人口過密地帯はアポ電強盗とかこわいから気をつけてと心の中で念じておりましたが、伊勢谷友介とGacktのねちこいキスシーンで、そのお婆さんがゴクリと生唾飲み込む音が聞こえてきまして、ああ、らんらんと見入ったはると思いました。
私は埼玉の地理がきちんと頭に入っていないので、川口が関所というのが最初よく理解出来ず、あっそうか荒川の北が埼玉県川口市で、荒川の南が北区なんだ、と地図を見直しました。でも東隣が足立区で、足立区も荒川の北で、意味分かんないです。川崎の堀之内が風俗街だったのは大門の外だから（夕暮れに木戸が閉められて外で宿泊）ってことは知ってるので、ＮＫ流もそういう理由で発達したんかなと思いました。西川口が現在ネオチャイナタウンになってるのと関係あるか知りませんが、詰め放題等スーパーのサービスが過剰な地区であるとは別途報道で知っていて、だからこの映画でも埼玉解放戦線川口支部長が「商品券くれるっていうから来たんだ」と言ってるんだなと考え、笑おうとしましたが、周囲はここで笑ってくれませんでした。私、ピンを外してるんでしょうか。
でもガクトが英語仏語スペイン語と来て、北京語で都市の温暖化対策について述べ始めた時は私以外にも笑いがそこここでありました。スワロウテイルからだと思うのですが、北京語がちゃんとしてる映画はすごくちゃんとしていて、いい加減な映画との落差が激しいのですが、その差はなんなんだろう。コーディネーターや発音指導にいい人が来るかどうかだけなんだろうか。ガクトは、下から懐中電灯当てながらアジる場面がほんと圧巻でした。ほかのレビューもそういう書き込み多いと思いますが、この映画の頂点、絶頂です。
千葉解放戦線の海女役のふたりの女性がすごく気に入ったのですが、はたして片方が小沢真珠でした。いい仕事したなあ、おざーさん。日本改造ナントカ。もう一人の中原翔子という方は存じませんでした。ブラザートムの娘は、麻生久美子とトムが抱き合う辺りで、後席から車降りるとき、おまたをぱかっと開けるので、一瞬ツンパーが丸みーえな気がしますが、多分気のせいです。しかし、貧乳率とか巨乳フェチ率とか、よくそんな都合のいい統計があったものだと。数字はウソをつく、は社会学の基本。
深谷ねぎと草加せんべい以外名物がない、のコマで、ゼリーフライがあんべと思いましたら、それははなわがエンディングで歌ってました。ゼリーフライといえば、行田と熊谷は映画で出るのですが、加須と羽生は出ません。田舎教師。横浜でも原発避難はあれがありましたが、そういう絡みで出ないわけではないだろうと思います。飯能と寄居は出るのですが、小鹿野は出てないかもしれない、秩父婚民党は八ヶ岳の麓まで転戦して明治政権とえんえん戦って小海線の無人駅の近くに記念碑とかあるのにどうしてとか、長瀞は行政単位ではないから出ないのかとか、狭山どうだったかなあ、再審とか、地名は考え出すとキリがないです。田園都市線に通じる久喜も出ません。逆に神奈川に汚染されてるからか、スカイツリーに通じているからか。だいぶ遠いですが。
横浜の刺客が崎陽軒のシューマイの折詰をその辺にポイ捨てしてるのはけしからんと思いました。なんか、オウムのあれが、新潟で買ったカニ食べながら山中で穴掘って埋めた時、いっしょにカニの甲羅とかキチン質の部分捨てて埋めたの思い出した。あれはあれで衝撃でした。
映画批評サイトの☆ぜんぶつけコメントの中に、二階堂ふみが東京出身と書いてあるのがあって、えっ沖縄だろと思って検索したらやっぱり沖縄で、しかもガクトも沖縄だったです。知りませんでした。二階堂ふみの役柄が純東京人ということなのかな。しかし、でも、なんかねー。ブラザートムが「かくめー」と言う言葉に反応してラジオを止めるなになったり、「Ｚ」だったり、「ブクロ」だったり、「解放戦線」だったり、この映画の原作の漫画が発掘された時から何か感じていましたが、機動隊と活動家（埼玉九万人千葉七万人）が激突する辺りで、いくら三段シートコルクヘッドの珍走団とかデコトラとかアメ車とか出しても、あーこれが、徐々に、☆を極度に減らしたコメントが出てきつつある理由かと思いました。東映とフジテレビの合作なので、なんでフジが？ と思いましたが、サンケイが煽って燎原の火ともえさかった勢力が韓流ドラマ放映やめろとお台場に集結したような、自分で自分の首をしめた過去があって、それで、スパ！とか鹿内一族のほうのフジが、社内カウンターでもしてるのかと勝手に憶測するですよこの映画。BLの乙女ロードも池袋。この映画では「ビーエル」と言っても何も伝わらないと思ったのか、「ボーイズラブ」「ボーイズラブ」とトムの娘が連呼してます。竹中直人は、わたしが見るに、多摩山中の多摩美色が強すぎるので、加山雄三とか石原良純とかがやればよかったのに、出てくれなかったのだろうなと思いました。そして、ピエールが出てなくてヨカッタですね。僥倖。運も実力のうち。
この映画の二階堂ふみのヅラ姿を見て髪形を変えるもそれは自由。
以上
