アマゾンか紀伊國屋書店取り寄せで買ったエッセーマンガ。
嵐山光三郎調のタイトルですが、初出の記載個所が分かりません。描き下ろしなのか、どこかで連載されてたのか、不明。装幀者の記載個所も不明。カンゼンの本みたいですが、角川。
帯裏 ミートプレスはパリッコサンや吉田戦車サンも愛用とか。
拡大 動画などで実物の作者の老化ぶりは巷間よく知られるところなので、自画像だと若いんだなと思う人は思うでしょう。
しかし流行語(ネットの)をコレクトに覚えていないのはそういう年齢だからとしか。
以下後報
【後報】
プロローグ「酒飲みの頭の中」
在宅業であるまんが家は夕方くらいから飲酒を始め、日付が変わるくらいに就寝だそうです。
酒を飲む擬音は「キュビビ」
「トマ玉炒め」という中華の家常菜をラズウェルサンもよく作るのですが、めんつゆで味付けしてる時点でもう日本の味つけ。
とっくに還暦も過ぎたのにいつまで漫画家を続けるのかと自問自答してますが、続けたくても仕事の来ないまんが家もいるわけですので、ありがたいことと続けている気瓦斯。
皿洗いの前にお皿の汚れをキッチンペーパーでぬぐうとシンクの汚れが少ないそうですが、その分ゴミだしの量が増えるのではと思いました。
第1話「いつものウダウダ晩酌」
牛乳パックをまな板にして肉や魚を切るそうで、なぜまな板を使わないのかふしぎです。
夜中だから洗濯機を回せないとありますが、それなりのマンション暮らしでもそうなんですね。たぶんそれなりのマンションだと思うので。
第2話「酒器育て」
顔の脂を酒器に塗り込むといいと中島誠之助サンがなんでも鑑定団で言っていたからだそうで。いつテレビ見てるんだろう。
バルサミコ酢を直接イチゴにかけるなどでつかいこなしていて、若いと思いました(もちろん舌も若い)私はまだバルサミコ酢を理解してません。スイーツなのにすっぱいってどういうことよとしか思わない。
食器用スポンジとシンク用スポンジを分けるか分けないかの件。そんなによくシンク洗うのか。毎回キッチンハイター使うんでしょうか。
第3話「大相撲晩酌」
加藤編集長の許可が出たので心置きなく午後四時前から晩酌という。この編集長の名前に聞き覚えがあり、清野とおる『怪奇酒』に出てくる人なので、この漫画が「東京ウォーカー」連載と分かりました。本文に出てくるから奥付等で触れてないのかな。
ラズウェルサンは蚕豆を外皮ごと食べるそうで、私もそうです。なぜ外皮捨てる人がいるのか。
国技館常連有名人の似顔絵、下の林家ペー、パー子は分かるんですが、上の三谷羊なのかイエス高須クリニックなのか分からない二人が分かりませんでした。後者かなあ。
国技館にはオーロラビジョンがないので、微妙な判定の際VTR再生が見れず、その点でテレビ観戦の方が勝るそうです。国技館の自席でスマホでNHK視ればいいのではと思いましたが、それはだめなのかな。
第4話「夏晩酌」
浴衣は風が入らず暑いので、夏はTシャツに短パンが一番とのこと。分かるんですが、そのカッコの老人は筋力がおちてるせいでえてして貧相。そこをおぎなって、ひょうひょうとした粋なジジイに見せるひと工夫が思いつきません。
エアコンはいちいち切ったりつけたりしないほうが電力消費しないので、買い物くらいの時はエアコンを切らず、そうすると帰宅時涼しくて快適だとか。ただし電力消費の噂の真偽は不明だそうです。
素麺を日本酒につけて食べたり、ところてんを日本酒や焼酎(こっちの方が合うとか)につけて食べるとうまいそうです。おそろしい。ノンアル派はところてんを炭酸水、素麺をコーラにつけてみるとかどうだろうと思いましたが、そこまでやる意味が分からないです。
アイスクリームにもスピリッツ、蒸留酒をかけて食べるそうで、酒飲みらしいと思いました。
第5話「京都晩酌」
ラズウェルサンは京都にも仕事場があるので、そこでの宅飲みの話。
このお豆腐屋さんが仕事場から五分の距離だそうで、五分というと晴明神社や丸太町、御池なんかくらいかなと思ってグーグルマップで調べようと思ったのですが、京都市街はなぜかグーグルマップのルート検索の「自転車」が無効化されてました。オーバーツーリズムの弊害でしょうか。
