相鉄瓦版 Sotetsu Kawaraban 第284号(2023年7月1日更新)特集|相鉄線沿線 変わりダネ農産物探訪記 読了

特集 相鉄線沿線 変わりダネ農産物 探訪記 ●瀬谷のパッションフルーツの味 ○旭のコンニャクの醍醐味 ●保土ケ谷のエビイモの可能性 好評連載中 沿線オススメ店(海老名) ズーラシア 飼育員さんの動物日記 ときめきとやすらぎをつなぐ SOTETSU 相鉄瓦版 284 7月1日発行

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相鉄瓦版は農作物(のうさくつ)が好きなようで、何度も何度も特集しています。それだけ、「横浜のチベット」ともいうべき都市近郊*1佐藤春夫『田園の憂鬱』から村上龍『テニスボーイの憂鬱』まで、脈々と受け継がれた武蔵と相模のせめぎ合いが、人々の心をつかんで離さないのだろうと、強く思わずにはいられません。(この文章は生成AIの助成を受けていません。為念)

今回は、下記三題。

①花博を見据えて、返還された米海軍上瀬谷通信施設跡地でパッションフルーツを作ってみようという話。八王子に先行した取り組みがあり、それを参考にしつつとか。熱帯フルーツなので、冷害が敵かと思いきや、意外と高温にも弱いそうで、さらには、手作業の受粉がいちばんのネックなんだとか。ほかの作物の収穫に忙しい時期に、南北問題解消で南から輸入すればいいものの世話にかまけてられないということなのか(そこまで言ってませんが)このお話に登場する生産者の方がなぜそこで情熱を燃やすかというと、農家の後継ぎながら、若い時は海外青年協力隊でアフリカ生活を送った人で、農林水産省やジャイカとも切れてない人だからだそう。ので、「一山あてようとおもっているわけではない」としながらも、商品化、加工品、ブランド化について、まったく徒手空拳というわけではなく、ナレッジ共有やスキーム構築に関しても、それなりに手慣れた熟練さを感じさせます。巻末には、横浜パッションフルーツを使ったスイーツを提供するパティスリーの紹介も有〼。と思ったら、紹介はこの記事の最後で、巻末は、③の農家さんがおろしてるフレンチレストランでした。

(a) 私はギムナジウムしかなかった、荒涼とした瀬谷より、深谷のこのクレーター、爆心地のようなほぼ完全円形の米軍跡地が好きです。

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(b) パッションフルーツもいいのですが、私は最近は、沖縄ではバンシルーといわれるグアバに惹かれています。池上永一がオキナワの果て、釣魚島をテーマに挑んだ『海神の島』に出て来る石垣のバンシルーの場面が好きで、また、グアバのペーストとフレッシュチーズを組み合わせた、ホメウェジュリエータロミオとジュリエット)という名前のブラジルのスイーツもあるからです。

www.orionbeer.co.jp

stantsiya-iriya.hatenablog.com

ブラジル定番のスイーツ''ロミオとジュリエット'' | 地球の歩き方

pt.wikipedia.org

②新規就農の青年の話。もうそれだけで大変そう。なぜそんなに書類や手続きなどががんじがらめかというと、それだけ農地の転売ヤーが怖いんだろうと思ってます。価値のない土地はいくらでも原野に戻るがままなんでしょうが、都市近郊はそうもいかないと。ホリエモンあたりがそのあたりのめんどくささを一喝して、自分で農業法人作ろうと考えて試算して採算やっぱアレなのでヤメタとか、そういう話があればいいと思います。この青年は地元出身で、農家と非農家の違いを見て育ってるはずなのに、飛び込んだという点がすごいです。当然人間関係もあるだろうに。

しかもここで登場する作物はこんにゃくで、ここだけの話ですが、いや公開範囲ぜんぶで書いてしまうことで「ここだけ」なんてことは当然なくなるわけで、それでですね、神奈川でこんにゃく作ると、栽培が盛んな北関東産にくらべ、アクがゴイスーというのが私の認識で、この方はそれをブレイクスルーする製品を作り上げたということなので、すごいことだと素直に思います。

