『火の車の上で』"Upon a Wheel of Fire"(チョンクオ風雲録 その九)Each book of "CHUNG-KUO" series is published in two separate volumes in Japan. This book is the first part of "Chung-Kuo 5: Beneath the Tree of Heaven". (文春文庫)未読

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チョンクオ風雲録 ついに宇宙へ! 地球の亡霊たちも火星に集結  文春文庫・今月の新刊  下層から上がった体制への憤懣の炎は、ついに〈七帝〉の縁戚である名家の間にまでひろがった。衰弱しきった皇帝たちに、この絶体絶命の危機は乗り越えられるのか? いっぽう、遥か火星の植民地でも反乱が勃発、その陰には“生きているはずのないもの”の存在がちらつく。全人類を乗せて走り始めた火車はもう止められない。

検索結果 - 文藝春秋BOOKS

Chung Kuo (novel series) - Wikipedia

Jacket Illustration by Jim Burns デザイン・坂田政則 

この巻のプロローグの巻頭言は多多という中国の現代詩人の1974年の「詩人の死」という詩で、詩人は検索で出ましたが、その詩はさくっと出ませんでした。残念閔子騫

baike.baidu.com

Duo Duo - Wikipedia

"Misty Poets"、朦朧派という中国現代詩のジャンルだそうで、知りませんが、そこに名前の見える北島はわりと日本でも知られていると思います。

朦胧诗 - 维基百科,自由的百科全书

英訳者の個人サイトにドゥオドゥオの詩の英訳があるように英文ウィキペディアでは読めたので、開けてみましたが、見つけられず。

www.gregorylee.net

第一部の巻頭言は、2078年にカン・チァンという人が書いた「渇き」という詩だそうで、作者はそんな未来の詩人よく知ってるなと思いました。シリーズを通しての巻頭言「命は安く、肉はたっぷりある」が、2210年の格言というのを私は見落としていて、その時気付くべきでした。

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帯をはがすと英語タイトル。

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SF史100年最後の巨篇[チョンクオ風雲録]全16巻  次回はその十神樹の下で

この巻のあとがきにそんなに付記はなくて、火星に黒人部族がいるそうで、そこくらいでしょうか。

頁460

 なお、火星の黒人部族にからんで出てくる、オス、エフレフ、ンディチー、 ンザなどのイボ語は、ナイジェリアの作家、チニュア・アチェベの処女作『部族分解』(一九五八年)から借用されている。ウィリアム・バトラー・イェーツの詩からタイトルをとった同書は、イボ族の村に住むオコンクオという誇り高い男の一生を通して部族生活を内側から描いた、アフリカ文学屈指の名作とされている。

ja.wikipedia.org

コンラッドの闇の奥批判をしたことが、わりかしネットでは出ます。

An Image of Africa - Wikipedia

その処女作はウィキペディアでは下記。中文タイトルは「わーじえ」

en.wikipedia.org

瓦解 - 维基百科,自由的百科全书

崩れゆく絆 (光文社古典新訳文庫)

崩れゆく絆 (光文社古典新訳文庫)

 

 以上

【後報】

この巻の巻頭にピーター・ハミルの讃があったのを見落としてました。なんかえらい精神的かつ自己満な讃でしたが…

(2021/4/16)