紀伊国屋書店に『【推しの子】』⓰と『酒のほそ道』56巻を買いに行ったら、あったので買いました。装丁 竹内亮輔[crazy force] 「コミックDAYS」2024年4月10日・24日、5月22日、6月12日、7月10日、8月14日・28日、9月11日・25日、10月23日配信分を収録。
一巻が大雪山(羊蹄山かも知れない)で、二巻はシャケ。小学館ビッグコミックオリジナル連載コラム『和食の喪失』芦野一青サンによると、シャケの漁獲量も激減してるそうで、表面上はアラスカやカナダのサーモントラウトというのかナントカマスというのか紅鮭というのか銀鮭というのかキングサーモンというのかをひっかき集めて新巻鮭にして売ってるので目立たないそうですが、日本は国を挙げてあっちゃこっちゃの河川で大量の稚魚を放流してるのに、なんかぜんぜん帰ってこなくなっちゃってるんだとか。こうなるともう護岸工事ガーとかいう話ではなく、地球規模の環境変化、気候変動の話としか思えず、『和食の喪失』は毎回暗い未来が人類を待ってるとしか書かないので読んでて寒いのですが、シャケは大丈夫だろうと思ってたので、この回は衝撃でした。原作者の北海道だけでなく、漫画家の人の新潟もシャケ特産品ですから、気になる話のはず。
この調子で行くと三巻は花咲ガニかジンギスカンかという話ですが、沙村広明『波よ聞いてくれ』のどれかの巻によると、北海道で流通してる羊肉は実はほとんど輸入ものだそうで、ぜんぜん地産地消ではないという。だとすると味噌ラーメンという方向性もありですし、北海道といえばこの人で、内容とまったく関係ない大泉洋が表紙に出てくることがあるかもしれません。
とてきとうなことを書いた後で、シャケには意味があると上の帯で知りました。「剥ける」を「剝ける」と書いているので、気志団を氣志團と書くみたいな旧字かと思いましたが、そうでもないようです。どっちでもいい感じ。
このマンガは「原作者」と「脚色構成作画」に分かれていて、アマチュアの原作者がネタ提供して、それをベテラン漫画家が取捨選択、料理して読者に提供しているわけですが、粟入りご飯を全然食べれない場面は、かなり不思議でした。そんなに食べれませんかね。水田のない波照間島の民宿で粟飯が出たくらいしか記憶にないですが、粟は食べれるというのが私の認識です。食べれないのはヒエ。稗。のぞに引っかかって食えない。
上記以外に「お茶くみ」という今では絶滅した業務もあり、上座からお茶を配るのを誰が上座か分からないので真逆に配るお約束描写があります。それはいいのですが、電話番がオオウケで、最高でした。主人公のみならず、柔道で入社した女性全員が脂汗をかいている。また、「1コールで出る」というルールは私も関西で叩きこまれたのですが、意外に在京のオフィスではこの教育を受けた人が多くなく、鳴りっぱなし放置で平然としてる大企業がふつうにありました。主人公の勤める損害補償会社はこのルールがあるのですが、ひょっとしたらもとは関西企業で東京本社になった会社かもなとも思いました。
頁24、頁26で主人公の受け身がヒドいとか後転倒立が出来ないとかいろいろ出て来て、それまで旭川の高校でのびのび柔道やってきてたのが、全日本合宿に参加するといろいろレベチとか発見されるという展開で、リアルだと思いました。こういう描写をおろそかにしないのもすごいと思います。
そして、前にも書きましたが、こういう取捨選択の手練れのコンバヤシ先生の助言を、ひとり立ちしたハロルド作石がいっさい聞かなかったというのもすごい話。どっちも成功してるからイイ話になってますが、そうでなかったら、とんでもない。
常森美紀という同僚が前にも出てた気がするのですが、分かりません。似た顔なのかもしれない。
頁5の車はエルグランドかなと思いましたが、検索したらエスティマなんだろうなと。画像見るとぜんぜんエルグランド似てなかった。1997年からの車なので、1991年にまだないし。
カバー裏の内容紹介。頁116、OLとの乱取りでムハムハかというとその反対で、「嫌だった」という柔道小僧たちののちの述懐もよかったです。頁98や頁102の少女漫画ふうカットもよかったです。青沼貴子という人の育児まんがを読んだ時もこういうカットがたくさん出ましたが、ロンドンパンクとかそういう、まんが家はやっぱりそっちに行くんだなという感じで、このマンガのニッシーという人のカットはそっちじゃないなと思いました。
次巻予告の一部。誰がどれか見る人が見たらすべて一発で分かるんでしょうが、まあ私は分かりません。
これも次巻予告の一部ですが、正直真剣チョベリ場十代はもう少し後、1996年とかその頃ではなかったかと。1991年にはまだその言葉は、なかったんじゃないかな~。たぶんこの煽り文句を書いた編集者はその頃生まれてなくて、細かい違いが分からないんじゃいかなと思いますが、読んでる業界関係者はみな年配なので、違和感を感じたらツッコミが入ると思います。講談社の編集は外注が多いそうなので、気苦労が絶えないかもしれませんが、頑張ってけさい。
確か、守山鶴が松本人志の描いたラクガキをそのまま漫画化した『たこ焼きマン』で「チョモロハ」という言葉が出て、意味が分からなかった思い出があります。確か当時守山鶴はヤンマガの黒ブタ選手権か何かで「後悔したことは?」と聞かれ「このマンガを手掛けたことです…」と書いていた。それが1996年ですから、やっぱり1991年に「チョベリグ」は早いと思います。「鬼のように」とかそんな感じだったかな。
歌舞伎町は、分かります。ギロッポンなんて一部の人間だけですよ。風林会館でじゅうぶん。寮が吉祥寺なんだから、そりゃ遊ぶのは新宿でしょうね。井の頭線で渋谷とかあるべと云われても、行かないものは行かない。以上