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映画の日を狙って行きました。岩波ホールは、1,100円ではなく、
デフレ脱却のアベノミクスとは無関係と思いますが、定価1,800円が、
映画の日1,400円です。が、そんなことで見るのをやめたりしない。
何故か海角七号のDVDが1,100円で売られていたので、買っちゃいました。
いやぁ、これはトクした。未見で、交流協会の上映会も逃していたので。
- 出版社/メーカー: マクザム
- 発売日: 2015/05/29
- メディア: DVD
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http://ja.forvo.com/word/%E7%81%A3%E7%94%9F/#nan
英語タイトルで分かるとおり、漢字を日本語読みしています。
ワンションフイジャ、ではない*1。嘉農をKANOと読ませたのと同じ。
冒頭から兎おいし攻撃で、そうなると、半島生まれは鮮生韓生なのだろかとか、
故郷はハングルではコヒャンと読むなぁ、とか、
ポスターの旅客船とサバニは、映画の中では、アニメで出てくるな、
悲情城市は、当初の構想では、ラストシーンで女所帯になってしまった一族の、
女学生だった子が50年代白色テロ下の台湾キールンで、
大陸相手に密貿易で荒稼ぎする破天荒なストーリーになるはずだった、
とか、そういう余計なことを考えていないと、うさぎおいし攻撃で、
涙腺がやられそうになって、困りました。
観客は七部ほどの入り。シニア割もありますし、あまり映画の日関係ないかと。
台湾を、中文の字幕で、臺灣としてあって、はて、ワンは兎も角、
台は臺の略字でなく、天台宗でも分かるとおり、むかしからある、
別の字。竜と龍みたいなもん。という説明をむかし2ちゃんで読んでいたので、
これはヘンじゃねーかと思いましたが、台北の女学校の看板も、
台北でなく臺北と書いてあったので、21世紀の台湾は臺灣なのかと思いました。
かつては、台灣を臺灣と書くのは旧字ズレした日本人だけ、と言われてましたが、
時代は変わった(のだと思います)
タイヤル族ですか、山地人の集落に行って日本語話すと、
とたんにみんなめいめいが知ってる範囲での日本語に切り替わる、
もうそこが、映像記録としてとてもよかった。
後天的に日本語を学習したマゴの女性が、フレーズとフレーズ、
センテンスとセンテンスを必死に脳内でつなぎ合わせて、
一生懸命日本語文章を作っているのに対し、かつて日本語をさべっていた世代は、
パラフレーズ、構文をいくつもつなげた日本文を、まるまる会得していて、
それを記憶のままにすらすらさべるだけでよかった。
個人差もあるので、あるものは、「ながいあいだ…」と言って、
絶句してましたが、このあたりが最高だった。
たまたまその時日本語堪能なものがおらず、
我不会説日語とかリップンとかゆってると、湾生老人が、
少しなら台湾語話せると言って、これも水のように、
だーっと言葉がほとばしってゆく。原住民語だったんですかね。
この畳みかける感じもよかった。國語教育を受けた世代から、
だんだんに國語が強くなって、台湾語は薄まってゆくのが、
もう会話を聞いてるだけで手に取るように分かって、
それでも、“〇〇呢”とか、上の世代と話してると、台湾語が強くなる、
(27年目で法要を営む時、“喜”をシーでなくヒーと言ったり)
そのへんもクラクラするほどよかった。日本側プロデューサーの、
ネイ○○(「藤」の漢語読みは、日本語にない音なので、あまりカタカナにしたくない)
さんは、私より中文全然上手なのですが、やはり大陸で会得した中文なのか、
ちょっと意思の疎通とかでもごもごまごまごやっていて、
「俺とおんなじくらいじゃん」とか不遜にも思ってしまいました。
戦後台湾人と結婚して来台して現地に居ついてる人とか、
戦前、トンヤンシーとして残留した人とか、
あっちの人と話す時は、同じ日本語でも、無意識に、
助詞を多く省略して、体言止め多様で話す人とか、
「日本のことが嫌いじゃないアジアの国があるんだって初めて思ったですよ」
とか、よかったですよ。
(ワンセイの娘さんの台詞ですが、映画『妻はフィリピーナ』で、
マニラで生れて初めて物乞いの子に囲まれて、
かわいそうと泣き出す、主人公の妹さんを思い出しました)
あと、戦前の戸籍謄本がきっちり残っている点が、あちらと日本の違いだと、
あらためて思いました。歴史とは、書物に残された歴史のことなので、
書物を残さなければいいように捻じ曲げられる、というあちらの視点が、
よく分かるエピソードだと思います。以上
*1:この「フ」は、うわくちびるとしたくちびるを擦り合わせるF音でなく、擦り合わせないH音