[ヤングアニマルDensi]2014 Feb.7, Aug.1, Nov.7, Dec.5, 2015 Jan. 2, 「ダ・ヴィンチ」2014年1月特別付録「別ダ」、WEBマガジン「コミックエッセイ劇場」掲載策を加筆修正再編集。デザイン 柴田昌房(30A)ずっと、「きよのとおる」だと思ってました。あと、SANPOでなく、SAMPOにしてほしかった。
服部昇大という人のマンガの感想を書いたときに、この人の『東京怪奇酒』というマンガを引き合いに出したのですが、私は『東京怪奇酒』とその続編は大変好きなのですが、その前にモーニングで読んでいた『そのおこだわり、俺にもくれよ』はまったく受け入れられなくて、なんというか、ひとりツッコミが寒くて仕方なかったんですね。M1優勝者はブレイクするがR1はそうではないの実証どおりで、しかし服部昇大という人のマンガの感想を書いたときに、それではイカンゴレンではないかと思い直し、なにしろ壇蜜のパートナーになった人なんだから、ほかの作品も読んでフラットな気分になっておけば、将来綾瀬はるかや吉高由里子や柴咲コウ以下略
それでまあ、この作品が、タイトルとしては『怪奇酒』に似ているので、ブッコフで買って読みました。結論としては、怪奇酒は現場で飲酒するというシメの行為でサゲを作れるのに対し、本書は、体験するだけなので、オチないことも多く、その辺がひとりノリツッコミに付随する悩ましい点だと思いました。
凝った表紙。私はシモヤナギさんという人に会ったことはありません。絵の面では、怪奇酒より数年しか遡行してないのに、異様に線がよわよわしくて、気になりました。食事の場面で、皿を手にもって持ち上げて食べるクセがあることは、怪奇酒と共通しています。イケメンな女性編集者が出てくる点も共通。
カバーをとった表紙。本書は、最初は、それまでの作品の流れからか、ヘンな人を取り上げていて、そっから、現実に存在しないものへと昇華してゆきます。そこから怪奇酒になると仮定してもいい。怪奇酒でも、冒頭の話では、立川の昭和公園なのかな、半裸で筋トレするへんな人が出ます。が、そういうのはだんだんオミットされ、非現実の怪異が前面に出てくる。
カバーをとった裏表紙。怪奇酒でスナックの息子さんが「なんですなんです」と話しかけるその言い方は、この漫画家さん自身の言い方のようにも、本書を読んで思いました。また、壇蜜とは関係ないと思いますが、怪奇酒でパリッコが「異議なし」とかいう言い方をするのは、政治サークルに加入していたわけでなく(世代的に遅い)彼ら赤羽グループが、そういう家庭だったりするのかもしれないと、今選挙やってますし、思いました。
カバー裏。手の込んだ処理。これで2015年は730円本体で売っていた。現在、書籍に関してはほんとインフレなんだろうなと思います。
頁10
俺は気付けた「非日常」には進んで身を投じる主義だけど
関わったら最後… 二度と戻ってこられなくなる「非日常」があることも知っている
ディック『暗闇のスキャナー』に書かれたようなことも指してるでしょうし(アヘンその他が混ぜてあるのに、ただのマリファナだと信じてアディクトが加速する若い女性の場面など)怪奇酒の「別れる部屋」で、じっさいに別れてしまった男性から「そういえば清野さんも新婚なんですよね、どうです、住んでみちゃあ。ハハハ」と水を向けられるも、モノローグだけで住まないと説明をするような展開をも指していると考えられます。
カバー折をヨコにして撮った写真。怪奇酒の、縁切り榎から東京大神宮への流れを忠実に模倣してみたがうまくいかなかったという声はあるんだろうか、自分が模倣してみて失敗したらそれが結果だろうか、などと思いましたが、それ以上は何もしません。本書に出てくる、タイ人のワニダというママさんの出てくるほかのマンガも読んでみます。酒も煙草もやらない男性が何故タイ居酒屋の常連なんだろう。メシくって、カラオケくらいはして、それだけで常連といえるほど通い詰めてるってことだろうか。不思議、と思いました。以上