で、「横浜こんにゃく」というと、この製品と、「ハナコンニャク」という、一般の蒟蒻とは異なる、横浜でもほとんど知られない横浜の超レアなねりものと、両方が考えられるので、いっそ「横浜蒟蒻」で「ハナコンニャク」を作ってみたらどうかとも思いましたが、なぜ「ハナコンニャク」がポピュラーにならないかというと、私も食べてみましたが、強烈な個性なんてものがどこにあるのか、クセになるようなパーツをどこに感じたらいいのか分からない、独自だが訴求ポイントに乏しい点があるためで、なかなか世の中難しいと思います。青のりがかかって黒はんぺんがあればしぞーかオデンですが、はまこんにゃくはどうしたら。シューマイに入れてみるとか。

www.kanaloco.jp

hamarepo.com

③番目は、エビイモを作ってる農家さんで、この人は作ってるだけでなく、先代から、40年以上前から、「引き売り」をしてるそうで、無人販売でも担ぎ屋でもなく、「引き売り」という形態の野菜販売は初めて見ました。軽トラの魚屋は、今のようにスーパーが大店舗規制でそんな隣接していなかった頃、商店街からちょっと遠い、夜になると山犬が吠えるような茅ヶ崎の山間部でちょいちょい見てましたが、野菜もあるんですね。自分で作って自分で売ってる(自分とこの野菜の九割は自分で引き売りして売り尽くしてるとか)せいか、芽の部分がピンク色の稀少エビイモ、キクイモ、ソプラノという関東では珍しいトマト、自根キュウリ(これは接ぎ木してない胡瓜ということなので、商品出荷してない家なら珍しくないよ、私も~と思いましたが、こうやってネーミングで可視化してアピールポイントにしてしまう気合はないです)バースニップというニンジンに似た根菜(フレンチレストランに卸す契約野菜)それから自分で面白いと思ったから適当に始めて買ってくれる物好きがいるから続いてるザーサイ(搾菜)など、次から次へと、これでもかと所ジョージの世田谷ベースがぜんぶ畑だったらみたいなひょうひょうとした野菜作りが語られ、この人ぜったいギター弾いてそうと思いました。ザーサイは葉っぱがおいしいので葉っぱを売っていて、例の漬物のザーサイを作るための茎は、イチからザーサイ作るのは手間がかかるから、物好きだけやってみて、という感じだとか。あと、業務用にザーサイの菜の花を出してるとか。市販でなく業務用。かつてのサッポロラガーのような感じ。

沿線オススメ店は、記者が気に入ったとしか思えない、駅からかなり歩く、三川公園の近くのお店の紹介。以前小田急の広報誌で、鉄道のない愛川にほど近い崖っぷちのイタリアンが紹介されていたのに匹敵する駅からの遠さです。三川公園の駐車場に車止めて遊んで、スマホで近くの飲食店検索して、ムスリムスリランカ人の店がヒゲのムスリムばかりでショックを受けて、ここに逃げ込んだのかもしれません。

この店も、崖のイタリアンも、入ったことがないので、情報として面白く読みました。

そのほかは、星天クレイの告知。トルネードきゅうりという、野茂を知らない若者たちに捧げるレクイエム料理。都市部ではアマガエルがほとんど見られなくなってしまったというショッキングな記事(私にとって)むかしの二俣川駅の写真と、今の全景はちょっと撮れないので載せてない(まわりの建物で全体像がぱっと写せないのだと思います。フワちゃんがやってるように、消すわけにはいかないのでしょう)など。

以上

*1:どこをさすかは諸説あり。その時「いなか」「イモ」「ダサい」と呼ばれた地域がてきとうにあてはめられていると思われます。相鉄線沿線よりは、グリーンライン以下略 守るも攻めるもくろがねの