相鉄瓦版 Sotetsu Kawaraban 第281号(2022年10月1日更新)特集|相鉄線沿線で味わう畑直送の加工品 読了

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特集は加工品野菜。

最初の農家は泉区で、らっきょとか梅干しとか奈良漬けとか味噌とかジャムとか。加工品を始めるにあたっては、90年代に横浜農協が制度として開始した女性農家支援の後押しが大きかったそうです。これはたぶん、全国的なムーヴメントで、90年代から活動を開始した女性農家の加工品事業はすごく多いはずです。たぶん今直面してるのは、後継者問題と高齢化。

出荷野菜と違って、直売や加工品なら、規格外の廃棄品を出さなくて済むのがうれしい、との声は当然ですが、保健所の認可がかなり煩瑣かつ年々難しくなっていくことへの愚痴や、小規模販売の手作りならではの採算度外視な手間ひまのかけかたも一読に値します。

90年代は毎年一トンの沢庵を漬けて売り切っていたが、今は若い人が沢庵を食べなくなったので、15年ほど前に沢庵を漬けるのをやめたそうで、また、かつては3~4人分の総菜が主力商品だったが、今は一人分の総菜でないと売れないそうで、世帯当たりの人口減をひしひしと感じているそうです。特にこういうところを利用するお客は、ということでもあると思います。やっぱりお年寄りが多い。

次も泉区で、横浜でミカンをやってる人。正直横浜でミカンなんてやってるんだと言うが私の第一印象で、温暖でない気候だと、加工品にしないといけないのはマストだと思いました。実際、柑橘類が正常に育つ限界気温は-3度で、この農家は冬には-6度まで冷え込むそうです。かなりきびしい。私は小田原みかんが北限だと思っていたので、それでも、横浜でチャレンジする人がいるんだなあと目からウロコでした。そんでも、りんごの南限を突破するよりは勝算があるのかな。

次も泉区で、泉区三連発。手をかけずに健康的でおいしい食材、調理が必要だった育児中に干し野菜を発見し、それからのめりこんでいった人です。みかんでも福祉事業所が出ますが、干し野菜は切って干すだけなので、作業所の作業に向いていて、相性がよくて、それを発見したのはこの人でなく、友人で小学校の支援学級の先生をしてる人だったそうです。なるほどなあ。それでも最初は包丁を扱うことすらおっかなびっくりの人もいたそうで、しかし、調理設備が整っている福祉事務所は多く、そこでの主製品であるパンやクッキーよりは、切って干すだけのがカンタンなのは言うまでもないです。ギャル曽根は業スーの冷凍野菜に凝ってますが、この人は自分で切って干して冷凍して、三ヶ月はもたせてます。自分がのめりこんだ干し野菜をビジネスにしたかったが、商売は不慣れなのでどうしてよいやら分からず、上記の支援学級教師の提案で社会福祉協議会に相談し、そこで道が開けたんだとか。社会福祉協議会アントレプレナーまで育成してるんですね。あなどりがたし。

その他の記事は、相鉄からのお知らせいろいろや、瀬谷に出来た相鉄の自販機商店事業、前回営業実態が伺えないイラン料理店とバングラディシュ料理店が載ってたのでハラハラした沿線お店紹介(今回はケーキ屋さんなのでさすがにやってるふりしてやってないはないだろうと)ユザワヤ全面協力ハンドクラフト企画、田んぼの収穫体験など。稲についてる天然麹菌の写真を見て、見たことないなあと思いました。以上

【後報】

イラン料理店は心臓手術かなんかで入院してたそうです。営業再開してました。

(2022/10/22)