『ブラジル万華鏡 南米大国の素顔と未来』"Brazil Kaleidoscope : The True Face and Future of South American Powers." by Kusakano Yoshitake 日下野良武 読了

大泉町観光協会で買った本。

装丁 口絵 有限会社ペーパームーン 渕上禎二 緒方美佳 電子版なし

ジャーナリストが見た リアルな光景とは 2016年にはリオオリンピック、 大国の今と未来がグッと身近に! 定価 本体1,400円+税] 熊本日日新聞社

滞在33年。 熊本県出身の筆者はこれまで1,000人を超す日本人・日系人を取材した。 移民船で渡った人々の9割が「ブラジルに来てよかった」と 笑顔を見せるが、 それはなぜか。 100年後、アマゾンは地球の 「自然公園」になろうという、なぜ? 軽妙なエッセイで答える。

帯裏

カラー写真四ページ。プロローグ、エピローグあり。2015年の刊行時71歳の御年とのこと。25年前に初めて本を出し、今回九冊目。すべてブラジル関連のはず。山根一眞サン、熊本日日新聞社松下純一郎サン、荒木昌直サン、澤田俊郎サンへエピローグで謝辞。

ぜんぶで九章。だいたいコネタパラダイスです。女性、ブラジルワールドカップ、社会事情、農業、日系社会の変容、子ども、高齢者、まだ未読ですが何故か中国が出てきて、その後じぶんのこと。

リオ五輪前で、ボルソナロ前までの情報ですので、またアップデートされてる部分はあるかと思います。そうした、継続して日下野サンの本を読んでる読者から、ブラジルの現在、日系社会の現在を知りたいという声に後押ししてもらって出た本とか。メディアには記事を書き続けているとのことなので、それをまとめればいいのに、けっこう書き下ろしみたいです。自分の書いた記事なのに、初出は書いてませんが、発表済みは引用みたいなかたちで入れています。

以下コネタを後報で書きます。とりいそぎここまで。

【後報】

上は表紙の一部。著者にウィキペディアはありません。以下コネタ。

頁23の美女談議に、東洋系として初めてブラジル版プレイボーイの表紙を飾ったサブリナ佐藤サンと、新進のダニエラ鈴木サンが紹介されます。

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また、大島渚夫人の小山明子サンが、その父親で、ブラジルのピメンタ(胡椒)産業の基礎を築いたと言われる元移民送出官臼井牧之助サンの思い出とともに出ます。小山明子サン著『気立て気配り気働き』は読んでみます。書名だけ見ると、オナクラクンにあげてもいいくらいの本。

頁25、ブラジルではオシリをブンダ、もしくはブンブンというそうで、ポルトガル語では臀部は"Nádega"ですが、ブラジルでは"bunda", "bumbum"になるんだとか。

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頁28、ブラジルの満員電車(地下鉄)にも痴漢がいるんだとか。

頁29、世界初の女性元首は1960年代スリランカのバンダラナイケサンだとか。

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頁33、ブラジルでは夫婦の財布は大概男性が握っているとか。

頁51「シダ マラヴィリョーザ」

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クサカーノサンは1965年大学を壱年休学して石川島ブラジル造船所で商業実習した時に折よくリオデジャネイロ市創立400周年祭とこの記念歌に遭遇したとか。

頁58、コリンチャンスサポーターはフーリガンが多いそうで、クラブワールドカップの時に浜松から大集団が横浜に押し寄せましたが、それは感じませんでした。その時の売れ残りの¥1,500レプユニ(ブラジルスーパー購入)を着て大泉に行ったら、ブラジルレストランの主人が「いいですね」と言ってニヤリとしてましたが、暴動好きなサポという知識あってのニヤリだったのでしょうか、はてさて。

頁96、ブラジルのアボカド"abacate"(アバカ)はマスクメロンほどにも大きくなるとか。しかし熟れると一日二日で痛むそうなので、それで日本の八百屋が取り扱わないのかも。そういえば愛川のペルー雑貨兼軽食店で週末、テーブルにドンとアボカドの大箱が置かれ、どれがいいか来客がてんでんに品定めしてました。

頁103、ブラジルゲートボールプレーヤーの約三分の一は非日系人(本書はこういう書き方をします)だそうで、ゲートボールは陰険でないと出来ない競技と聞きますので、マリーシアのブラジルにあってるのかもと思ってみたり。

頁109~、日本の歴代首相の訪伯で、”御殿場の妖怪”岸信介小泉純一郎日系人聴衆を前に講演した際、ボロ泣きしたと書いてます。特に小泉首相は、いとこがサンパウロで獣医をしていることもあり、その苦楽を見聞きしていたので、感無量になってしまったそうです。信介サンのお孫さんのブラジル訪問はちょうど本書執筆時期で、書かれますが、泣かない代わりに気さくに写真撮影に応じたそうで、そういえば錦糸町の、先ごろおしまれつつ高齢とコロナカで閉店した臺灣便當が名物のお店にもツーショット写真がありました。

頁119、コロニア語と呼ばれる?日系社会のことば。「メーザ掛け」テーブル掛け。「洗濯マキナ」洗濯機。「コンジェラする」冷凍する。「カボウした」使い切った、なくなった、終わった。「アショケ」たぶん。「オッセ」ユー。「ヨ」ミー。「ジャンタ」喫飯。「カベサドゥーラ」アタマコングリ。みかんはシューパ(吸う)もので、スポーツをするときは「する」ではなく"jogar"(ジョガール)の直訳で「投げる」になる。綺麗くなる。また、薩摩弁に似てるからか、ヴァモス"Vamos"、Let's goのポルトガル語に日本語の「行こう」をつけて「行こうモス」と言ったりするとか。

頁143、もち米はブラジルでも生産されるようになり、ウルグアイではあきたこまちが作られているとか。

頁186、10月12日はブラジル国家守護神(ノッサ・セニョーラ・アパレシーダ女神)の日。国家守護神がいるなんて、さすが人類教が栄えた地。

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頁193、エスカレータで立つのは日本は左側、ブラジルは右側。しかし大阪は右側で、大阪とサンパウロ姉妹都市。そこに因果関係が(ない)

以上

(2023/2/25)