装丁 山口明(ROCKERS)+I'll Products 連載担当 石井淳 単行本編集 石井淳、山口陽子
まだこの巻にもワニダという人は出ません。この巻の帯は久保ミツロウが描いていて、この時期こんなにアチコチ出没していたのは、久保ミツロウという人は本人が面白いからだろうと思いました。如何に本人が面白かろうと、それだけではなかなか認知されなかったが、今がチャンス、みたいな。
さいごの話で、作者が十条に引っ越します。いや、中十条というそうですが、十条と東十条の区別がつきませんので、十条でよいかと。京王よみうりランドと小田急のよみうりランドの区別とかつかなくてもいいですよね。そんな感じで。関東東部から北部の人にとっては、与野の例や、浦和の例のほうが沁みるかもしれませんが。赤羽のアパートは、網戸がないのがイヤだったそうです。大家は知らんけんしゅたいんで、自分で取り付けるにはおぜぜが張るとホームセンターで思案投げ首だったとか。
それとは関係ないのでしょうが、アタマのほうの話で、いちばんよく出て来る客の来ない居酒屋の内縁の店主夫妻(前巻で本人による履歴書あり。童貞喪失は菊花だった等)にアパートを嗅ぎ当てられ、日参され、携帯も当然のように着信の嵐で、それが数ヶ月続いたそうです。実在の人物を扱ったマンガで、それがガロ系だと、SNSが発達した現在そうなるんですね。やっぱり。ガロの後継がいずれもパッとしないわけがよく分かります。まあ蟹江という人は別のファクターですが。蛍雪時代。
帯裏 引っ越そうにも網戸代にも事欠く生活だったので、ビックリマンチョコのシールと聖闘士星矢のフィギュアを、当時メルカリはなかったのでヤフオクで売りさばくと、数十万日元になり、それで引っ越せたそうです。よかったですほんと。
帯折と、カバー折に写っているたぶん作者。「一度、多摩方面で暮らしてみたい」と著者略歴に書いてあります。清瀬とかいいんじゃないでしょうか。赤羽に赤澤さんがいるのだから、清瀬に清野さんでいいと思う。ドリアン助川も「あん」書いたし。
話を戻すと、清野とおるサンに富と幸運をもたらした「ケサランパサラン」さいごのひとつを、店主夫妻に譲渡することで、店主は、結婚ビザが切れたら死活問題のフィリピン人妻と離婚出来(子ども三人の養育費等は不明)内縁の妻と七度めの結婚するのですが、負のパワーのほうが勝ったようで、その後、あれほど清野とおるサンの人生のバランスをとって、危険を回避してハッピーにしてくれたケサランパサランはバラバラに割れてこわれてしまい、次巻お店がつぶれる(当たり前だ)の予告が出ます。ふさいがどうなるか描いてあるかどうかは不明。
表紙のモブをよく見たら、コロナカでもないのに口元を抑える人々や、ガラケーをガン見してる五分刈りの青年がいました。モザイクがかかっているのであげておきます。以上