安禄山―「安史の乱」を起こしたソグド人 (世界史リブレット人)
- 作者: 森部豊
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2013/07/01
- メディア: 単行本
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少し間を置きましたが買いました。
ものすごくトラディショナルな購入のきっかけ。
あと今年、新聞で知って、読もうと思ったのは下の本。
未読。
ひとりぼっちの幸せ チッチ、年をとるほど、片思いは深くなるね
- 作者: みつはしちかこ
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2013/05/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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頁006
本書では安禄山とその時代を描くのに、思い切って玄宗・楊貴妃のエピソードを省き、また唐国内のようすも必要最低限の記述にしようと思う。それにかわって、ユーラシア東部地域のうち、北中国、モンゴリア、マンチュリアという空間に視点を定め、この歴史空間でなにが起きたのか、それが安禄山および「安史の乱」とどのようにかかわっていったのかという点を重点的に描いていきたい。
上記のコンセプトで、
新たに発見された石刻や墓誌なども用いて、
いろいろ演繹して解釈を打ち出しているのですが、
結局ほとんど漢字資料しかないので、
説得力のあるロジックに出来上がったかというと、
目を閉じて黙考してしまいます。
顔真卿の「康阿義屈達干神道碑」など面白かったです。
顔真卿が科挙官僚だったとか、ふつう忘れてしまう。
唐代はまだ科挙官僚が強くなかった(制度が始まったばかり)
という思い込みがあるので、
門閥と科挙官僚の政争に異民族がトリックスターとして抜擢介入、
という構図は新鮮でした。
けどそれは、必要最低限の個所のほうなんですよね。
本題のソグドや突厥に関しては、やはり発掘された絵とか、
断片的な単語の意味とか、そこからの大胆な仮説しかない。
契丹も同じ。
http://d.hatena.ne.jp/yashimaru/touch/searchdiary?word=*%5B%CE%B9%B9%D4%B5%AD%A1%A7%A5%A6%A5%BA%A5%D9%A5%AD%A5%B9%A5%BF%A5%F3%CA%D4%5D&of=15
頁015
ちなみに「般陁」は「僕」を意味するソグド語のβntk(ヴァンダク)の音転写である。
そうすると、玄奘三蔵が莫賀延磧で出逢った石槃陀は、
タシュケント出身のしもべという意味になるのかな。
http://www.juqcho.jp/traveling/dunhuang/20110503.html
http://14429425.at.webry.info/201107/article_2.html
大唐大慈恩寺三藏法師傳
http://www.cbeta.org/result/normal/T50/2053_001.htm
各下褥而眠。少時,胡人乃拔刀而起,徐向法師,
未到十步許又迴,不知何意,疑有異心。
即起誦經,念觀音菩薩。胡人見已,還臥遂眠。
天欲明,法師喚令起取水盥漱,解齋訖欲發,
胡人曰:「弟子將前途險遠,又無水草,
唯五烽下有水,必須夜到偷水而過,但一處被覺,
即是死人。不如歸還,用為安隱。」
法師確然不迴,乃俛仰而進,露刃張弓,
命法師前行。法師不肯居前,胡人自行數里而住,曰:
ぶっそうなしもべですね。
降胡、胡化、現在の北京牛街にあたる安禄山政権の首都幽州。
民族の混淆というと、どうしてもこんな時事ネタを連想してしまう。
新疆切糕真有那么恐怖么? | 问答| 果壳网科技有意思
http://www.guokr.com/question/140018/
古くて新しい問題。牛街は北京で最も好きな街です。
いつか、地下鉄で行ってみたい。
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