すずめ焼きは錦の川魚専門店でも帰るそうで、いちいち伏見稲荷まで行かなくてもいいんだと思いました。まー買えるのは中国からの輸入すずめです。
鮒ずしは大津の月イチ朝市で買うと千円から二千円までとお手頃なんだとか。私は食べたことがなく、確か東京でも滋賀のアンテナショップか何かで見た記憶がありますが、もう手を出す勇気はないです。いまさらもう食べなくてもいい。
第6話「サザエさん晩酌」
サザエさんをキモを切らないようくるくる外すのもテクだと思います。私は食べつけてないので、百発百中というわけにはいかない。八王子のペルー料理店だけ、ペルー料理店でサザエの前菜を出すところはなく、ほんとにペルーでサザエを食べてるのか気になる時もあります。
"Solterito de caracol"という名前。2023年7月。
ビッグコミックだかオリジナルだかに、海洋危機で貝が採れなくなって、潮干狩りでも何も獲れないと嘆くコラムがありますが、サザエは養殖なのかな。どうだろう。
第7話「ラ寿司」晩酌(準備編)
一般人が自分で握りずしを作る。準備だけで一話消費。
第8話「ラ寿司」晩酌(職人⇔お客編)
巻物は難しいので軍艦巻の方が簡単なんだとか。『音やん』の先輩は「巻物には定評があるぞなもし」と言われてましたが、名誉なことなんですね。
握りずしを食べる時は、ネタを下にする方が舌で直接ネタを感じられていいという最近の俗説に対し、ラズウェルサンは反論してます。敏感な舌に直接ネタは強すぎるんだとか。ラズウェルサンのように、酢飯にも独自のこだわりがあって、自作の寿司酢を使ってる人はひとこと違う。職人はみんな市販の寿司酢なんか使わないんでしょうけれど。
第9話「カレー鍋晩酌」
2日目もカレー鍋にするとまた違った味でおいしいとか。私が昔、ひとり用土鍋で火鍋の素でやってたことと同じ。火鍋ブデチゲとかひとりで試してニヤニヤしてた。
ここで、ページがあまったのか、見開きで野菜くずの有効活用でダシをとることの紹介。こういうページがあると、誰が装幀、デザインしたのか知りたくなります。書いてませんが。
第10話「春の桜鯛晩酌」
養殖でじゅうぶんとのこと。鯛のカルパッチョ、鯛の兜煮、鯛飯。こういう回があると、男の手料理って感じがします。一人で作って食べるだけのに、それなりの食材を一点集中で攻める。
第11話「カラダを気遣う晩酌」
「最近どんどん晩酌のタイミングが早まっていく」と言いつつ、初期の午後四時から四時間遅いい午後八時半スタート。
このまんがは連載時期も分かりませんが、やはりコロナカが背景にあるようで、外飲みだと感染怖いと言ってます。
「酒は百薬の長」という言葉は最近の医学界では否定されてるとか。それはたぶんイルミナティの陰謀デスヨ。
第12話「梅雨のスタミナ肉晩酌」
すきやきと言いつつ、牛豚鶏ぜんぶ揃えてしまう豪気さ。しかも八丁味噌で味付け。ハマの牛鍋屋と両国の軍鶏料理(現在は廃業)に学んだものだとか。キムチで味変、カレー粉でまた味変。正統派だった鯛料理の回とだいぶちがうと思いました。
第13話「夏のうなぎフルコース晩酌」
この人はほんと鰻が好きだと思います。スーパーで買って来た輸入うなぎを味わい尽くす。ついてるタレを熱湯かけて洗い流し、自分で調合したタレと付属のタレを混ぜて少し煮てその後オーブンで軽く炙って、それをうざくとう巻き、柳川流蒸籠蒸しにして食べ尽くし、京都三嶋神社の毎年行事、うなぎ供養祭に思いを馳せる。よくやるなあ。
第14話「残暑冷え冷え晩酌」
「いつもよりだいぶ早いけど」と言いながら午後七時スタート。毎回チェックしてる読者がいるんでしょうね。依存症が心配です、とか手紙書いて。
山形のだし(お手製)市販のものとは違います。水ダコのカルパッチョ、豚肉の冷しゃぶ、水漬け。就寝が九時半と早いです。やはり夏バテで体力落ちてるのか。
全27話の後半と描き下ろしあとがきの感想はまたいずれ。
(2024/6/18)