騒音おばさんの映画のねとらぼ評で、ならべて評価してたので、じゃあこれも見てみようかと思ってみました。
「何も予備知識を入れずに見るのがいちばん良い」というのは、あの「カメラを止めるな!」や「ドロステのはてで僕ら」並みかそれ以上。
小熊英二「首相官邸の前で」アップリンクロングラン上映と同じくらい、長期間、下北沢でやってるので、初めて下北沢の映画館に来ました。
私はむかし、終電がなくなると茶沢通りを三軒茶屋まで歩いて知人の家に泊めてもらうということを頻繁にしており、起点は下北沢ではなかったのですが、なんとなく茶沢通りまで歩いてしまい、既視感からやーな気持ちになって、見つからないから無理かな、帰ろうかな、いつからこんな下北沢は古着屋ばかりになったんだろう、とり・みきが描く太った店員さんの本屋とか、アンナ・ミラーズの時代が今でもあるとは思っちゃいないが、トヨエツが野球するくらいの街でもおかしくないはず、と思って周りを見ると、五時前なのに日曜なせいか酔ったオッサンがたくさんあのせまい道を歩いていて、若者もごちゃごちゃ歩いてるのですが、ウーバーのバイクと新聞配達のバイクが接触しそうになってたり、人多いなと思いました。自粛だから早いうちから飲むんだよ、という言い分があるんだろうな、石原都政以降加速度的に人口密度が高くなった都内の人間的には。と思ったら映画館は見つかりました。
私が知らないだけでもう廿年もこの映画館はあるそうで、今までも「ここでしかやってない」映画のラインナップは時おり目にしてましたが、ここ以外拡散しない映画って、このデジタル時代にどうなん、という視座もあります。女性ばかりチケット買ってたので、やべー小劇場の役者のファンかなんかかな、紛れ込んでしまったタスケテーと思いましたが、入ってみるとそうでもなかったです。座席に番号が書いてないのに座席指定は、座席に番号を書きさえすれば解決するので、スタッフを救済する意味でも、どっかの小道具さんがちゃらっとやってほしいです。
新海誠の花があったので、写真撮っていいデスカと聞くと、イイデスとのことでしたので撮りました。で、もうひとりの名前を検索した時に出たのがこのミャンマーを舞台にしたアニメ。モヒンガーを食べる場面はありません。もうひとりは、プロデューサーでした。
この映画館は、火曜定休日で、定休日のある映画館は大変珍しいと思い、わけを聞こうとしたのですが、下北沢には、中央線沿線なみに、店員にはなしかけてわずらわしいオッサンがむかしからいるので、私も遂にその仲間入りか、と思って感慨にふけってしまったので答えを聞きませんでした。毎月一日と二十二日が割引デーの映画館なのですが、12月は22日が火曜日で休館、来月元日も休館で、しばらく安く見れそうにないので、えいやで今日観たです。毎週休館する映画館は、ほかにしんゆりのアルテリオを知ってますが、あすこは図書館とか博物館とかと同等の、半公共施設だから月曜休館と理解していて、下北沢の火曜休館は、あんままだ理由を知らないです。
公式の、「各界著名人から絶賛の声!」の右はじが分からず、井筒が老いたのかと思ったら、押井守でした。この映画は、終わりのメイキングを見ると、スマホ撮影(音声は別の機器で拾ってる)ですので、本職のカツドウ屋が中川駿/上田慎一郎/松居大悟の三人しかいないのは、それでかという気もしますし、そもこういうところに、他の監督はあまり出ないのかもしれません。
撮影は一ヶ月に及んだと上映前のスタッフ、キャストのトークにありましたので、デジタルだから、なんぼでも撮り直せるので、それだとキリがなくてこういうことになるのかなと思いました。頭こんがらがりながら撮ったのか、理路整然と撮ったのか。
五階まで届く電源ケーブルとかあるわけねーだろ、とか、小劇団の芝居ならああいう女扱いのヘタなヤクザでいいけど、映画だとここはリアリティを一気に損ねてだめだろ、とか、撮影途中でめんどくさいこと言い出して、撮影じたいストッピしたらどうかなと思いましたが、京都人だからそれはなかったのか。
冒頭に京都駅が映るし、バスも京都のバスなのですが、その前にトーク部分で、ヨーロッパ企画はおもに京都で活動してる劇団、と言ってたので、納得というか、かえって全編標準語なのが不思議でした。「メチャクチャ」の使い方などは、関西標準語だと思いますが、それにしてもイントネーションがまったく関西でも京都でもなかった。劇団員の出身がどこかは知りませんが、ふだんの芝居でも標準語なのだろうかと思いました。それもまた京都の文化面のひとつの顔。
ヤクザは、アントニオJr.のともだちじゃないですけど、京都もハングレ多そうだし、女子学生の多い街で、軽い気持ちで水商売に入る子も多いので、空きビルに連れ込まれたとかは私がいた時から聞いたことありましたし、コロナ前くらいかなあ、NHKがテポドンとか撮った衝撃のNスペの時に、風俗に沈めた沈めたみたいな匿名談話やってて*1、だから京都的にはここはギャグっぽく進めるしかないと思ったのですが、下北沢的にはどうなんだろう。渋谷のイメージフォーラムだったら受けないとは思いました。
英語版は下記ツイートから。
『#ドロステのはてで僕ら』じわじわ観客動員数1万人突破を記念し、時間に殴られた著名人20名のコメントを収めた新予告編が完成!
