『神聖ローマ帝国三十年戦争 1』"Holy Roman Empire, Thirty Years' War" vol.1(歴史群像コミックス)"history group image comics" 読了

歴史群像―デジタル歴史館-「新刊案内」

本屋でなんとなく手にしたマンガ。編集:スタジオ BEE デザイン:門脇正造 タイトルロゴ作成=田代俊介(Phantom G inc.)業務センターは入間にあるそうです。「歴史群像」に、たぶん去年10月号から連載。巻末に、今年10月号に掲載された特別講座「神聖ローマ帝国とは何か」(文=荒川佳夫)収録。昨年10月号に掲載された宮下英樹インタビューも収録。

歴史群像コミックスなんてものがあるんですね。

歴史群像―デジタル歴史館-「歴史群像コミックス」

宮下英樹 - Wikipedia

私はたぶん、『センゴク』の最初の最初くらいの時期がまだ、マンガ雑誌を読んでいた時期だと思うので、読んだ記憶があります。稲中とかその後のヒメアノ~ルとかそういう時代ではなかったでしょうか。猿ロックとか。18年も続いて、さらに、ちゃんと終わったというのが、すごい。

神聖ローマ帝国 ファルツ選帝侯 フリードリヒ五世 (1596~1632年) ヨーロッパの“戦国時代” である。 知られざる“欧州の戦国史”、 今ここに始まる TARAN 関原 大乱 関ヶ原 家康、 窮地に立つ。 発行: リイド社 © 宮下英樹/ リイド社 7140 宮下英樹 「家康私婚問題」「七将襲撃事件」は 大乱の火種となるのか!? 戦国最大の政治の争いを描破する 歴史大河ロマン [単行本①②巻] センゴクから関ヶ原

帯裏。並行して関ケ原まんがも描いているそうで。Firstの人が『バガボンド』描けなくなったのはブレたからだし、白土の人が『カムイ伝』バックレたのは扇動し続ける重圧に耐えかねたからだと勝手に思ってますが、『センゴク』が連載ごく初期から『信長公記』などをバンバン出しながら、完走したというのは素晴らしいこと。素直にそう思います。『風雲児たち』は人生との競争でタイムアウト、時間切れ。

ja.wikipedia.org

https://www.y-history.net/appendix/wh0601-095.html

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https://www.y-history.net/appendix/wh0904-090.html

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作者エックスなどでは、「丗年戦争」と書いてひと文字文字数を浮かしてます。笑いました。

センゴク』は知りませんが、本作は特に監修者名がなく、特別講座を書いた人も、小説家です。

荒川佳夫著|プロフィール|HMV&BOOKS online

ハロルド作石『7人のシェイクスピア』が不可解な中断のままお蔵入りとなり、監修者だった神戸市外国語大学学長(当時)指昭博さんが次に監修したこざき亜衣『セシルの女王』が、英国国教会というインチキプロテスタントを、大陸のルター派カルヴァン派と混同させるような印象操作に満ちたスタートを切ったので、なにこれとずっと思ってましたが、そうこうするうちに指先生は定年で勇退、名誉教授となられ、最近はカソリックの受難ばかりセンセーショナルに取り上げられることも少なくなったので、胸をなでおろしていましたが、まだまだ油断は出来ないと気を引き締めている折り、このようなマンガが始まり、さらにそこには監修者のクレジットが今はないので、宮下センセイがんばってけさいと強く願います。ブレて休載しないでほし。

カバー折等にある、目隠しして球の上に乗った、運命の車輪の女性が分かりません。絞首台なんでしょうか。主人公はトヨエツ似で、センゴク初期から、だいぶ絵が変わったんだなと思いました。
インタビューでは、グスタフ=アドルフとヴァレンシュタインのリュッツェンの戦いが描きたいとおっしゃられているので、そらそうだわな、ヨーロッパの為朝だもの、と思いました。あるいは欧州の呂布

しかし三十年戦争は、高校世界史の学参レベルでも分かるとおり、宗教対立の皮をかむった政治権力のぶつかりあいでしかないので、その意味で、宗教的に純粋まっすぐくん©小林よしのりな人に冷や水をぶっかけて、目を覚まさせるのによいかもしれません。フランスが、神聖ローマ帝国=ハプスブルグ家の勢力を削ぐために次々に新教側を支援したってだけなのが三十年戦争

サウジとイスラエルがつながると中東の平和になるのですがアラブの大義としては危機で、しかしそこでシーア派ペルシャ人のイランの支援をハマスが受けて、没義道な人間の盾作戦ですべてをぶっつぶそうとするのはどうなのよ、イスラエルはロシア的作戦を用いず、「すべてハマスの自作自演で、我々は一切無慈悲な作戦空爆を行ってません」なんて絶対言いません(石坂啓『戦争ってそういうモンじゃない?』は我々のためにある言葉だ、なんて言いそう)から、思う壺もいいところ。こうした現状を鑑み、過去の戦争を学んで、人間のやることって同じね、と思う人が増えれば、それは勝ちかと。人は歴史から何を学ぶのか。

1059万部突破の歴史大河コミック 「センゴク」の著者が挑むヨーロッパの戦国! 日本人が知らない“欧州の戦国史”堂々開幕!!

帯 

インタビューで、理系出身と知りました。しかも世界史だったそうで。それで日本史まんがいきなり爆走するとは。印象に残ったのが、子孫がいてはる人が多く、子孫はええ人ばっかしなんで、キャラを悪く描くと、ちょっと申し訳ないという箇所。しかし史実は曲げられないしという。この漫画でも、そのうち子孫と対談して、この漫画、日本のマンガなのに、"KAWAII"が少ないですね、ポケモンも出ないし、とか言われるのかなあ。それに対して宮下センセイは、いやいやこれは中国で言うところの《凡學》の系譜で……、と答えようとするところにかぶせて、それは知ってますけど、池田理代子先生とちがってキラキラも花も装飾も少なくて、地味じゃん? とさらに言われることはないと思います。たぶん。

中国で日本の漫画は事実上「出版禁止」…そんな中国で「ネット流行語」の発端となった「日本の漫画」(近藤 大介) | 現代新書 | 講談社(3/3)

ただなあ、どこで買ったか覚えてないのが心残りです。紀ノ国屋かなあ。以上