『いねむり先生』読了

いねむり先生

いねむり先生

いねむり先生 (集英社文庫)

いねむり先生 (集英社文庫)

確か、アマゾンのほかの本のレビューで載ってたので、
メモして借りた本です。ハードカバー借りました。
なんの本のレビューだったのかは思い出せません。
在日コリアンの、家庭内暴力だったかな、なんだったろう。
http://www2.ttcn.ne.jp/kuro/mezura/15%20keirin%20caractor/houhu.jpg
今回しらべて、この人がfrom在日コリアンtoコリアン・ジャパニーズとして歩んだことや、
ペンネームの由来なども知りました。
ペンネームを揶揄するブログだかQ&Aだかもみましたが、
もうどうやって検索して出てきたか思い出せない。
バガージマヌパナス―わが島のはなし (文春文庫)

バガージマヌパナス―わが島のはなし (文春文庫)

私はほんの一瞬沖縄の先島諸島に暮らしたことがあるのですが、
その時会った、広告業界ドロップアウトして移住しようとしてた人が、
作者とその小説を敬愛していました。
私はというと、作者と片岡義男五木寛之辻仁成の区別もついてませんでした。
あと、作者と伊集院光だいたひかるに関係があるのかないのかも。

頁26
 半年後に重度のアルコール依存症になり、強制的に入院させられた。三十歳半ばで心身ともボロボロになったボクに手を差しのべてくれる人がいて、退院ができた。以来酒量を自制している。
 その夜は何か箍が外れたように飲んでしまった。それでも入院の時に味わった恐怖感は覚えていて何とか店を出たが、目が覚めた時は伝法院通りの隅の路地に寝ていた。

例えば、上記の描写からして?????なので、
読まないほうがいい人は、
読まないほうがいいです。

自分もいつか普通の酒飲みのように飲めるようになるかもしれないという妄想…
うんぬんに、囚われてしまう。
入院まで行った人が、節酒で済んでいる、連続飲酒を止められる、というこの本の描写に、
自分もいつか普通の酒飲みのように飲めるようになるかもしれないという妄想…
をうずうずさせられてしまうこと請け合いですwwwwww

無断転載を禁じている作者公式のトップページも、お酒絡み。
大人の男性というと、酒を添えないとイメージ的にあかんのかなあ。
URLのみ列記します。
http://www.ijuin-shizuka.com/
http://www.ijuin-shizuka.com/i_photo/064_047.htm
http://www.ijuin-shizuka.com/i_photo/04_5_6.htm

頁115
「サブロー君はたしかお酒に気を付けてるって言ってたよね」
「今夜は大丈夫です。博打を打つとバランスがよくなるんで」
「ああ、わかりますよ、それ……」

追いつかれる前の人はよくこういう珍説を開陳しますが、
いま現在も、おそらく最後までとりつかれないであろう人の珍説なので、
真似できないなあ(苦笑)、と「ひとりごちてみる、
その、苦笑部分をエクササイズするしかないです。

頁199
 いつの頃からか、妻に関る話題が出ると、反射的に怒りが込み上げるようになっていた。その感情がどこから来るものなのか自分でもわからず、ひどいアルコール依存症にあり、幻聴、幻覚に悩まされ、果ては暴力を振るうようになってしまった。
 ようやく平静が保てるようになり、こうして先生と旅に出ることもできるようになったのに……。それが装っていただけなのだとわかった。

おなくなりになった二番目の奥さんのことです。
最初の奥さん(こどもがいる)とは離婚と、Wikipediaにありました。
現在はサードパーティーだそうです。

伊集院静
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%9B%86%E9%99%A2%E9%9D%99
いねむり先生
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%81%AD%E3%82%80%E3%82%8A%E5%85%88%E7%94%9F

頁202
 昼間、アルコールを飲むのはひさしぶりだった。
 少しためらったが、一本目を空にしても身体がおかしいことはなかった。
 二本目を注文した。ビールがすぐに来なかった。
 いや、すぐに来たのかもしれないが、ひどく時間がかかっている気がして苛立った。
 その時、フラッシュバックがやって来た。
 目の前の風景が、二度、三度、閃光の中に包まれて何もかもが真っ白になった。
――ああ、また来やがったか……。
 そこで飲むのをやめればよかったのだが、気が付いた時は、目の前にウィスキーの瓶が転がっていた。
「お客さん、最終レースはとうに終ってるよ。うちもそろそろ仕舞いますから、勘定して下さい」
 金を払って、立ち上がろうとすると身体がふらつき、その場にしゃがみ込んでしまった。
「大丈夫かね?」
 遠くで聞こえる声にうなづきながら、ボクは幻聴を耳から追い出そうともがいていた。

フラッシュバックのシーンはほかにもありますが、
ブラックアウトはここと、あと上のところくらいです。
で、普通に軽く酒飲んだり、連続飲酒とめたりしてます。
薬物には自制して手を出さないシーンもあります。
意志の力というか、そこまでの進行だったか。
ほかの人が真似して失敗しても自己責任ですが、弱い人ほど真似するので、やっかいです。

頁207
――一昨夜の酒がいけなかった……。
 昼間のことも反省した。
――これで、これから酒を飲まなければ何とかなるはずだ……。そう、これから飲まないことだ。
 ボクは自分に言い聞かせた。
「そうだ。飲まずとも大丈夫だ。幻聴もしない」

その後も飲みますし、幻覚もあるのですが、大丈夫なんですね。
ある事件が四次元ロケットカタパルトの役目を果たし、
適正飲酒と、頭痛幻覚のない生活が達成出来てしまう。
禁酒の人からみると「それって本当にアル中だったの?」って感じの、
コペルニクス的転回です。
関係ありませんが、頁191のエピソードはこの本です。

木のぼり男爵 (白水Uブックス)

木のぼり男爵 (白水Uブックス)

この本は、作者と、ナルコプレシーのあの作家との交遊を描いています。
哲也 41 (少年マガジンコミックス)

哲也 41 (少年マガジンコミックス)

Iさんというのはすぐ分かりましたが、

業種のヒントのないKさんは分からなかった。
でも、職業的ヒントがあっても、高信太郎を思い浮かべていたと思います。
生前の交遊、携帯のない時代、競輪の旅うちがあった時代、
競輪場に地回りの用意した若い衆がいる時代。
花札やサイコロの場はあっても、パチンコはありません。そこはよかった。
パチンコスロットは、他のギャンブルとは違うと思ってるので。

しかし、ぽっこりしたおなかの高齢者、多いですね。
江戸時代は亀腹と呼ばれ、ガンを疑われていたと魔界転生に書いてあったので、
気を付けたいものです。昨日の試してガッテンでも、
暴飲暴食はアルツと関連があるとゆうてたし。