— 映画『ドロステのはてで僕ら』公開中! (@droste_movie) 2020年9月4日
そして海外進出への最初の一歩!
英語タイトルが「Beyond the Infinite Two Minutes」に決定しました!
▽コメント全文はこちら▽https://t.co/1IpdO2xWkx pic.twitter.com/xpLJJQphe6
「ドロス」というと、ギレンとキシリアの会話ですし、私は何故か「ドロミテ」と言い間違えます。www.hankyu-travel.com
藤子・F・不二雄なら、ふつうに作中にも登場する「ドロステレビ」を題名にしてたと思うのですが、小劇団っぽい題名にしたいという気持ちが勝ったのか。
役者さんがみんな2323でうらやましかったです。後頭部が映る場面が多いので、リメイクするとしても、後頭部がアレな役者さんは試練にさらされる。
ラスト、キスシーンがキスシーンで、キスシーンがキスシーン、どうしてキスシーン、脚本家どこまで、ボツ、キスシーン、ハリウッドなら、キスシーン、いやしかし、キスシーン、と書けば、ネタバレを回避出来たかと思います。
私も京都で、午後六時とかに、もう閉めるんで出てってんか、と言われる喫茶店に入ったことがあり、やはり京都駅のほうでした。喫茶店では儲からないので、夜は別の商売をしてるんだとか。そういう店なのでしょうか。わけのわからない、危険な香りのしない遊び人ふうの常連さんたちは別にいいですが。渡辺満里奈のツレに似てる人は、スチールなどの宣材では、加工してるわけでもないのでしょうが、顔が違います。人気のある役者さんなのでしょう。
時間に殴られろ。
ヨーロッパ企画がおくるエクストリーム時間SF
ドロステのはてで僕ら
droste
終わるのが七時くらいですので、速攻でここに行って何か食べて帰ろうと思ったのですが、シャッター降りてました。何度も店に行きながら、一度も入れてません。よくよく縁がない。この近くの銭湯に、はいろっかな、でも湯冷めすっかな、と、結局入らなかったのですが、お正月のスケジュールを見ると、朝湯をやるみたいなので、猛烈に正月勤務明けに朝湯に入りたいと痛感しました。数年前、川崎まで行って入って、ヤクザの偉い人の家の近くだったらしく、黒いアルベルがいっぱい止まってて、今は外車よりワンボックスなんだなあ、ホント、と思ったのを思い出します。京都における、戊辰戦争までの福島県の藩名(相馬藩とかでなく)は、どないですやろか。
で、未来が見えたらシンプルに金儲けのほうに行くな~、と映画の中でネプチューンの真ん中の人みたいな人が言ってましたが、ぜったいおかみが胴元のオンライン博打思いつかないわけがないと思いました。物語の始まる時間が夕暮れどきですが、競馬はナイター競馬、競輪は毎晩オンラインであるじゃん、と思いました。レース時間考えると、2分前に券を買わないといけないからダメか~とも思いましたが、脚本家は映画のなかで、そこはダンゴムシの人にブレイクスルーさせてるわけですし。
2分では競輪は券買えない。しかし、ナイター競馬はどうだろう。
そもそも二分しばりは映画の中で解けてるわ、そういえば。というわけで、公共賭博ネタをやらなかった理由を脚本家に聞いて、脚本家がうんざりした顔で、もうそれ訊いてきた奴1,000人くらいいるよ、あのなあ、と、逆切れするほうに5ジンバブエドル。以上
【後報】
京都の小劇場について詳しいかもしれない人に、ヨーロッパ企画について問い合わせたのですが、返事がありません。で、昨日深夜、フジテレビでこの人たちの番組をチラ見して、地上波で深夜番組もてるくらいの人たちなんだと分かりました。迷走フジなので、多少割り引いて考慮する必要があるのかもしれませんが。
(2021/1/4)