- 作者: ヒキタクニオ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/06/13
- メディア: 文庫
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文庫の表紙は、帯付の画像しかないのですが、帯で隠れてる部分に、
なぜかピンインでチンニャオと書いてます。QingNiao.
- 作者: ヒキタクニオ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2003/08/21
- メディア: 単行本
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台湾人が主人公なので、ウェード式でCh'ing Niao(Nyao)と書くべきと思います。
あるいは注音字母で、ㄑㄧㄥㄋㄧㄠ。
その辺がひっかかって、積んだままだった本。
『狂気の桜』も映画しか観なかった。江口洋介が、指紋偽造する場面覚えてます。
主人公は台北生まれの台北育ちなので、文中の中国語は、國語
(所謂北京語、というかマンダリンチャイニーズ、南京官話)です。
台湾語と呼ばれるところの、閩南語ではない。
彼女の國語の思考、モノローグを日本語に訳してストーリーは進んでいくのですが、
途中でその危うさ、不自然さに作者は気付いたようで、
主人公の職場自体を多言語環境に切り替えています。英語と日本語併用の職場。
小説では日本語で書かれた会話も、実際には英語で話されているかもしれない。
そうでもしないと、別言語の思考を日本語で綴るなんて芸はムリと思いました。
出来ない。破綻します。
主人公は紹興酒で泥酔し、げろげろ吐いたので、
チャイナ・トラック・ドライバーなる渾名を頂戴します。
主人公は、東京でないと、人生設計として、
結婚しないで働くという選択は出来ないと考えていますが、
台北なら、結婚して働くという選択になるはずなので、
そこのロジックが弱いというか、よく分かりませんでした。
メーテルリンク由来のタイトルにこめられた「幸福」のワクの中に、
主人公が結婚を含めているのは読んで理解出来たからです。
結婚して働けるなら、そっちのほうがいいと思うので。
独身でいたいなら東京でいいのかもしれませんが。
そもそも、中国語なら、青鳥でなく、"蓝色小鸟"ではないかと思ったのですが、
検索したら、メーテルリンク由来は、やはり、"青鸟"でした。
Wikipedia
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E9%B8%9F_(%E6%88%8F%E5%89%A7)
百度百科
http://baike.baidu.com/subview/5674/5502939.htm
三浦しおんが解説で、この小説の恋愛部分について、
ネタバレにならないように書いており、
恋愛ってネタばれしてはいけないのかと逆にびっくりしました。
作者は男性読者が主人公に処女崇拝を抱いてはいけないと思ったのか、
最後に好きでもない、童貞読者の賛同を得られないヤリマンとのセックルを
用意してますが、それもネタばれは避けるべきなのかな。
最初にもどると、中華の女性は働きたがりという発想は、
『現代中国悪女列伝』*1などを読んでそう思ったわけですが、
そういえば、むかしは纏足だったので、働けたんだろか、
とふと疑問を抱きました。そうなると、また都合のいい積ん読本があり、
今はそれを開いています。
- 作者: 東田雅博
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 単行本
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