『酒のほそ道 四十九 』"SAKE NO HOSOMICHI"[酒と肴の歳時記]by ROSWELL HOSOKI(ニチブンコミックス)(NC NICHIBUN COMICS)読了

 COVER DESIGN CREATIVE・SANO・JAPAN あとがきは漫研のパイセン。存じ上げませんでしたが、本人のウィキペディアはないのに、日本酒業界の人のウィキペディアの参考文献にこの人の著書がちょいちょい出るくらい多作な人のようです。

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主人公、岩間君がラズウェルさんの分身なら1人静かに飲んでいる岩間君の姿もうなずける。「酒のほそ道」は酒と肴の話である。小生も酒も肴も大好きだ。高瀬 斉(漫画家)

漫研人脈使うのは、シマコーに続き二人目。トウカイリンサダオサンとかすでに出てそうなものですが、出た記憶がないです。次は漫研ではないが同大学の山本直樹でも出して、オカッパのヘンな大学生が「何がブルーノートだザッパ聴けよぅ」とクダまくようなパロディ漫画でも載せたらいいと思います。ケン月影が描いた酒ほそのエロパロもいつか単行本に収録されるのでしょうか。

 まえがきで、酒ほそワールドはコロナカをスルーすると宣言されてます。とはいえ、漫画家は日常に影響されやすいので、例えば、ミニ調味料の話など、飲食店の共有調味料を触るのがこわい心理が反映されたりしてないだろうかといぶかしみました。頁25.

カラー口絵は、私にも分かる、アメリカンポップアート。アンディ魚掘にリキテックス、否、リヒテンシュタイン、キースヘリングときて、最後の「ん? このアートはもしかして…。」はバンクシーじゃねえよベン・シャーンだよ座間あみやがれ、と、舌を出してそうな。

hamarepo.com

英題ではないけれど、ローマ字綴りは黒ぢょかの絵から。

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頁56、「よしっ じゃあオレのとっておきの煮込みの店に行くか」の店の煮込みも見てみたい気がしましたので、出さない辺り、随分京都のイケズが板についてきたと思いました。動画サイトとか、アクセス数稼ぎのランキングナントカだったら、絶対出すのに。

頁71、突然のカニ。私はあまり蟹を食べないのですが、プリン体摂取がベーヤーな痛風ほかのびよきがあるわけではないです。前に、同伴のカニ尽くしにつき合わされた時、そうか、これくらい豪勢なめしをおごられるとホステスも悦ぶんだなと、テンションだだ下がりになった経験がトラウマになったわけでもないです。ので、年に一回蟹を喰う会以外蟹食まかりならんの会は、非常に良い理念を実践されてると存じました。

あと、山梨の居酒屋で、サワガニ頼んだら、宮崎空輸だという、シオマネキみたいのを出された思い出は、何度も何度も日記に書いています。

その次が白子。ごていねいに白子をバターソテーなんかにしてます。その次がこれまたこってりなアボカド。プリン体ガー、痛風ガーの人がつらいメニューな気がしますが、私自身はそうでないのでよく分かりません。人ん家の台所でよくここまで作れるな、鍋や調味料の位置をぜんぶ把握してるんだろか、と思うと高齢者夫婦邸のキッチンが脳裏に浮かんでくる話。

頁94、「門松は冥途の旅の一里塚」vs「赤ん坊が生まれた時、大声で泣く理由がわかるだろう。人生が辛いと言って泣くんだ」アブドゥル談 from『幻のアフリカ納豆を追え! そして現れた〈サピエンス納豆〉』高野秀行

kotobank.jp

この『妄想年末年始』という話は、宗達がコタツでシコってるのかと思うとゾッとしない話です。そりゃ宗達も男性だからシコるんだろうけれど。AVがテレビから流れて。

頁106、周防大島みかん鍋はおいしそうですが、「あ~現地で食べてみたいなあ~」は、温州に行って温州みかん食べてみたいなあって意味かと誤読しました。温州で獲れるのより日本産のがうまい気瓦斯。種苗法改正おめでとうございます。祝福你💛

頁120、私も店内装飾やメニューに関しては気安く写真撮ったり上げたりしてる方で、人物以外はいいかなあと解釋してるクチです。このブログの更新が途絶えると、それらの情報も同時に色褪せる気がしてます。実際のお店の存続とはかかわりなく。この日記を始める前は、ほとんど撮ってませんで、その時期にあって今はもうない店の料理を写真に遺しとけばよかったなという思いは、多少あります。

……コロナカの撮影、SNSに関しては、酒類提供に関しての自粛警察ではないかとの恐れを店側が抱くこともあるようだと、最近気づきました。事実提供していなくても、フェイクやカンチガイによる風評被害含めて。

頁132、調味料としての梅酒。料理酒ならばなべてアルコール分は飛んでると解釈していいはずなのですが、構えてしまう自分がいます。誤飲とボインは一字違い。

次の頁137が女子大生。某中華料理店の、腕はピカいちで、その腕を見込まれて中国から招聘されたのに、オーナーの姻戚関係のコネ特級厨師やらなにやらの人間関係のアヤで、うまいこと仕事に注力出来てない人に教わったセロリのマリネというか浅漬けはおいしかったのですが、作り方忘れました。コネ雇用で味が落ちて腐りかけた名店を立て直すために呼ばれた人が、それがゆえに厨房で孤立するという、飲食業界あるあるを見れて良かったのか悪かったのか。セロリの浅漬けは、ただおいしいという味付けだったので、「辛いけどおいしい」「すっぱいけどおいしい」「クサいけどおいしい」「苦いけどおいしい」といった、クセがあるがゆえに人を惹きつける味でなく、かといって常備菜的な味わいでもなく、性格のよさが出過ぎた素直な味だったと思い出されます。

 コロナカの石岡瑛子展の帰りに森下かどっかの喫茶店に入った時、隣のテーブルに座った、保険の外交員みたいな奥巴桑が、ヤキソバとドンブリ一杯の白菜漬けをかっこんでました。はぁ~これこれ、生き返るぅ~みたいな感じで。

頁188、女性の前で上司が男性に「くっついちゃえ」的発言をするのはパワハラとセクハラのコンボ、と、コンプライアンス担当が判断するかもしれません。そしてこの上司が松島さんに刺されて左遷され、宗達がその空席を埋める人事で昇格、「内助の功ですわ」というジャンルのマンガにこのマンガが変貌する悪寒はありません。この方面で進捗はないかったのですが、次巻どうなるんだろう。タケノマタ夫妻の妊活ネタがある、には賭けません。

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以上