ビッグコミック2023年6月増刊号掲載(諸星大二郎劇場34 Morohoshi Daijiro Theater Vol.34)アリスとシェエラザード|第14話 "Alice and Scheherazade : Episode 14"『仮面舞踏会』"The Masquerade Ball." 読了

今回は名実ともに巻末。

煽り文句

仮面が隠すのは殺意? それとも―――

面堂家仮面ぶとう会に、了子に招待されたあたる。だがこのぶとう会、なんと『舞踏』ではなく『武闘』であった!? そうとは知らぬあたるはのこのことやって来る ...

https://www.hulu.jp/watch/60465406

頭の柱文句

怪異専門の名探偵、アリスと"シェエラザード"ホブソン。今宵はミステリーの定番、仮面舞踏会へ…!!

面堂家仮面ぶとう会に、了子に招待されたあたる。だがこのぶとう会、「舞踏」ではなく「武闘」であった!? そうとは知らぬあたるはのこのこと来るが、そこには面堂家 ...

https://video.unext.jp/episode/SID0014017/ED00061812

よく分かりませんが、ヒロインが殺されるのは人違いでなかったということ?

オチの柱文句

繰り返される歴史と粋な贈り物…今度は"人違い"でないことを祈るばかり――次なる事件は一体!?

女性は全員胸元に谷間をこさえた衣装を着て、男女は手に手をとって、体を密着させてダンスを踊る――素晴らしいですね。アフガニスタンで回教徒が聖戦を訴えても仕方ないかと。

ゴルゴスピノフでも、アルジェリア出身のフランス帰化者とワインのエピソードにオチが唐突に収斂され、飲酒にさして罪悪感の無かった時代に渡航した者たちの子孫は、移民先のフランスのみならず、戒律的に原点回帰の風潮が強い故郷でも、異端児とならざるを得ないのだった、みたいな意味合いを入れてもいいのになあ、と思いました。

以下後報でほかのマンガの感想を載せます。とりいそぎ以上。

【後報】

ほかのマンガ。

ゴルゴスピノフ。本誌の感想でも書きましたが、さいとう・たかをクリソツに描ける人がこんなにいないんだなあと。それは、本人が、そうさせなかったのかもしれません。あくまで自分の絵で勝負出来るようになってほしいと。表情のつけかたが、藤原芳秀藤原芳秀だし、そうでない人も、たぶんその人のつけかただし。そして、肩幅など、ときどき狭い。回教国アルジェリア移民の現在に関して、故国との関係性まで触れてこそのワインとは、やはり思います。あと、最近の性的マイノリティーを風刺したいのかコレクトネスな絵を追求したのか分かりませんが、女性暴徒が羊のような男性を性的に凌辱する場面をヒキで何度も描いていて、なんだかなあと思いました。男性暴徒のレイプばかりだとアレなら、一切描かなくてもいい。現実にどれだけ男性を襲う女性テロリストがいるっちゅうねん。

ギャラリーフェイク。未来を予知出来る男の「不安」を描いた絵の話。現在の話なら、土方仕事でそうそうこんなショベル一本の仕事はないと思います。もっとユンボと整地用の工具で出来るはず。

わたせせいぞうは芸妓と植物学者の恋。朝ドラ絡みでしょうか。比叡山横川元三大師堂には行ったことがありません。すずむし寺もないです。ブエノスアイレスとアマゾンは、あまり関係ない気もします。

伊能忠敬まんが。検地は村役人にとって必要な技法ということですが、悪用を知り尽くそうとする性向もまた生むのだろうなという。自分の手のものがいれば、そうそう百姓一揆なんか起こらないと思います。それが権力。

格言四コマ。目の前でペコペコして裏でえらそうに悪口言う部下、というよくある話のまんががあったので、初めてほぉっと思いました。いじめられっ子がいじめられる理由(のひとつ)というわけではないですが、ザギン宝石店事件の高校生のように、悪口が絶対言えないレベルのグループで働かざるを得ないパシリにまでなってしまうと、大変。

フォルクスワーゲンビートルまんがは1983年の暴走族まんが。鎌倉近辺が舞台かと思ってましたが、国分寺ナンバー(架空)が出て、湘南の族でなく中央線沿線の族ですよという枠線外の説明。水中花シフトノブでダイヤ型の写真がぱっと出ず、ダイヤ型と水中花をまんがとして合成したのかも、なんてちょっと思いました。

テリー伊藤と作者のフォルクスワーゲン対談があって、作者の写真も載ってますが、それ以上に、老いてやさしくなったといわれるテリー伊藤のせりふを、「LINE交換しましょう」なんてどうでもいい部分まで削らず載せていて、大丈夫かこの対談記事と思いました。文は「輔老 心」というどう考えても一度限りの使い捨てペンネームの人で、と書いてから検索したら、「ほろう(フォロー?dig?)こころ」ではなく「すけたけ しん」というベテランライターの方でした。

bunshun.jp

『お笑い北朝鮮』の著者と在日コリアンが主人公のまんがの作者がこうやって対談出来るのも、平和だからこそ。ヨカッタデスネ。

墨のないギターまんがはブライアン・セッツァーとロカビリー。ロカビリーと絵人間の取り合わせは、確かにあまりないのかも。

剣豪まんが。熊本で柳生の評判がボロクソとは知りませんでした。

小学生まんがは絵がどんどんヘタウマ路線に。じゃりん娘チエなみに線を崩そうとしているのか。

どうぶつ四コマに新人賞受賞作家のねこまんががぶつけられる。新人賞のひとは、中央線沿線青春群像女性を主人公にして、全裸まんが(一部)私の家のねこも同じキャットフードしか食べないのですが、甘噛みの加減を知らないし、ねこは小動物をいたぶって遊ぶいきものですので、主人公食べられはしなくても、ヤラレルと思います。重傷を負う可能性大。

風呂まんが。男性用露天風呂盗撮、ではないかったです。されてたらバズるかな、フェイク認定されるだけかな。

娘の太ももに手を置く父親まんがは、ちょっと笑えない展開が続くので、安寧を願わずにはおれません。娘のスマホ代を親が払っていたら、電子マネーを毎月数万単位でチャージされ、家に居つかず、救急車緊急搬送…

家事をするAIまんが。ビッグコミックオリジナルに載ったゆうきまさみのマンガは、ヘイ、シリ!とか、オッケー、グーグルがロボットになって歩くまんがで、それだけならスマートハウスで各部屋にマイクとスピーカー置く今の形態でよいのではと思ったのですが、こっちはいくら家事をしても疲労しない(味が変わらない)ロボットなので、そこはいいのかなと。定年退職の話ですが、どうせなら理化学研究所の雇い止めの話でもモチーフにすればよかったのに。自分の定年でこれだけドタバタしたのに、非常勤の部下だと雇い止めにも無関心な博士。もうこれで次回のネタはオッケー(多分使われません)

以上

(2023/5/23)